池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

煮詰まる個性

2009-11-24 22:07:17 | デイサービス池さん
「個性が煮詰まること」について、以前のブログに確か書いたことがある。

別に、「煮詰まりたい」と思っているわけではもちろんないと思うけど、煮詰まってしまうんだろうな~と思うわけで・・・

ワガママに生きてきた人はワガママに、優しい人はより優しく、強い人はもっともっと強くなり・・・

で、日を追うごとに超強くなる人が一人。

なんてったって、怖いものなんかありゃしない!

おとなしい人には常に命令口調で、あれこれ指示するし、強い人には一応相手をたてる口調で話す。この使い分けが絶妙で、「すごっ!」と毎回感心する私。

で、この方、結構人の好き嫌いもはっきりしている。

そして、ちょっとしたことから最近一人の異性に巡り合ったわけ。

何があってもお気に入りの席を動かなかったのに、その方の近くの席には自ら移動されるようになった。

気がつけば今日も隣の席に座って、好きな歌の歌詞カードを一緒に整理し始めていた。

二人ともテーブルいっぱいになった歌詞カードを、なんとか片付けようとするのだけど、いっぱいになるばかりで何が何だかわからんくらいに散らかり放題。

でも「もう沢山あって腰がいたい」と二人でブツブツ言いながら、真剣に、楽しそうに、ちょっとイライラしながら片付けている姿に、なんか胸がホンワカするような気持になった。

個性が煮詰まった人たち。

皆が「愛する人」というわけではないけれど、こうして胸を張って90年も生きてきたのだと思うと、皆が「愛したい人」に思えてくる。「いとおしい」気持になってくる。

「煮詰まった個性でどう生きるか」

心配しなくても結構なんとかなるものだと、皆を見ていて思う。

今日もまた、煮詰まった人たちに、さんざん笑わしてもらいましたよ。

将来、私の個性の煮詰まりを、笑って楽しんでくれる人に囲まれて暮らしたいものだと、今日またまた思いました。

どうか、みんな~、よろしくね~~~!

お願いね







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ヒイちゃんと山

2009-11-22 21:27:58 | デイサービス池さん
土曜日。この日は、大頭の宅老所でみよちゃんとじいちゃん、お泊りのヒイちゃんに自閉症の大ちゃんの4人。

自閉症の大ちゃんは言葉もなく、すぐにパニックを起こすので、出勤は大ちゃんと私の二人勤務。

午後から、山へ紅葉を見に行くことに。

ヒイちゃんの住んでいたあたりの大保木(おおふき)の山に向けて出発。

伊藤さんが元気なころに勤めていた「ふれあいの里」という小学校の跡地へと向かった。

私たちが、車を降りた時、ちょうどここのスタッフの人が建物から出てきた。

「あれっ!おばあちゃん!」

とヒイちゃんに駆け寄り、手を握った。ヒイちゃんはきょとんとしている。

「親戚のおばあちゃんです。」とその人は言った。

聞いてみると、その人はヒイちゃんにあこがれ、ヒイちゃんの暮らす山にあこがれ、自ら自給自足の山の暮らしを選んだという素敵な人だった。

不便な山に移り住み、子どもを育てていて、凛とした若いお母さん。

遠縁にあたるというその人は、ここから上にあがっていくとヒイちゃんの家があることやヒイちゃんのことをいろいろお話してくれた。

で、お茶を御馳走になりながら、私に聞いたヒイちゃん。

「ありゃ、だれぞ???」「ヒイちゃんの親戚の人らしいよ!」「そりゃ、知らんが・・・」

ヒイちゃんは、それなりに話を合わせていたけど、結局のところ誰なのかはわからなかったらしい。

でも、私たちは、「すごいな~」と思う。

ヒイちゃんは覚えてはないけど、確かにヒイちゃんの親戚だという若いお母さんがそこにいて、ヒイちゃんの昔を知っていて、私たちにいろんなことを話してくれている。

後でみかちゃんにこの話をすると、その人とは以前会ったことがあるという。

こうして、私たちはまた、新しい人と繋がっていく!

山を伝って!!

