笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記
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浅草芸人 ~エノケン、ロッパ、欽ちゃん、たけし、浅草演芸150年史~

2012年01月11日 | 
久々に「本」カテゴリーでの更新です。
そうです。
わたしはあんまり本を読みません。
年に数回くる活字ブーム以外は
本とは無縁の生活です。
開き直ってなどおりません。
恥ずかしいことです。

そんな私が
浅草の浅草演芸史が書かれた本を
読みました。

内容は副題にあるように
浅草芸人
ってそこそこ聞くけど
そもそもどういうことじゃいな。
ということが分かる本です(え?ちがう?)
似たような本はあるけれども
ある一人の人を追っているわけでなく
演芸史としたところに
多角的な見方が生まれ作者のこだわりに感じました。
というのも、
いま現在
わたしたちが見ている笑いにつなげたかったのかもしれない
と推測するからです。
わたしが大好きでみているテレビを
過去へ過去へ遡ると
この本の最初に行きつく。
読み終わった最後に
そうかタイムスリップすると
こんな感じか
と時間旅行妄想もできたりして。

……。
書評っぽく書こうと思いましたが、
無理です。
称賛の言葉はたくさんの方が書かれています。
わたしもほぼすべてに同意します。
とにかく
読んでいる資料の量たるや
知識の量たるや半端無い。
作者は時代小説も出版したことのある作家さんとのこと。
それに見合う感想など
テレビをアホの顔して見ている私などに書けるわけがないのです。

漢字が多いよ。
…読めない。
自分のバカさ加減にがっかりです。
長編の時代小説の最初のほうは大体いつもそうですが
どりゃ読みです。
要は飛ばして読みます。
わたしは
たまに洋書なども読みますが
あれも大体がどりゃ読みです。
後半追いついていきます。

そんなわけで
わたしレベルの方向けに
感想を書こうと思う。
申し訳ない。
ちゃんとした感想は
しかるべき場所にまとめてあるので
そちらをご参考に。
(アマゾンとか作者のHPとか)
みんな漢字が読めるんだな…。
とそれにも疎外感と劣等感を感じつつ。

わたしレベル。
ほとんど本を読まない。
テレビは見る。
「時代」と名のつくものは抵抗感がある。
人向けに感想を書きます。

まず。
80ページくらいまで、どりゃ読みしましょう。
情報量が多く、一個一個理解していたら、私の単細胞では処理しきれません。
80ページくらいにエノケンこと榎本健一さんのお芝居の内容があって、
文字で書かれているだけでもキレがあって、
よくできていることが分かる。
その後、わたしとしては知っている話が多く、
親近感があって追いつけたのかもしれませんが。
後半に行けばいくほど
知っている名前が増えていくので
楽しくなるはずです。

つぎに、
吉本について
…嫌いなのかな?
と感じる。
もちろん浅草の歴史なので
大阪で勢力をふるっていた会社については
どちらかというと敵対的で良いと思うけど
歴史とは
多角的な見方が大事
ということを念頭に置いて
読むべし。
吉本称賛の歴史を知らない人向けに。
殿様有利に歴史は書きかえられているもんで
大体、吉本側のいい感じの歴史になっていたりするもんですが、
この本は違います。

実際泣ける。
もっとも好きな箇所は
エノケンのお芝居台本を書いていた
菊谷栄の話全般です。
三谷幸喜脚本の「笑いの大学」のモデルにもなったひと。
ほかにも
戦争に翻弄されつつも
笑いを守ってきた芸人たちの辛くもたくましい様子を
垣間見ることができる。

またお笑い愛を感じます。
いま
わたしたちが笑ってられるのも
150年のなかに生きてきた芸人さんたちの
おかげ。
ということが
しっかり分かる。
説教ではなく
情報を頭の中で組み合わせているだけで
自動的にそうなるようにできている。
そこ、あっさり端折ったわね。
とか思ったりもするけれど、
そこはセンスの問題で
むしろ情報量が多い中で
どこにフォーカスを置くかが
工夫されているように感じた。

この本は誰が読めばいいのだろうか。
ということについて考えました。

まず
あの頃
戦前戦後の演芸が好きな人。
父の世代にドハマりだと思うので、
この後、渡してみようと思います。
それから。
笑いが好きな人。
とくにマニアックに好きな人。
芸人さんなど。
なんでそう思ったかというと、
この本が売れに売れるには
もっと世間が笑いを好きになっていなくてはならない。
まだ足りない。と思ったから。

お笑いって、そこまでなー。
と思う人にとって
この本は「お堅い本」と
とらえられてしまうのではないでしょうか。
しっかりとした文章で
分かりやすく噛み砕いていて
過去と今をつなげてくれている
ありがたい本なのに
どうしてそう思うかと言えば、
私の勘違いであってほしいけど、
この本を好きになる人たちほど
多くの他の人たちは
笑いを欲していないし
尊敬していない気がするのです。
笑いを好きなひとたちが
サブカル的な(サブカルってなにさ)位置にいるような
気がしてならない。
浅草に勢いがあった当時、
多くの人が劇場に詰めかけたと
繰り返し本の中には書いてある。
当時の日本人たちは
今と比べて
笑うことが好きだったのだろうか。
大勢のひとってどのくらい?
ラジオしかない世の中で
どれほどのひとが笑いを愛していたのだろうか。
この本からは、あんまし分からない。
それは演者の技巧や舞台裏に詳しいから仕方がないことで
才能あるひとびとが
どれほど凄かったかは分かるのだから
それでいいのかもしれませんが。

この本は
笑いに熱い。
でも少し温度差を感じるのは
当時の空気を
今感じることができないところに
理由がある気がする。
もちろん知っている人は知っている。
当時のことを知るひと。
笑いを尊敬しているひとは
ちゃんと分かっている。
ただ
みんなが笑いを愛する世の中で
この本がベストセラーになればいいよね。
なんて思いました。

いまは
どうしたら
多くの人が
もう少しだけ
笑いを愛するようになるだろうか
ってことを考えております。

長くなりました。
一回データが消えたけど
どうにか書きました。
ではこのへんで。

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