笑いまみれ・はなこば日記

笑うことを積極的に考える女の日記
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コンプレックスを笑いに変えること

2015年07月13日 | 面白い女性
コンプレックスを笑いにするのは「差別」かどうか。

ちょいちょいこの話は書いてきました。

「差別」の笑いとは
蔑むことを笑いに変える。
人よりちょっと下であることを誇張して笑いにするからそれは差別の笑いだ。
という解釈なんだろうと思います。

ま、言ってることも分かるけど。

でももう時代遅れの考え方だと思う。
だってお笑い芸人さんって格好いい職業だもの。
笑いを取ることは格上の行為。
それを前提にすると
格上の方々が自分たちのレベルに降りてきてんじゃないの?

…とか言って、うそー。
いや半分本気ですけど、偏った考えだと分かってます。

たとえば今テレビで『ENGEIグランドスラム』やってるんですけど
トレンディエンジェル。
禿げてることを前提にネタをしている。
わたしはトレンディエンジェルを見るとき
ハゲネタには笑ってますけど
決して禿げてることを下に見てはない。
むしろそれで笑いを取る彼らはとてつもなく格好いい。
斉藤さんが出てくるだけでわたしはいつも「きゃー!」となる。アイドルだ。
一般的にウィークポイントだと言われることでも
くすぐりとして華麗に笑いに変える彼らは本当に素敵だ。

…ま、これで説得はできないわな。

わたしコンプレックスを笑いにするのは「くすぐり」だと思っています。
クスクスと笑えるようにする挨拶程度の小技。
お笑いの能力
種類が100あるとして
そのうちの1~10種類くらいの能力が
「コンプレックスを笑いにする」という能力の類だと思います。
それは芸人さんにとって非常に大事な能力である「客観視」や
「お客さんの空気を読む」能力につながっている。
自分が世間一般のなかでどのように見えるか
というのは
同時に人を笑わせるために何を言う/するのが一番早いか
ということに直結している。
だから太っていること
やせていること
背が高いこと
低いこと
顎が出ていること
おでこが出ていること
歯が出ていること
歯の神経が死んでること
肌がぶつぶつ
髪が薄いこと
などなど
一般的にはマイナスである容姿は
自分たちが何者か世間にお客さんに知られていない場合
一番早く笑いに変えることのできる武器だ。
お客さんに強く印象付けるには
これが一番早い。
だから
若手であればあるほど
自分の身体の特徴をネタにする。
自己紹介であり、
インパクトであり
武器だからだ。

売れてくると
そんなに必要ない。
顔が知れてしまったら、効力はあまりないからだ。
フットボールアワーはもう岩尾さんの顔をイジル必要はあまりない。
ブラックマヨネーズもぶつぶつハゲネタは実際そんなに必要があるように私は思えない。
ただ
そこのステージに行くまでが苦難の道なのだと思ってる。

賞レースの予選に行くと分かるけど
ずっとそんなのばっかりだ。
「変な顔でしょー」「気持ち悪いでしょー」
「髪型変でしょー」
コンプレックスを上手にすくい取っているかは別にして
とにかく多い。
最初ウンザリしたけど
見てるうちに
でもそれは武器だもんね
と思うようになった。
これが下手だと
悪口やかわいそうなことになる。ヤなこと言うな!ってなる。

で、この能力なくても面白ければ上に行ける。
実際にない人もいる。
お笑い能力の中でも
そんなに大きな能力でもないから。

ただ武器を持ってるなら活かさないのは絶対に勿体ない。
活かし方でそのひとの能力もこちらは見ることができる。
どれほど自分を客観的に見ているのか。笑いを取ることに対する姿勢。
サンドウィッチマンは『M-1ぐらんぷり』でネタのなかで
伊達さんが
「焼き立てメロンパン」を買いに行かなきゃいけないと言う。
イカツイ不動産屋の社長みたいなルックスの伊達さんが
メロンパン好き。
ギャップが笑いを産んだ。
そのとき二人は
敗者復活で勝ち上がっていて
きっと一部のコアなお笑いファンしか知らなかった当時
あの一瞬でふたりへの見方が変わった。
ふたりは完ぺきに自分たちを客観視できていることが分かったひと言だった。

さんまさんだって
もうそんなに歯も出てないけど
歯をイジラれる場面や
ねじ込めるところは
今でも
嬉々として自分の出っ歯いじりをする。

要は面白ければいいのだ。
それを見て引いたら
それまでの面白さってわけだ。
ただそれだけのこと。

能力だけあっても見てる人の調子が悪かったらダメだし。
笑いを受け取るのは人それぞれだから
それはそれぞれの人の境界線があると思う。

髪の毛がぽろぽろ抜けていることに気付いた日に
トレンディエンジェルで笑えないかもしれない。
ケガをしたばかりで
歯の神経が死んでしまったことを悲しんでいるときに
ハリセンボンは見れないかもしれない。
だから人それぞれ。

さて。

長くなりましたが
ここからが本題です。

女性が
ブスを笑いにするのは
ありかなしか
問題です。

ブスで笑いを取る。

ってなんて大雑把なコンプレックスだろうか。
広範囲すぎる。
身体的特徴はもっと事細かいはずだ。
ブスって何よ。
世の中のたいていの女の子はブスともかわいいとも言える。
すべては曖昧なグラデーションだ。
「真実の美」があるとして
それ以外はぜんぶブスだと言ってもいいし
どんな人にも
人としての魅力が見えることがあり
それはチャーミングであり本当のブスなんていない。とも言える。

昔のコントで見たような
(今でもあるかい?)ただの「ブス」って昨今コントのなかで見ないですよね。
容姿が悪いのみで笑いを取ることってない気がする。
ウザさや苦みや、変った特長が乗っかってる。
でその人は容姿が悪いと必ずしも断定されない。

渡辺直美ちゃんの顔芸はブスで笑いを取っているか?
ハリセンボン春菜ちゃんの泣き芸はブス前提のことか?
柳原可奈子ちゃんのウザさは太ってるから面白いのか?

よくよく考えてほしい。
わたしは違うと思う。
そうだ
というひとは
きっと細かいことがよく見えない
かわいそうな人なんだと思う。

さて
こんなこと書いたのは
おかずクラブの記事を教えてもらって
読んだからです。

おかずクラブが
テレビでやってるコントは果たして
「ブスだから」を前提にしているからか
と考えたときに
わたしはそうは思ってなかったので、違和感を覚えた。

あれは
オカリナちゃんがあの不思議な容姿なのに
小悪魔的に本当にモテる世界のなかにいるんじゃないかな
言いすぎ?
本当言うとそれを肯定も否定もせずに見てた。
だって
この世の中
美女だからってモテルわけじゃないじゃん。
それ自体がこのコントでは問題ではなくて
大げさな友達が
過剰に保護する強さが面白いんじゃないかな。
どこが面白いかって解説するのは
野暮ですが
受け取り方は人それぞれ。だ。

おかずクラブが出た正月の『おもしろ荘』で
「これは!!」と思いました。
勢いと
これまでにない世界観。
この人たちはちょっと独特で面白い。って思った。
なにしろ明るい。
ネタの雰囲気がカラッと湿り気がなくて
ブスとか
デブとか言いがちなところを
全部肯定的に転換していた。
自分たちがモテてイイ女であるというのを信じてることは
別に蔑みの対象じゃない。
プラス思考でイイ話だよ。
あれ?
やっぱり解釈は独特だろうか。
つまり
あのコントを誰もが「ブスがなんか言ってるー」って思って見てないってこと。

それから
ユーモアを受け入れる度量がある人は
おかずクラブのコント見て笑っても
女優だろうが
男性だろうが笑ってる姿が嫌みには映らないってこと。
これ?笑っていいの?
とか言ってる人のほうが
ちょっとヤダってこと。
ユーモア万歳。

わたしはこれを語らせると長い。
だからたぶんまた書こうと思います。

おやすみなさい。

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