池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

100歳なり

2019-02-27 22:59:49 | デイサービス池さん

今年100歳のおばあさんがおりました。

おばあさんは90歳まで草引きなどを手伝っていたようで、何ともしっかり者の元気なおばあさんです。

さすがに100歳にもなると足腰は弱って来ましたが、それでも元気に歩いて車に乗って(あっ、運転するんじゃありませんよ。これ送迎車でね。)毎日池さんにやってきます。

見えているのかどうなのかわからない目を細く開けて、いつ会っても、いつも「おはようございます」と元気に挨拶をしてくれます。

さすがに100歳なので時々わからんちんになってしまいますが、まあ100歳にもなると仕方ありません。

夜中にわからんちんになってしまう時は、さすがにご家族も大変です。できるだけ夜がよく眠れるようにと考えていますが、こればっかりはどうしようもありません。昼間の睡眠時間と関係なく、天気や気圧やいろんなことが原因で、急に人が変わったようになってしまうのです。

一日寝ている日もありますし、一日元気にしゃべり続ける日もあります。夜よく寝る日もありますし、全く寝ずに暴れまわる日もあります。

おばあさんはある朝、急に足が立たなくなりました。

いつもなら支えると歩けるのに、ぴょんぴょんと右足を浮かせるようにして歩くので、ひょっとして夜中にこけたのではないかと思いました。

この前こけた時は顔や腕にもあざができましたので、あちこち見ましたがどこにも怪我はありません。

顔や手足にも外傷がないので不思議だな~と思っていましたら、今度は熱が出てしまいました。

まだインフルエンザも流行っていますので、ひょっとしてどこかでうつったかな~と思って様子を見てみると熱は2日続き、しかもどんどん上がります。足も痛むのか、おばあさんは全く動けなくなってしまいました。

足を骨折していたのか・・・インフルエンザの熱で足が痛むか・・・はたまた・・・とまあ、いろいろと考えてみるけれど考えてもわかりません。

何しろ100歳です。

少しの変化も命取りになりかねません。

スタッフ全員、皆本当に心配しました。

どうしたものかと心配でご飯がなかなか喉を通らないので、しっかりおやつを食べました。

心配していても仕方ないので、とりあえずいつものブラックジャック(あっ、かかりつけのお医者さんね)の所へ行くことにしました。

インフルエンザならと、発熱後2日経過しているので検査をしてもらったら・・・何ともありません。

ひょっとして骨折かもしれないということでレントゲンを撮りましたら・・・何ともありません。

そして、3日目。

おばあさんの熱が下がりました。

足も立つようになりました。

一体、おばあさんの熱は何だったのでしょう?

インフルエンザでもなく、骨折でもなく、100歳で高熱が出ても3日で回復するこの素晴らしい体力。

風邪でもなく、原因不明ながら、軽い抗生剤であっという間に回復したおばあさん。

今日帰る時、車に乗ったおばあさんにスタッフがクマのプーさんのお人形を渡すと「温い・温い」と喜んで両手で抱えてシートに座っているおばあさん。(両手で何かを抱えていると姿勢が安定するのでね)

おばあさんの生きる力に感動した夕方の見送り。

ちょこんとシートに座っているおばあさんは、今年100歳。

100歳。

家族に見守られて家で暮らし、毎日デイに通い、お風呂に入り、ご飯を一人前食べて、おやつも食べて、お喋りもして、お愛想も言い、愚痴や悪口も言い・・・大したもんです

 

梅の花は見ごろを過ぎましたが、今日はサクランボの花が開花を始めました。

5輪ほどの花が、春の訪れを知らせてくれています。

いよいよ、春がやってきます。

長かった冬を通りすぎて・・・。

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

残念な梅の花

2019-02-19 23:20:50 | デイサービス池さん

暖かいと思えば冷えて、冷えると思えば気温が上がる、という曖昧な気温の変化で楽しみにしていた梅の開花が残念なことになってしまった。

半分咲いたけど冷えて開花が止まり、気温が上がって最初に咲いた花が散り、半分残った花がやっと開いたら雨。なので散ってしまった花と、まだ咲いていない蕾が混じった今年の梅の花。残念な梅の花。

それでも池さんの前は梅の花の香が漂い、2歳の平太は落ちた花弁を拾いばあちゃんにあげたりする。近所を散歩する人が立ち止まって花見をしたり、送迎の時に皆は「わ~っ!」声をあげて喜んでくれる。

