ぐらのにっき

主に趣味のことを好き勝手に書き綴っています。「指輪物語」とトールキンの著作に関してはネタバレの配慮を一切していません。

世にも不幸なできごと3 大きな窓に気をつけろ(ネタバレ)

2005年06月25日 | 読書
順番メチャクチャですが、図書館の予約が来た順で読んでおります(汗)
この巻も、さほど面白くはありませんでした(汗)が、5巻よりはいいかな・・・
4巻後半で面白いと思った、あれはたまたまだったんでしょうか(汗)
この巻までが映画化された分ですが、やはり映画のクライマックスのオラフ伯爵の結婚陰謀?とサニーの籠吊りは1巻の内容のようです。
そして、4巻、5巻を読んで思ったとおり、映画で出てきたような、ジョセフィーンおばさんの火事つながり?という話は全くありませんでした。望遠鏡の話も。
映画ではジョセフィーンおばさんはヴァイオレットに小さい頃会ったことがあるようでしたが、原作では全くの初対面。で、一応血縁関係のある人になってました。
うーん、あの謎が知りたくて原作読み始めたのになあ。もっと後になって出てくるのでしょうか。そう言えば5巻にもそれらしい話が出て来てましたね。
そして、訳者あとがきを読む限りでは、この時点でまだボードレールきょうだいの家を放火したのはオラフ伯爵だとは判明していないようだったのですが・・・映画かなり変えてますねえ。
変えていると言えば、崖の上の家が崩壊する時のエピソード、映画のはまるっきりオリジナルなんですね。うーん、映画らしい派手な変更というか・・・(汗)LotRで言うとモリアで橋に亀裂が、というあたりのようなものですね(笑)
その代わり、ヨットの上でヴァイオレットが救援信号を考えるくだりがなかったりして。こっちの方が「発明」っぽかったのになあ。(まあ、月の光で火をおこすのは強引だなあと思いましたが(汗))
そして、サニーがシャム船長の義足を噛み砕く場面もなく、映画の後半、ヴァイオレットの発明とサニーの噛み付きがあまり活躍してなかったな、という印象になるほどと思いました。カットされてたんですねえ。
でも、映画オリジナルだった、ジョセフィーンおばさんの心配どおりにラジエーターが爆発したり冷蔵庫が倒れたりドアノブが砕け散ったり、が実現しちゃったのは面白かったですけどねえ。
あと、映画には出てこなかった、ジョセフィーンおばさんのプレゼントの話がちょっと面白かったかな。普通喜びそうな、人形、模型の列車、ガラガラ、がボードレールきょうだいにはあまり興味がなく、ヴァイオレットが人形をサニーに譲り(噛み付き様に(笑))、クラウスか模型をヴァイオレットに分解用に譲ったら、クラウスにはガラガラしか残らなくなった、というあたりはちょっと笑えました。
このあたりも含めて、やっぱりジョセフィーンおばさんは大人の愚かしさを代表しているような気がしますね。子供の個性を考えず、画一的なおもちゃを与えるところとか。
でも、映画は上手くまとめてあったなあとは思いましたが。ヴァイオレットとクラウスのやりとりとか、映画オリジナルで面白いのもあったし。
最後のオチ?も、映画のほのぼの路線とやや似ていたので、一応原作準拠だったんだなあと思いました。でもやっぱり映画は感動的にしすぎという気もしますが。
そしてこの最後で、ちょっと面白いことが書いてありました。
この作者が敢えて物語に入れていないと思っていた「教訓」について、レモニー・スニケットが語っているんですね。
でもその教訓の例が、「『白雪姫』の教訓は『林檎は食べるな』ということだし、第一次世界大戦の教訓は『フェルディナンド皇太子は暗殺するな』だったが」とかなっていて、なかなかシニカルで笑えました(笑)
そしてそれに続いて、「この物語の教訓は『3人一緒で良かった』ということかもしれないが、そうでもないかもしれない」と自ら書いていたのが「ほほう」と思いましたね。
やはりこの作者は、既成の児童文学へのアンチテーゼやアイロニーとしてこの物語を書いていると思えました。ここで自ら教訓になりそうなことを取り上げて、「違うかも」としているところが、「こういう教訓の話だと思うなよ」と言っているようで。
それでも否定はしていないし、ある程度はそのとおりなんだと思うのですが、それだけがテーマではないよ、と言っているのでしょう。
しかし、望遠鏡の謎と火事の謎は未だ解かれず・・・やっぱり続きを読んでいくしかないみたいですね(汗)
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