人と人との縁は、意識しなければ何でもないのかもしれないけど、こうして意識してみると、本当に不思議な物に思えてくる。

池さんと山の縁。

ヒイちゃんを接点にして、いろんな人が繋がっていく。

ひとつひとつ、繋ぎ会う人と人。

池さんを通じて、こうして深まる人との「縁」を思い、

心から幸せを感じる今宵。

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ありがとう

2009-11-16 21:57:10 | デイサービス池さん
15日に、池さん無事4周年を迎えることができました。

みなさま、どうもありがとう。

山あり、山あり、谷あり、谷ありの4年だったけど、あっと言う間の4年でした。

振り返ってみると、本当に色んなことがありました。

でも、

今日もまた皆と、5年目に向かう一日を、深く濃く過ごせたことに、大きな喜びを感じます。

いろんな人と出会うことができるこの仕事は、本当に最高の仕事だと思っています。

価値観や生きてきた歴史は違っても、いろんな人の生き方や命と正面から向き合えるこの仕事は、意味深くて、日々感動です。

今日まで支えてくれた皆様。

どうも、ありがとう。そして、これからもよろしくお願いします。

みなさまに、

感謝!!!

感謝!!!





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左手

2009-11-12 22:01:51 | デイサービス池さん
「働けど、働けどなお、わが暮らし楽にならざり、じっと手を見る」石川啄木

そんなに苦しいというわけではなくて・・・いや苦しくないわけじゃなくて・・・いや苦しいんだけど・・・

なんじゃこりゃ、そうじゃなくて・・・

「手」にまつわるお話。

半年ほどの間、左手のひどい湿疹に悩まされ続けていたワタクシ。

かゆいし、痛いし、ひび割れるし、腫れるし・・・とにかく夜中の言いようのないかゆみで、睡眠は妨害されるし、痛くて石鹸も使えない毎日だった。

ヒイちゃんが「どしたんぞ、こりゃ!苦労しとるの~」とさすってくれて、ますみさんが「この手どうならい。きたない!」とたたいてくれて、よしこさんが「かわいそうに」と優しくさすってくれたワタクシの左手。

知り合いの先生に(ついでにただで)診てもらったら、即座に言われた。「主婦湿疹。原因はストレス!」

でもこの先生、ちょっと頼りないので、あまり信用はしていなかったワタクシ。

ちょっと前、あまりにもひどくなり指が曲がらなくなったので、近くの皮膚科をこの私が(極度の医者嫌いが)受診した。

診断の結果は、「利き手の右手にできるのが主婦湿疹。利き手でない左手にだけできているので、原因不明。液体・固体・思い当たる原因の因子を避けるように」

と言われてもね~。

原因を避けろって言われてもね~。

液体か固体かって聞かれてもね~。

でも、まあ、貰った薬を塗ってみたけど、なかなかよくならなかったワタクシ。

ところが、ある日。

きれいに治った主婦湿疹。

・・・

結果は、

知り合いの先生の言う通り、

ストレスだったかも。。。原因となるストレスから解放されたとたんに快方に向かったワタクシの手。

ワタクシは、

一目で「ストレス」と見抜いた先生に、

脱帽!(いえ、頼りないと思っていたことを謝りますわ!)

みなさんも(利き手以外に主婦湿疹のできている方)、

原因不明の湿疹なら、薬よりストレスを解決する方がいいかもしれませんよ!

「働けど、働けどなお、苦しいけれど楽しみ多しわが暮らし、ストレス消えて奇麗になった左手をじっと見つめる」大ママ

さ、明日もがんばろっ~と!!!


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宅老所

2009-11-10 21:36:48 | デイサービス池さん
この小さな家。宅老所「大頭の池さん」

どういう形にするのが一番いいのか・・・大ちゃんと二人で悩んで悩んで、悩んだ末に本当に自然な形で今の形になった大頭の池さん。

この大頭の池さんに先週末、お泊りのお客様があった。みよちゃんの3人の娘さん達。

兵庫におられる真ん中の娘さんが里帰りされるのを利用して、大頭に皆で泊まりに来てくれた。

な~んもわからんようになっていたじいちゃんだけど、この日は本当にびっくりするくらいしっかりしていて、夜中にウロウロすることもなく、3人娘の父親らしく立派に過ごしたらしい。

みよちゃんも、しっかり覚醒していて、明け方には娘たちの布団に入って寝たらしい。

次の日の朝。

「久しぶりに家族全員がそろって、本当に楽しかった。修学旅行に行ったみたいにワイワイ言って過ごしました。」と喜んでくれた。

ここでないと味わえない状況だと思う。

みよちゃん達がいる場所に、娘たちが集まって泊まる・・・

布団を並べて寝て、くつろいで過ごす・・・

縛りのない宅老所だからこそできるのだと思う。

な~んも規制されんと、自由に過ごすことは、本当は人として当たり前のことなのだけど、ど~も「介護される」状況になったとたんに、施設に入ったとたん、なんだ~かんだ~といろんな制約があって、例えばケアハウスなんかでも、家族室なんて部屋はあるのはあるけど、やっぱりその施設の規則に従わんといかんって感じがつきまとうものね。

ここを自由な場所にしてよかった、と今回は特に感じましたよ。

「当たり前に家族が家族として暮らせる場所」

また、いつでも皆で泊まりに来てほしいです。

私たちは、ここを明け渡して、久しぶりにスタッフ全員がフリーだったのでやっぱり飲み会せんとね~ってなわけで、全員で焼き肉食べに行きましたよ~!

