中野京子の「花つむひとの部屋」

本と映画と音楽と。絵画の中の歴史と。

マリー・アントワネットの首~パリ五輪

2024年08月06日 | 雑記
 悪評さくさくのパリ五輪。ついにトライアスロンでは、夜だけ美しいあのセーヌ川を泳がせられたアスリートたちが、嘔吐したり溺れかけたり感染症で入院するはめに。。。

 開会式もひどかった。スポーツに政治やイデオロギーを持ち込むのはNGなのに、あれほど大々的な自己満足は何なのだろう。おフランスざんす満開だ。

 おまけにマリー・アントワネットの首に歌わせて、王政を倒した自分たちはすごいとは何を言うてまんねん。彼女はハプスブルクから、墺仏友好のため少女のころに嫁がせられた女性ですよ。なぜ自分たちの王ルイ16世を使わなかったのか?

 絵にならない?

 そんなことはない。モンマルトルの丘で処刑されたサン・ドニは、刎ねられた自分の首を持って十キロ先まで歩き、歩きながら首は説教し続けたというが、その様子を描いた絵はルーヴルでちゃんと見られる。

 ちなみにルーベンスだって描いている。自分の首をもつ男でも「絵になる」のだ。

 ーーこれを機に、ぜひツヴァイクの『マリー・アントワネット』(角川文庫。拙訳)をお読みください。

◎下記コメントにお返事してまもなく、このようなyoutubeを見つけました。バチカンもハプスブルクの末裔も激怒して声明を出していました!!
https://www.youtube.com/watch?v=En37vVRjHW0


☆☆講演&講座予定
・文藝春秋講座 毎月第2土曜日14時~16時 4月13日、5月11日、6月8日、7月13日、8月10日
申し込みは以下
https://bunshun.jp/bungeishunju/articles/h7620
・9月21日(土) 静岡SBS学苑
https://www.sbsgakuen.com/Detail?gakuno=1&kikanno=226281

☆朝日デジタル記事「時代の栞 ー 中野京子の「怖い絵」
https://www.asahi.com/articles/DA3S15531054.html


拙著一覧
◎ここ数年分の拙著画像が反映されなくなってしまいましたあ。。パソコンに弱い私。仕方がないので、タイトルと出版社のみ。

☆最新刊「『クリムトと黄昏のハプスブルク」(文藝春秋)

☆「愛の絵」(PHP新書)

☆「名画と建造物」(KADOKAWA)

☆「運命の絵 なぜままならない」(文春文庫) 

☆『中野京子の西洋奇譚』(中公新書ラクレ』2刷になりました🎵

☆『画家とモデル』(新潮文庫)2刷になりました🎵

☆『災厄の絵画史』(日経プレミア新書)3刷になりました🎵

☆『名画の中で働く人々 ー 仕事で学ぶ西洋史』(集英社)3刷になりました🎵

☆『フェルメールとオランダ黄金時代』(文藝春秋)2刷になりました🎵
https://books.bunshun.jp/ud/book/num/9784163915456

☆『展覧会の「怖い絵」』(角川文庫)2刷になりました🎵

☆『運命の絵 もう逃れられない』(文春文庫)

☆『絵の中のモノ語り』(KADOKAWA)

☆「美貌のひと 2」(PHP新書) 2刷になりました🎵

☆『名画で読み解く プロイセン王家12の物語』(光文社新書)4刷になりました🎵

☆最新刊CD「怖いクラシック」(SHM-CD)

☆『異形のものたちー絵画のなかの「怪」を読む』(NHK新書)3刷になりました🎵

☆大人のための「怖いクラシックーオペラ篇」 (角川文庫)

☆「そして、すべては迷宮へ」 (文春文庫)

☆「運命の絵 なぜままならない」(文藝春秋)

☆「中野京子の 西洋奇譚」(中央公論新社) 2刷になりました🎵

☆「新 怖い絵」(角川文庫)3刷になりました🎵

☆「画家とモデル 宿命の出会い』(新潮社) 4刷になりました🎵

☆「運命の絵」(文春文庫)

