経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

点をとらなければ勝てない。

2010-06-07 | その他
 先週はシアトルマリナーズのグリフィーJr.が引退という、ファンにとってはかなりショックなニュースがあったのですが、結果的に最後の一発となった630号のホームランを目撃したことが(すっかり昨年で引退すると思っていたのでわざわざシアトルまで行ってライトスタンドで観戦していたら、目の前にホームランが飛び込んできました)、個人的にはプチ自慢のネタということになりました。ちなみに、あのIPS細胞の山中教授が高校の先輩にあたるということが、もう一つのプチ自慢ですが(笑)。
 そのシアトルマリナーズ、前評判も高く、ついに今年はプレーオフかと期待していたのが、開幕からひどい状況になってしまっています。投手陣を補強するとともに、守備の名手をずらりと揃え、守り勝つ野球でかなり強いと評価されていたのですが、蓋を開けてみるとあまりに打線が弱く、全く点をとれないうちに投手陣が力尽き、強力だったはずの守備も集中力が落ちてしまうのか随分エラーが目立ちます。
 これってまるでサッカーの日本代表のことを言っているみたいな話ですが(そもそも守備だって怪しい-セルジオ越後氏は「闘莉王の後にもDFを置け」なんて言っていましたが・・・)、とにかく最近痛感するのは、何だってそうですが、要するに、
点をとらなければ勝てない。
ということです。どんなに守りが堅くても、点をとれずに緊迫した状態が続くと、やがて守りも綻びをみせることになってしまう。人間のやることなので、攻めて、点をとって、盛り上がっていかないと、やっぱり気持ちがどこかで切れてしまう(or個人成績とかに走ってしまう)、ということなんだと思います。

 いきなり知財の話に移りますが、知財の仕事も、普通であれば‘守り’の仕事がベースになると思いますが、そうしているうちに攻めて、点をとらないと、何のために守っているのかよくわからなくなってしまう。だからといって、ディフェンダーが点を取りにいけ(=知財そのもので稼げ)という話ではなく、守りを固める前提としていかにして点をとって勝つかというシナリオ(=知財活動でどうやって事業の収益を押し上げていくかというシナリオ)をもっていないと、守りを固めて勝つという受動的な戦い方(=知財があれば儲かるだろうという期待先行の取組み)ではなかなかしんどい、ということかと思います。もちろん、点をとらないフォワードが悪いといって守りの側の責任逃れをしようというわけではなく、チームコンセプトをしっかりもつことが大事で、そのチームコンセプトは守りではなく攻めを基本にすべき(=知財戦略先にありきではなく、どうやって収益を得るかという事業計画をベースに知財のあり方を考えていくべき)、というのが、本日のエントリで言いたかったところです。


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
まさしく (Katayama)
2010-06-07 23:14:29
まさしくその通り。この間(例によって)高校の水球部に行ってきたのですが、「水球は点を多くとった方が勝ち」という当たり前のことを偉そうに説いてきました。

点を取らないと勝てない、点を取るためには入るシュートを打たないといけない、入るシュートを打つためには…、などまさしくいつぞや書いた「シュートから始める」って話です。もっと(高度なことを)言えば、守っている時から攻めることを考えて守る(攻守一体)、無理やりこじつけるなら、「攻めを考えながら守りの特許を取得する」ってことですかね。
返信する
Unknown (土生)
2010-06-07 23:46:13
ほんと、そうですね。「点をとらないと勝てない」というだけだと当たりまえのことに過ぎないけど、「守りだって『点をとるために』守っている」という意識をちゃんと持てているかどうかが問題ですね。会社の管理業務だって、会社を伸ばすために管理する。勉強するのも、それを仕事に活かすために勉強する。特許・意匠・商標も、保護が本来の目的ではなく、商品を売るために権利を取得する、って話です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。