ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

朝日新聞連載小説「賛歌」

2005年04月16日 | 読書
朝日新聞に連載されていた、篠田節子作「賛歌」が今日最終回でした。
新聞の連載小説って、最初は読んでみようかなーと思って読むのですが、なかなか続かなかったりします。あの短い限られた文章の中で、毎回ある程度山場があって面白くて・・・という書き方はなかなかできないよなあ、と思います。思うんですが、何回か読んでいて面白い回がないと、自然と読まなくなってしまうんですよね・・・
展開が気になる作品の場合は、進み方がもたもたしているとしびれを切らしてしまって、やはり読まなくなってしまったり。
重松清の「エイジ」は、後に単行本で読んだらとても面白かったのですが、連載中はさほど面白く思えず、読んでなかったんですよね。宮部みゆきの「理由」は、「そのうち面白くなるかも」と頑張って読んでいましたが、ついに挫折・・・後に単行本を読んで、基本的にほぼラストまで同じ感じだったことを知って、無理して続けて読まなくてよかった、と思いました(汗)
そんな中、これは珍しく最初から最後まで、ほとんど欠かさず全編読んだ作品でした。
のっけからヴィオラ奏者の物語という、特殊な設定に惹かれましたし、音楽を扱った作品だということでかなり興味を惹かれました。
序盤は音楽番組制作の課程で、後半は音楽番組がきっかけで時の人となった柳原園子に対する絶賛とバッシングという展開で、最後までぐいぐいと読ませました。
しかも、後半からは、柳原園子は本当に天才なのか、テレビ番組やマスコミが天才に作り上げただけの、実は才能のない演奏家なのか、という話が、一体どこに着地するのかが気になって気になって、毎回欠かさず読んでしまいました。
最後の謎解き?の部分に入った時は、最初はなんだか俗っぽい方向に着地するようで、ちょっとがっかりしかけたのですが、最後には上手い着地を見せてくれたと思いました。
最終的に「音楽とは何か」という問いかけを残して終わったのも、良かったかなあと。
読み終えて、果たして柳原園子が実在したとして、私は彼女の演奏を聴いてどう思うかなあと思いました。結局は私も彼女の演奏には感動したんじゃないかなあと思うのですが。

連載が終わって今さらですが、作者の篠田節子氏のことを検索してみたら、「ハルモニア」の作者だったんですねえ。原作は読んでませんが、堂本光一&中谷美紀のドラマは見てました。あれも面白かったなあ。
そうか、「ハルモニア」の作者だったのか、と色々と納得してしまいました。
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