20世紀を代表する「美術史家」と紹介されているコンブリッチさんが、何とご自身が若干25歳だった1935年、許嫁の女性に語るような実に優しい口調で、オーストリアの方と言うことで特に欧州を中心にした世界史の流れを分かりやすく説明してくれている作品。深くは調べていないが、世界的大ヒットした作品のよう。
特に印象に残ったのは、「50年後のあとがき」として1985年に新たに書き加えられた部分。オーストリアで生まれ育ったユダヤ人として、ドイツ占領前に英国に渡り、英国軍のために働くなどその後の自身の激動の人生も踏まえつつ、1935年に書いた自身の作品について批評を加えてもいる。さらっと読めるので世界史の復習におススメかも。