いえ、別に、焼き肉食べたいからというわけじゃなくて(?!)

こう言う形の、

「家族が泊まりに来る」という形の場所があってもええかな~って、思うのです。

皆が帰る時に写した写真には・・・

本当にしっかりした(しばらく見ていなかった)じいちゃんが、以前と同じように父親らしく・偉そうに、でも嬉しそうなとびきりの笑顔で映っていました!

みよちゃんも、お母さんらしく目をぱっちりと開け、美人に写ってました!

・・・

おまけの話だけど・・・(ここからは、聞きたい人だけね。)

その日、皆が帰ったとたんに、

じいちゃんいつものように、パンツ脱ぎ・・・いつものじいちゃんに戻ってしまいました。

みよちゃんも、ガ~ゴ~大いびきで寝はじめ、話しかけても知らん顔!

次の日も、二人とも寝続けて、わけわからんようになってしまいましたとさ!

で、やっとみよちゃんが起きたのは夕方。

「なんで、そんなに眠たいん?」と聞いた私に、みよちゃん。

「久しぶりに(娘が)帰って来たけん、疲れがでた!」「ええとこ見せんといかんけんね~」

「・・・」



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限界

2009-11-08 21:07:44 | デイサービス池さん
いろいろな壁にぶつかる度に、苦しくて「もう限界」と思う。

ひとつ乗り越えたら、またひとつ、目の前に現れるでっかい壁。どこまで行っても、限りなく生まれてくる壁。

悩み・悩み暮らす毎日。

でも悩みながらも、その時の限界を超えた時「あれっ?」となる。絶対に無理・今度こそ無理、と思っていても、壁を超えた後振り返ってみると、「なんだ、こんなことで苦しんでいたのか」と思うことがいっぱいの毎日。

壁だと思い込んでいたのが案外そうではなかったり、見方を変えることで道が開けたりする。

結局、

「壁」は自分がつくっているだけなのかもしれない。そういえば池さんの社訓にあったような・・・「限界は自分がつくっているだけだから、やってみなければわからない!」なるほど!いい社訓だわ!!(な~んちゃって)

そういう意味で、私たちは、多くの壁(限界)らしきものを乗り越えてきた。

最初、みよちゃんが泊まらなければならなくなった時、スタッフから「毎日なんて無理。先が長いから他の方法を考えた方がいい」と言われて、大ちゃんも私もむきになって、「泊まりは二人でする!」と決断した。一日おきの泊まりに慣れるまで確かに大変だったけど、昼間と違うみよちゃんを発見する楽しみにのめり込むようになった。

宅老所で365日をこの夫婦と過ごすことになった時、正直どうしようかと思ったけど、4か月経った今、振り返ってみると、ここまでの経過が「なるべくしてなった」結果だと思えるし、土日のない生活にもなんか馴染んでしまった強い自分がいる。

山に登る人と同じなのかもしれない。

一歩一歩ちゃんと歩いていれば、必ずてっぺんは見えてくるし、一つの山を越えた時、気付かないうちに、もっと大きな山に向かう「力」が付いている。

決心し、日々与えられた仕事をちゃんとやっていれば、次々に現れる大きな壁も、いつの間にか乗り越えられる・・・と信じている。

「限界」は、自分自身への言い訳。

「やりきった」時に必ず光が見えてくる。

迷いがある自分自身へ、気合いを入れるための今日のブログ。





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見学者

2009-11-07 16:40:40 | デイサービス池さん
毎月毎月、池さんを見に来てくれる人がいっぱいいる。

高知から遠路はるばる、この狭い池さんを見に来てくれた方もいて感謝。いっぱいある施設の中で、このちっちゃな池さんを「見たい場所」として選んでくれたことに感謝感謝。

今でもギュウギュウなのに、7・8人で来られるともう座るとこもないくらいの状態。ごめんなさいね、窮屈で。

介護職についている人だけでなくて、いろんな職種の人が結構次々にやってくるのだけど、入ってきた瞬間から帰るまでの動作を結構利用者の人は見ていて、帰った後で色んなこと言ってくれたりするわけ。

