今週今夜の夜勤で最後(の予定)
9月1日に新しい「池さんの家」に引っ越すので、この大頭の家での夜勤は、今夜で最後(の予定)。つまり常にいろいろな出来事があるので、その日になるまで日程などあってないような毎日を送っているわけで・・・
21年に井上夫婦のために購入した「大頭の家」です。
今考えても、よくあの時この家に出会ったものだと思います。偶然に見つけた中古住宅。敷地面積400坪。ホタルのいる川沿い。国道横。山近し。でっかい倉庫付き。
みよちゃんとじいちゃんのためだけに購入したので、長い間夫婦だけの家でした。大ちゃんと二人で長い間交代の夜勤をしていました。
老いてゆくじいちゃんとみよちゃんと暮らしながら、二人が最後まで「生き切る」ことを願って、私たちは向き合い続けました。そして二人とも、この家で最後の時まで「生きる」ことができました。
たった4年の日々。
でも本当にたくさんの想いや願いが、この家には詰まっています。私たちの涙や悩みとともに、一杯の笑顔や楽しい思い出も。
今となっては、そのどれもが懐かしくて暖かい思い出です。
そして9月1日から、私たちは新しい「池さんの家」で、また新しい毎日を生きることになります。新しい家で、きっといろんな思い出が作られていくでしょう。
この家での最後の夜です。
あまりにも一日忙しかったために、ちょっと疲れてイライラしていた私。デイから大頭への移動の車の中で、まあちゃんが聞きます。
「ちょっと~!ちょっと~!あんた、ごぼうはどうするん?」
「ごぼう?」
「そう、ごぼうを買いたいんよね~!」
「なんで?」とちょっとつっけんどんに答えた私に、一緒に乗っていたさよさんが言います。
「ごぼうは美味しいよ!」
「美味しいよね~!」とまあちゃん。
「美味しいから買いましょう!」と更にさよさんが言います。
「ねえ~買いに行って~!」とまあちゃん。
なんだかわからんけど、どうやら二人の会話はかみあっている(ちょっと不思議だけど)。
まあちゃんとさよさんは、機嫌良くごぼうを買う話をしながら大頭へ到着。(これは本当にめったにないことなのです!)
そのとたん、二人の頭からごぼうは消えて、いつもの風景。
「わたしどうなるん?」のまあちゃんと、「せんせ~!」のさよさん。
4年前はこんなふうな毎日になるなんて思いもしなかったけど、でもこうやって4年の月日を過ごしてきたということなのかもしれないと思います。
時間の流れの中で、私たちはいつもその時その時を一生懸命生きてきました。決して長い展望や計画があったわけではなくて、ただ目の前にいる人にとって何がいいのかを考え続けた結果が、今の池さんの形なのだと思っています。
経営者としてはきっと不出来なのだと思います。いつも私たちは貧乏ですから。
でも、どうしても譲れない夢や理想があります。介護の現場で生きてゆくと決めた時から、ずっとかたくなに守り続けてきた形が。
これからどうなるか想像もつきませんが、とりあえずこの家での最後の夜を心に刻みたいと思います。
いろんな思い出の詰まったこの家で、いろんな出来事を振り返りながら・・・