☆『残酷な王と悲しみの王妃2』(集英社文庫)2刷になりました🎵

☆「もっと知りたい「怖い絵」展」(KADOKAWA)2刷になりました♪

☆「欲望の名画」(文春新書)3刷になりました🎵

☆「運命の絵 もう逃れられない」(文藝春秋) 2刷になりました🎵

☆「怖いへんないきものの絵」(幻冬舎)

☆「怖い橋の物語」(河出文庫)2刷になりました🎵

☆「名画の謎 対決篇」(文春文庫)3刷になりました🎵

☆「美貌のひと」(PHP新書) 9刷になりました🎵

☆「名画の謎 陰謀の歴史篇」(文春文庫) 4刷になりました🎵

☆アートギャラリー ヌード~かぐわしき夢」(集英社)

☆「別冊NHK100分de名著 読書の学校 中野京子 特別授業 『シンデレラ』 (教養・文化シリーズ) 2刷になりました🎵

☆「名画で読み解く イギリス王家12の物語」(光文社新書)13刷になりました🎵

☆『怖い絵のひみつ』(KADOKAWA) 4刷になりました🎵

☆『中野京子と読み解く運命の絵」(文藝春秋) 3刷になりました🎵

☆「新 怖い絵」(角川書店) 10刷になりました🎵

☆「名画と読むイエス・キリストの物語」(文春文庫)3刷になりました🎵

☆「美術品でたどる マリー・アントワネットの生涯」(NHK新書)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文春文庫)5刷になりました🎵
  『弐代目 青い日記帳』さんがさっそく紹介してくださいました♪ 3月6日のページです。
http://bluediary2.jugem.jp/

☆「残酷な王と悲しみの王妃 2」(集英社)2刷になりました🎵
担当者さんが紹介してくれました♪

http://renzaburo.jp/shinkan_list/temaemiso/151023_book01.html

☆『「絶筆」で人間を読む - 画家は最後に何を描いたか』(NHK出版新書)
 5刷になりました♪

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇」(文藝春秋)3刷になりました🎵
<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4163903089/hanatumuhiton-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">中野京子と読み解く 名画の謎 対決篇
「青い日記帳」さんが紹介してくださいました。素敵な紹介で嬉しいです♪
→http://bluediary2.jugem.jp/?eid=4050

☆文藝春秋WEBサイトでは、短いですけどわたしのインタビュー記事も載りました。お読みくださいね!→http://hon.bunshun.jp/articles/-/3935


☆「名画の謎 ギリシャ神話篇」(文春文庫) 6刷になりました🎵

名画の謎 ギリシャ神話篇 (文春文庫)


☆「愛と裏切りの作曲家たち 」(光文社知恵の森文庫)2刷りになりました🎵

愛と裏切りの作曲家たち


☆「マンガ西洋美術史03」(美術出版)

マンガ西洋美術史03 「市民社会」を描いた画家」 ブリューゲル、フェルメール、ホガース、ミレー、ゴッホ



☆「マンガ西洋美術史02」(美術出版社)
マンガ西洋美術史02「宗教・神話」を描いた画家 ボッティチェリ、ダ・ヴィンチ、ミケランジェロ、ラファエロ、ティツィアーノ、エル・グレコ、ルーベンス


☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 20刷りになりました。

危険な世界史 運命の女篇 (角川文庫)

☆「マンガ西洋美術史01」監修(美術出版社)
マンガ西洋美術史01 「宮廷」を描いた画家 ベラスケス、ヴァン・ダイク、ゴヤ、ダヴィッド、ヴィジェ=ルブラン


☆「ヴァレンヌ逃亡」(文春文庫)2刷になりました🎵
ヴァレンヌ逃亡 マリー・アントワネット 運命の24時間 (文春文庫 な 58-2)


☆「名画で読み解く ロマノフ家12の物語」(光文社新書)12刷になりました♪

名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)   

☆「名画に見る 男のファッション」(角川書店)
名画に見る男のファッション (単行本)

