ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

ゲド戦記「影との戦い」「こわれた腕輪」

2009年01月24日 | 読書

思い立ってかなり久々に「ゲド戦記」を読み返しています。いやー「ファウストゥス博士」を読んだ後だとなんて読みやすいことか(笑)(「ファウストゥス博士の成立」はまだ読み終わってません・・・(汗))
数年前にソフトカバー版が出た時に、持ち歩き用に・・・と3巻まで買ってたのですが、今amazonでみたらもうユーズドしかない!? えー、この間まで本屋に置いてあったけど・・・
と思って本屋に行ったら、なんと岩波少年文庫版が出てる!? 今のところ影とのの戦いこわれた腕環しか出てないみたいですが、いずれ全部出るのでは。
がーん。文庫の方が小さくていいのに・・・しかもこのソフトカバー版、なぜか訳者あとがきがついてないのですが、文庫はちゃんとあった・・・
なんか悲しくなりましたが、4巻以降は文庫出てから買おう・・・
で、結局ソフトカバー版は買ったものの全然読み返していなくて、本当に文庫出るまで待ってれば良かったのに・・・状態なのですが(汗)本当に何年ぶりかの再読です。今「さいはての島へ」を読み始めたところです。
読んでいて面白かった・・・というか、今回初めてきがついたことなのですが、宮崎駿氏はやっぱりゲドの影響を受けてたんだなあ・・・という思う部分が結構ありました。
これ、宮崎氏が昔ル=グィンに「ゲド」のアニメ化を申し込んで断られていた、という話を聞いていたからこそ思ったことだと思いますが。
「ハウル」で、あまり変身していると元に戻れなくなる、という設定、どこかで聞いたような・・・でもよくある話かなあ、と思っていたのですが、「ゲド」からだったか・・・。
ル=グィンが「ゲド」を宮崎アニメでやって欲しいと思ったのがどの作品を見てだかはわかりませんが、ハウルのあれを観たら、ちょっとこの人に作って欲しいかな・・・という気になるかもなあと思いました。
というか、私が観たくなったのですよ、宮崎駿監督の「ゲド戦記」をね・・・色々と残念です。昔ル=グィンが断ってなかったら観られてたかもしれませんけどね。
「影との戦い」は、最初は結構さくさくと話が進んでたんですね。終盤の、影を追いつめるようになってからの話が本題だったんだな、と思いました。
この「影との戦い」、ハリポタと色々似てるなあと思ってまして、ハリポタは「影との戦い」と同じことを7巻かけてやってたのかな、なんて思っていたのですが、やっぱ全然違うな、とも思いました(汗)重さが違うな・・・
ハイタカは、自らの慢心から招いた失敗を、結局一生をかけて償うことになったのかなあと・・・
2巻目以降のハイタカは、魔法使いとして栄光を極めますが、自らを厳しく律している様は、自分の過ちを決して忘れていないことを窺わせます。ここまでの厳しさはハリポタにはさすがになかったですね。
終盤のカラスノエンドウとノコギリソウのあたたかさはホッとしますね。(LotROでノコギリソウをみかけるとちょっと嬉しくなります(笑))
「こわれた腕環」は、なんか思ってたよりももっとストレートにハイタカとテナーが恋に落ちてるように書いてあったなあと。4巻以降の展開を知っていて読んだからかもしれませんが・・・いや、3巻でテナーが出てこなかったので、「気のせいだったかな」と思っていたのかも(汗)
実はハイタカは既に主人公ではなく、テナーが主人公なのも面白いなあと改めて思いました。「さいはての島へ」ではアレンが主人公だし。ハイタカの物語は「影との戦い」で終わってたんだなあと・・・(いや終わりではないけれど、主人公としては)
そう言えば、成田美名子さんのコミックス「CIPHER」で、アニスが車の中で眠るサイファを見ながら、昔読んだ童話の一節を思い出す場面があるんですが、その童話というのがこういうのなんですよ。
「のぞき穴から洞窟を見下ろすと若い魔法使いが迷い込んでいる/ぼろぼろにやつれた頃助け出して/自分しか知らない場所に閉じ込めるんだ」
これって「こわれた腕環」だよなあ・・・。成田美名子さんゲド好きなんですかねえ。
CIPHERを読んでいた時は「ゲド」読んでなかったので気がつかなかったのですが、後に読み返していて気がついた事実でした。
てなわけで毎度ながら雑駁な感想ですが・・・
ああでも、文庫出るかもと思うと4巻から先が買えないので、続き読み返せないかなあ。(実は「帰還」だけ持ってないんですよね・・・)今ちょっと自分の中で盛り上がってるのでちょっと残念・・・

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