経営の視点から考える「知財発想法」

これからのビジネスパーソンに求められる「知財発想法」について考える

くわばら、くわばら

2006-12-14 | 知的財産と投資
 あるテレビ番組で三角合併解禁によって外資に狙われやすい業種について説明していたのですが、電機と食品が危ないということだそうです。
 外資による買収というと普通は欧米企業を想定するのではないかと思いますが、電機メーカーについてはアジア企業からの買収が起こり易い条件が揃っているとのことでした。ちょっと驚いたのですが、アジアの電機メーカーの時価総額ランキングをみると、サムソンを筆頭に韓国・台湾メーカーが上位を占めており、日本の大手電機メーカーの時価総額はそれらの数分の1という水準に止まっています。以上の前提で、アジアの電機メーカーが日本の電機メーカーを買収する根拠は、
① 時価総額はアジア企業が大きいにも関わらず、
② 技術力は日本メーカーが上であり、
③ 世界的なブランド力も日本メーカーが上
なので、割安で優良資産が手に入るということだそうです。確かに、理屈の上ではもっともな話です。
 でも、そもそも論として、どうして日本の電機メーカーは技術力・ブランド力が上回るにも関わらず、時価総額ではアジア企業に負けてしまっているのでしょうか。おそらくその理由は、土地代や人件費をはじめとするコスト構造の差にあるのではないでしょうか。
 そうであるとすると、アジア企業が日本の電機メーカーを買収しても、日本でそのまま事業を続けていたのでは意味がなく、技術力やブランド力だけを持ち帰ってコストの安い本国で事業を行う、というのが合理的な判断ということになりそうです。要すれば、知的財産だけいただき、ということでしょうか。本当にそうなってしまうと、日本の特許事務所のマーケットにも少なからず影響が生じそうです。くわばら、くわばら・・・


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