紅白のしだれ梅。毎年皆に楽しみを与えてくれる庭の木々。

自然の中で自然に生きる木々たちの力強さと欲のなさ、自然に抗わず受け入れることや文句も言わず諦める潔さが、今更ながら羨ましく思える近頃のワタクシ。(でもまあ、梅の木が「もう、せっかく咲きかけたのになんで気温が下がるんよ~😠」とお天道様に文句いってる所を想像したら笑えてくるけど・・・)

 

もうすぐ3月。

まだ寒くてうまくいかないことの多くも、暖かくなる頃には整ってくるに違いありません。

寒い冬を乗り越えた先には、暖かい太陽とまばゆい穏やかな光があります。

固くちじこまった身体と心をゆるめてくれる穏やかな光です。

辛いことや悲しいことや上手くいかないことを数えずに、急ぎすぎずにじっくりやっていきましょう。

梅は残念だったけど、桜はきっとキレイに咲くでしょう。

 

「光は常に雲の渦の中心を指している。ラピュタは嵐の中にいる。このまま進むんだ!」by ムスカ

 

追伸 
今年の池さん新聞、イラストは池さん的ジブリの世界だそうです。イラスト担当のえみちゃん、頑張ってね~!楽しみにしてますよ~♡

 

 

 

 

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅の花

2019-02-11 22:11:39 | デイサービス池さん

建国記念日の日、朝から車の窓が雪でうっすらと白くなっていて冷える。

今2歳児の孫を抱える娘家族と同居生活中で、ストーブが危なくて使えずエアコンに頼る今年の冬。

しばらくぶりに本棚から昔読んだ本を手に取り開いてみた。

古びた一冊の詩集。

ハード本の古い表紙を開くと、幼い自分の文字がそこにあった。

きっと感動した余韻に浸りながら、作者に向けて感想を書いたのだろう。

「中原中也殿 できることなら私もこんな詩を書いてみたい。」

書けるわけないし!

詩集のあちこちに赤い色鉛筆で線が引いてあり、幼いながらに意味や解釈を記入してあって、なんとも今読むと赤面するような文字が躍っている。気に入った詩には題名に〇がつけられていて、思わず笑ってしまった。

まるで成人式のタイムカプセルか何かのように、当時の自分の気持ちを思い返してみるけれど、あいにく何にも記憶にない。いつ読んだのかさえ思い出せないでいる自分に苛立ちながら、図書室にしか自分の居場所のなかった幼少の頃を思い出し寒い冬の一日を過ごす。

何処からか漂う梅の香に、少しづつ新しい日々に向かいつつあることを感じる今日この頃。

お椿さんが始まった。

地元の人たちの「お椿さんが終わったら春がくる」という言葉の通り、伊予路に春が訪れるのももうすぐだろう。

我が家の記念樹。紅白の梅の花も、雪風が吹く中でちらほらと花を咲かせはじめた。

そしてまた、新しい一週間が始まる。

 

 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

どこかでだれかと

2019-02-07 23:44:30 | デイサービス池さん

人と人が出会うこと。

どこかで縁が結ばれて、どこかでだれかと出会う。

きっと出会うはずの人だったのだろうと思うこともあるし、会っても縁が結ばれずにそれっきりになる人もいる。

どんな人と出会いたいのか、どんな人と同じ時間を過ごしたいのか、一緒に生きてゆきたいのかと考えてゆくと、実は自分がどう過ごしたいのか、どう生きたいのか、ということなのだと思い至る。

時間の経過と共に環境も人も変化してゆくので、誰もが自らの生き方をそのたびに模索するしかないわけで、そんな時出会う人は、きっと出会うべくして出会ったような、何かの道しるべを示してくれるような、そんな気がする。

 

ずっと前に注文していた品物がたまたま今日届いた。

中に制作者の方のメッセージカードが入っていて、それは竹を削った手作りのクリップに挟んであったネコの切り絵が貼ってある可愛いカードだった。

コメントが書いてあった。

・・ゆるやかな時間をお過ごしいただけますように・・

たまたま今日という日に届いた物は、まさにゆるやかに生きよというメッセージに他ならない。

機会があれば会ってみたいと思う丁寧に日々を生きる人たち。

その優しさと丁寧さと細やかな心配りを、実は私たちも目指してきたように思いつつ。

手作りの切り絵に暖かさとその人の心のありかを見たようで、手書きのコメントもゆるやかで、だからこそこうして心に沁みるのだとしみじみ感じる夕刻。

出会う・巡り合うことの必然を感謝したい素直な気持ちになれた手作りのネコのカード。

 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする