どの人も、デイサービスを利用することになる前は普通に暮らしていた。・・・と思う。もちろん病院にいた人もいるだろうけれど、病院に行く前は普通に暮らしていただろう。
つまり、「その人の生活」を送っていただろうと思う。
一人一人に、その人にしかない生活があるわけで、どう暮らしてきたか・どんな服で毎日暮らしていたかは、その人の生活のぺ―スや生活スタイルに由来すると思っている。
でも、その人がデイサービスを利用するようになると、今までの生活のことを考えずにデイサービスで介護しやすいようにこう言われるらしい。
「ズボンで来てくださいね。」と。
池さんに来ている年寄りも、皆ズボンをはいてくる。
でも、ご家族によく聞いてみると、「以前行っていたデイで、ズボンをはくように言われました。」ということが結構多いのだ。
元気な時にずっとスカートで暮らしていた人が、なぜデイを利用するようになるとズボンを履かなければならないのだろうか、と不思議に思うわけで。
スカートで困ることなど、ほとんどの場合ないわけで。
私は、ずっとスカートで暮らしてきたのなら、年をとってもスカートでいいと思う。一体どこに問題があるというのだろうか。
ふみえバアバもずっとロングスカートだった。まあちゃんも自分で縫ったスカートを今でも履いている。
まあちゃんのご家族が、「ずっと自分で縫ったスカートを大切に履いていました。」と言われたので、「ではそれを持って来てください」と私たちはお願いした。
今までの生活の中で、履いたこともないズボンを履く必要など、どこにもないと思うからだ。
ズボンを履く必要があるとすれば、それは介護する側の利便性でしかないだろう。
そんな一つ一つのことが・・・「もしかしたら、介護者側の思いこみや押し付けなのかもしれない」と疑問に思ってみることから、いろんなことが始まっていくような気がしている。
私は・・・
ちょっと粋に着物なんか着てソファーに座り、「もうめんどくさいもん着て!」とブツブツ言われて、「へっへっへ!ざまあみろ!」と言えるような、超めんどいばあさんになるために、着物の着付けを勉強しようかと思ったりしているわけで・・・
もちろん、その頃には着物の着方をすっかり忘れているだろうから、帯がぐるぐる巻きになって「助けて~助けて~」と毎日まあちゃんのように叫ぶかもしれないけれど・・・
将来私を介護する予定の皆様。
今から私と一緒に・・・
一緒に着付けを勉強しませんこと~~~
ちょっぴり春めいてきた大頭の夜です。
まあちゃんは今夜も、「私はど~なるん?だれか~!教えて~!」と叫んでます。
「死んだら、どうなるん?」と大声で聞くので、
「死んだら、丁寧に埋めてあげますよ。」と言うと、
「ありがとう。よかった。お願いしますよ。」と納得して、
布団に入りました。
お月さまの綺麗な夜です。