経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

経営者タイプと実務家タイプ

2007-02-26 | その他
 弁理士が独立を考えるようになると、自分は「経営者タイプ」か「実務家タイプ」かということを自問するようになると思います。これに関連して、先日ある会合でIT関連の会社の社長から、ちょっと面白い見方をお聞きすることができました。

 その社長がお付合いをされているある弁護士は、かなり名前の売れている方であるにも関わらず、事務所に寝袋を持ち込んで泊込みで仕事をされることも少なくないそうです。その先生は、仕事は自分でやらないと気が済まない性格であるようだとのこと。
 これに対してその社長は、「僕は自分でやった作業にはとても自信が持てないから、いかに人にやってもらうか(環境を整えて社員のやる気を高めるか)をいつも考えている。」とのこと(勿論、エンジニアとしても活躍された方なので、謙遜されてのことでしょうが・・・)。
 つまり、自分の実務能力に自信があるかということが(実際に自信を持つに足る実力があるかどうかは別として)、「経営者タイプ」か「実務家タイプ」かを判断する一つの要素になるのではないでしょうか。


最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
独立開業ゼミ (正林真之)
2007-02-28 01:51:49
 このあいだ、とある「独立開業ゼミ」に参加してきました。講師の先生は、独立成功の必須条件として、まず最初に「優秀な実務家であること」を挙げておられました。
 でも、最終的なゴールとして目指すのは、フランチャイズチェーンの元締めのような“真の経営者弁理士”となること、と言っておられました。
 要するに、「最初は実務家タイプで、しかるべきときに経営者タイプに変身すべし」ということになるのだと思いますが、今の自分はというと、独立してから8年たっても、うまく変身ができていないような、そんな気がしています。
返信する
Unknown (土生)
2007-02-28 11:04:46
正林先生、
コメントどうも有難うございます。
ご指摘のとおり、「変身」できるかどうかが問われることになるのだと思いますが、理屈としてわかっているかということに加えて、実は性格や自己評価の問題(実務能力に自信があり過ぎることは経営をやる上では障害になりやすい)が影響する、というのはちょっと新しい視点でした。
返信する
Unknown (大阪の弁理士受験生)
2007-02-28 13:01:04
私も、実務能力があることが前提で、経営者である必要があると思います。この実務能力がないと従業員(所員)もついて来ないと思います。
学生時代のバイト先のファミレスで、経営者の方が皿洗いをしているのを見て思いました…。

正林先生様
初めまして、
マスターシリーズにはお世話になっております。
返信する
Unknown (正林真之)
2007-02-28 16:56:09
 そうですよね。「客観的に自分を見る」ことって、凄く難しいものですもんね。

 ちなみに、神田昌典氏の「告白」(講談社文庫)という本を読むと、後ろのほうに「怒りの解放」をするために必要なゲームのことが書いてあります(カラフルなボールを使うゲーム)。
 このゲームと同じことをする必要はないのですが、もし今“経営”について迷いがあるということでしたら、似たような感じのことをして、「自分たちの長所に関する情報」を集め、それから先を考えると、良いと思いますよ。
返信する
Unknown (土生)
2007-02-28 21:40:30
大阪の弁理士受験生さん
コメントありがとうございます。
経営者に実務能力が必要かどうかというのはこの記事とはちょっと異なる論点ですが、その点についていえば、経営一般論としては実務能力が必要ということではなく、本質的に求められることは、部下の実務能力を公正に評価する能力ということだろうと思います。これを特許事務所という業界に絞って考えると、仕事の性質上、実務経験無しで実務能力を公正に評価するというのは非常に難しいので、所長も実務がわかる人であるべき、ということになるのではないでしょうか。

正林先生、
ありがとうございます。
独立してからは悩みや迷いは尽きませんが、決断に当たっては自分の資質を客観的に見極めることが肝心であるとつくづく思います。
神田昌典氏の(成功者の)「告白」は、私も繰返し読み、立場の似た仲間にもあちこちで勧めました。あの本は、独立する人には必読の名著です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。