☆「橋をめぐる物語」(河出書房)
中野京子が語る 橋をめぐる物語

☆「中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇」(文藝春秋) 3刷になりました♪
中野京子と読み解く 名画の謎 陰謀の歴史篇

☆「残酷な王と悲しみの王妃」(集英社文庫)7刷になりました♪
残酷な王と悲しみの王妃 (集英社文庫)

☆「怖い絵」(角川文庫) 単行本に新しく書き下ろし2作を加え、全22作品です。
21刷になりました🎵
怖い絵 (角川文庫)

☆「はじめてのルーヴル」(集英社)3刷になりました🎵 はじめてのルーヴル (集英社文芸単行本)

☆「名画の謎 旧約・新約聖書篇」(文藝春秋) 5刷になりました🎵
中野京子と読み解く 名画の謎 旧約・新約聖書篇

☆「怖い絵 死と乙女篇」(角川文庫) 15刷になりました🎵 怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

☆最新刊「名画と読む/イエス・キリストの物語」(大和書房) 3刷になりました🎵
名画と読むイエス・キリストの物語

☆「危険な世界史 運命の女篇」(角川文庫) 21刷になりました🎵
危険な世界史 運命の女篇

☆「危険な世界史 血族結婚篇」(角川文庫)27刷になりました🎵
危険な世界史 血族結婚篇 (角川文庫)

☆「怖い絵 泣く女篇」(角川文庫)~「怖い絵2」の文庫化~ 23刷になりました🎵

☆『中野京子と読み解く 名画の謎 ギリシャ神話篇』(文藝春秋) 7刷になりました🎵
中野京子と読み解く名画の謎 ギリシャ神話篇


☆「印象派で「近代」を読む ~光のモネからゴッホの闇へ~」(NHK新書)9刷になりました♪
印象派で「近代」を読む―光のモネから、ゴッホの闇へ (NHK出版新書 350)

☆「『怖い絵』で人間を読む 」(NHK出版生活人新書) 19刷になりました🎵
「怖い絵」で人間を読む 生活人新書


☆光文社新書「名画で読み解く ブルボン王朝12の物語」14刷になりました♪
名画で読み解く ブルボン王朝 12の物語 (光文社新書)

☆「名画で読み解く ハプスブルク家12の物語」(光文社新書) 32刷になりました🎵 名画で読み解く ロマノフ家 12の物語 (光文社新書)

☆「芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)
2刷になりました🎵
芸術家たちの秘めた恋 ―メンデルスゾーン、アンデルセンとその時代 (集英社文庫)

☆「おとなのためのオペラ入門」(講談社+α文庫) 3刷になりました🎵 おとなのための「オペラ」入門 (講談社+α文庫)

☆「恐怖と愛の映画102」(文春文庫)
恐怖と愛の映画102 (文春文庫)

☆「歴史が語る 恋の嵐」(角川文庫)。「恋に死す」の文庫化版。13刷になりました。
歴史が語る 恋の嵐 (角川文庫)

☆翻訳書;ツヴァイク「マリー・アントワネット(上)」(角川文庫)10刷

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☆以下の単行本は絶版としました。文庫本をお求めくださいまし~

☆「怖い絵」16刷。怖い絵

☆「怖い絵2」、9刷。 怖い絵2

☆「怖い絵3」 6刷。 怖い絵3 https://www.asahiculture.jp/course/shinjuku/6950ee99-48
















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6 コメント

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Unknown (たまうさ)
2024-08-06 10:53:27
中野先生こんにちは。
私もあの開会式は「さすが我が道を行くフランス」と思いました。(一応皮肉のつもりです。)あのマリーアントワネットのシーンを見た日本のネットユーザーたちが「ハプスブルク家やオーストリアに対して失礼だ!」と盛んに言ってますが、私の知る限りハプスブルク家やオーストリアからは何の声も聞こえません。むしろおととい、ブルボン=オルレアン家の現当主が不快感を述べている記事を見つけました。アントワネットはオルレアン家によって誹謗中傷された事を思うと、何言ってんだか、と思います。オーストリアからの情報を中野先生は何かキャッチされていらっしゃいますか?ともあれ、あの開会式で私が良かったのは、セーヌ川のシーンでラヴェルの『水の戯れ』が生演奏されたことです。
返信する
Unknown (ブラン)
2024-08-06 12:45:56
こんにちは!
パリ五輪、X(旧Twitter)であれやこれやを眺めておりましたが、とりわけマリー・アントワネットについては、ぜひ中野先生のご感想を知りたいと思っていました。ブログで取り上げてくださって嬉しいです。