「ありゃ~何しに来たんぞ?」とか「おもしろかった!」とか・・・たまに「スカン!(好きではない)」と言うこともある。

いろんなことを忘れたりする人たちだけに、感じることには超敏感で、好意的なイメージを持つこともあるし、うっとおしさを感じることもあるらしい。

私たちは、どの方にも丁寧に対応しているつもり(?)だけど、ここの皆はすべて見抜いてしまう力を持っている。

優しい言葉で話していても、相手を見下している人はすぐ見ぬかれてしまう。帰った後で「スカン!」

結局、理性だとか常識だとかお愛想だとか、そういう体裁をつくろうことをすべてやめて、「心で感じる」ことだけを突き詰めて生きている人たち・・・を前にした時、

自分自身の心の中を見抜かれているのだという謙虚な思いで向かい合わないと、すぐに「スカン攻撃」を受けてしまうわけ。

90年も生きて来て、

他の施設に行けないくらい超わがまま個性の煮詰まった池さんメンバーを前に、

スタッフも見学者も、

奇麗な衣をはぎ取られ、裸にされて、

「本当に向き合う力のある人間かどうか」を試されているような気になる今日この頃。

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だ~いすき!

2009-11-03 22:13:35 | デイサービス池さん
去年の9月。

じいちゃんの認知症が急激に進行し、でも、要介護度は「1」

1年たち、服の着方もトイレの場所もわからなくなり、生活のすべてに介助が必要になったじいちゃん。

認定変更で、要介護「3」

介護度って、何だろうと不思議に思う。

歩行は不安定ながら、よろよろとは歩けるが、たぶん大きなデイなら転倒を防止するため(安全のため)車いすに座らされていると思う状態。

生活の全場面で援助を受けなければならない状態であったとしても、介護度的にみるとこうなのかと考えさせられる。

おそらく、今の池さんの中で、もっとも注意とケアの必要なじいちゃんであったとしても・・・

う~ん、と考え込んでしまう。

で、

今日のじいちゃん。

昼間はおとなしく寝て、

夕方から、パワー全開!

歩き・歩き・部屋をあちこち歩き回り・寝て・また起きて・歩き・・・

夕御飯をつくっている頃、

いきなり服を脱ぎはじめ・・・みよちゃん目が点になり始めたころ、パンツも脱いでしまったじいちゃん、いきなりトイレに向かい、

トイレの中に足を片方入れ、手すりにつかまり、もう片方も何とか入れようと頑張っている!

驚かせないように「どしたん?」とゆっくりペースで聞いてみる。

「風呂に入る!!!」

「ここ、トイレ。風呂は隣よ。でも、今日はもう風呂入ったよ。」

「そうか!」とすんなり納得。

で、パンツをはかせて服を着せて、(今日はとても寒いから)ホットカーペットへ誘導して横になったじいちゃん。

やれやれと続きのご飯の支度をはじめて20分後。

トイレに入り、また服を脱いでしまったじいちゃん。こう言う時は動きが早い!

今度は、丁寧に服まで畳んで、タンクの上に置いてある。

またまた、裸でトイレの中に足を入れようと頑張ってる。

「今日の風呂は沸いてない。冷たいぞ~~~もっと沸かしてくれや!」と文句まで言うじいちゃん。

あのね~~~。そこトイレですから!水冷たいですから!!あたりまえですから!!!

「ごめんよ~。ボイラー壊れて、明日じゃないと直しに来てくれんから、今日は風呂やめて寝よや~」と言うと、「どこの業者じゃ。そんなとこは取引やめんかい!」と怒って納得。

「しかたないけん、ご飯でもたべよ」と言うと、喜んで「うまいうまい」とご飯を食べてくれるじいちゃん。

みよちゃんのリクエストで買って来たにぎりずしを美味しそうに食べ・・・ているかと思ったら、横にあったティッシュをお箸でつかもうと頑張ってるじいちゃん。

「今日の飯は上等じゃ~!」とニコニコしながら食べているじいちゃんの顔を見ていたら、こっちまで嬉しくなる。

みよちゃんと二人で大笑い。

トイレに足を突っ込もうが、ティッシュを食べようが、てんぷらにお茶をかけようが、みよちゃんのパジャマを着ようが、寝ている私の頭を踏みつけようが・・・

じいちゃん、

最高~~~

じいちゃんとここで毎日暮らせて、こんなに楽しませてもらって、

だ~いすきよ。じいちゃん




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