今年100歳のおばあさんがおりました。
おばあさんは90歳まで草引きなどを手伝っていたようで、何ともしっかり者の元気なおばあさんです。
さすがに100歳にもなると足腰は弱って来ましたが、それでも元気に歩いて車に乗って(あっ、運転するんじゃありませんよ。これ送迎車でね。)毎日池さんにやってきます。
見えているのかどうなのかわからない目を細く開けて、いつ会っても、いつも「おはようございます」と元気に挨拶をしてくれます。
さすがに100歳なので時々わからんちんになってしまいますが、まあ100歳にもなると仕方ありません。
夜中にわからんちんになってしまう時は、さすがにご家族も大変です。できるだけ夜がよく眠れるようにと考えていますが、こればっかりはどうしようもありません。昼間の睡眠時間と関係なく、天気や気圧やいろんなことが原因で、急に人が変わったようになってしまうのです。
一日寝ている日もありますし、一日元気にしゃべり続ける日もあります。夜よく寝る日もありますし、全く寝ずに暴れまわる日もあります。
おばあさんはある朝、急に足が立たなくなりました。
いつもなら支えると歩けるのに、ぴょんぴょんと右足を浮かせるようにして歩くので、ひょっとして夜中にこけたのではないかと思いました。
この前こけた時は顔や腕にもあざができましたので、あちこち見ましたがどこにも怪我はありません。
顔や手足にも外傷がないので不思議だな~と思っていましたら、今度は熱が出てしまいました。
まだインフルエンザも流行っていますので、ひょっとしてどこかでうつったかな~と思って様子を見てみると熱は2日続き、しかもどんどん上がります。足も痛むのか、おばあさんは全く動けなくなってしまいました。
足を骨折していたのか・・・インフルエンザの熱で足が痛むか・・・はたまた・・・とまあ、いろいろと考えてみるけれど考えてもわかりません。
何しろ100歳です。
少しの変化も命取りになりかねません。
スタッフ全員、皆本当に心配しました。
どうしたものかと心配でご飯がなかなか喉を通らないので、しっかりおやつを食べました。
心配していても仕方ないので、とりあえずいつものブラックジャック(あっ、かかりつけのお医者さんね)の所へ行くことにしました。
インフルエンザならと、発熱後2日経過しているので検査をしてもらったら・・・何ともありません。
ひょっとして骨折かもしれないということでレントゲンを撮りましたら・・・何ともありません。
そして、3日目。
おばあさんの熱が下がりました。
足も立つようになりました。
一体、おばあさんの熱は何だったのでしょう?
インフルエンザでもなく、骨折でもなく、100歳で高熱が出ても3日で回復するこの素晴らしい体力。
風邪でもなく、原因不明ながら、軽い抗生剤であっという間に回復したおばあさん。
今日帰る時、車に乗ったおばあさんにスタッフがクマのプーさんのお人形を渡すと「温い・温い」と喜んで両手で抱えてシートに座っているおばあさん。(両手で何かを抱えていると姿勢が安定するのでね)
おばあさんの生きる力に感動した夕方の見送り。
ちょこんとシートに座っているおばあさんは、今年100歳。
100歳。
家族に見守られて家で暮らし、毎日デイに通い、お風呂に入り、ご飯を一人前食べて、おやつも食べて、お喋りもして、お愛想も言い、愚痴や悪口も言い・・・大したもんです
梅の花は見ごろを過ぎましたが、今日はサクランボの花が開花を始めました。
5輪ほどの花が、春の訪れを知らせてくれています。
いよいよ、春がやってきます。
長かった冬を通りすぎて・・・。