私はミュージカルのレ・ミゼラブルが好きなので、『民衆の歌』が流れたところは大変興奮しました。それだけに、そこからのアントワネットは残念です。
『民衆の歌』は1832年の六月暴動の歌なので、アントワネットが死んで40年も後の話。つまり時系列が変。これはオタクの感想かもしれませんが、フランスが公式でごちゃ混ぜにするのはどうなのよ、と。
そういう意味でもアントワネットはいらなかったですね。何がしたかったのか、どういう意図だったのか公式で解説が欲しいです。
マリー・アントワネットって、今でもフランスでは倒されるべきヒールって扱いなんでしょうか?
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Unknown (たまうささん&ブランさん(kyoko))
2024-08-06 21:14:11
たまうささん
 いえ、私もオーストリアの公式声明などあるかなあと、見てはいるのですけど、今のところ無いようですよ。すっかり小国化し、活力も薄れているのでしょうね。ハプスブルクの栄光でウィーンは観光都市になっているのになあと、ちょっぴり寂しい気がしなくもなく。。。

ブランさん
 フランス人の野蛮さが垣間見えて、日本人の「おフランス幻想」も冷めてくれたなら今回のことはむしろ良かったのかも。第二次世界大戦直後も、ドイツ人との間に子を作った女性たちが丸坊主にされ、赤ちゃんを抱いて泣きながら通りを歩かされていましたからね。しかもそれを写真に撮って(怒)
返信する
Unknown (ヴィオです!)
2024-09-19 15:11:43
中野先生、覚えておいででしょうか…!大変、ご無沙汰いたしております、ヴィオにございますっ!先生にお会いしたくて仕方ないこの頃です.°(ಗдಗ。)°.!7月、ン10年ぶりにパリへ行きましたが、約2週間後に控えたオリンピックの盛り上がりなどを、私は、ですが、ほぼ全く感じれぬ、不思議な感覚で過ごしておりましたが、あの開会式にも本当にびっくり!でした…。ブログのタイトルからずれてしまい誠に恐縮ですが、久方ぶりのルーブル・オルセー・オランジュリー・マルモッタン、そして苦労の末に(ハプニング満載でしたっ!)ジヴェルニー、オーヴェール=シュル=オワーズへも行くことができ、感激で泣いてばかりの旅でした!あ、先生!もう10年ほど前、今では家宝として(本当です!!!)大切に保管させていただいておりますが、絵画の講座を開くときのご相談を、手紙でさせて頂きました折、先生から、大変にお優しい、ご丁寧なお返事をいただき感涙しておりました私がっ…!今回、オランジュリーで日本人のお客様を6名、ご案内する夢が叶いましたっ!図々しさこの上ないながらもっ.°(ಗдಗ。)°.!大恩人になってくださった中野先生に聞いていただきたく、こちらから失礼をいたしましたっ…!ご著書を拝読するのみならずっ!また先生にお会いしにゆくチャンスを、虎視眈々と狙っておりますっ…!
返信する
Unknown (ヴィオさん(kyoko))
2024-09-21 20:41:28
 お久しぶり♪
 現地での美術ツアーガイドをされたのですね。ステキです。これからも次々にいろいろな美術館でのお仕事が入ることでしょう。頑張って!!
返信する
Unknown (ヴィオさん(kyoko))
2024-09-22 11:28:46
> ヴィオさん(kyoko) さんへ
>  お久しぶり♪... への返信

ありがとうございます!
楽しんで続けて参ります!そして
先生にお会いしに参上いたしますっ!!
返信する

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