池さんができてから、どういうわけかずっといつもネコがいた。
うちにいる「ナウ」というネコも、12年前の台風の日、池さんの庭に親ネコが捨てていったネコだ。
4年前本店で亡くなった「クロ」というネコも、ナウを保護した少し後に保護したネコ。一時期行方不明になっていたけど、痩せて帰ってきて、それからずっと本店で暮らした。
ヒイちゃんが「ちょま」と名付けてかわいがっていたネコもいた。
ほかにも、金・銀・銅と名付けた3兄弟のネコや、思い出すだけでも20匹ほどのネコを保護してきた。
現在は、大頭に3匹保護ネコを飼っているし、子ネコも保護していて只今貰い手を募集中。本店では少し前に2匹のネコを避妊手術し、地域ネコとして世話している。
池さんグループの中に保護ネコチーム作ろうかと思うくらい、いつも、ネコ、多し。
どのネコも最初は人を怖がり人の姿が見えたら逃げているけど、お腹がすいているのか、そのうち近づいてくるようになる。
責任を負うことになるから、しばらくは様子を見て餌をあげることをしないでいるけど、あまりにもヨレヨレでやってくると知らん顔ができない。
現在本店付近でうろうろしているネコも、最初はひどい皮膚病で、かゆくてかきむしっていたから顔中が血だらけ、やせて骨が浮き出るほど、そんな状態で来たものだから、なんだか可哀そうで、残り物のご飯をおいておいた。
しばらくすると警戒しながらでも食べるようになって、そのうち、人を怖がらなくなって、だんだん病気もよくなり、顔を見たら近づいて来るようになった。
毎日ご飯を食べることができ、栄養状態が良くなると、毛並みや顔つきも変わってくる。優しい目つきになって、穏やかな表情になって、どのネコもだんだんかわいらしくなってくる。
ご飯が安心して食べれると、こんなに変わるんだと思うほど、「同じネコ?」とみんなが驚くほど、人相(ネコ相)が変わってくるのを実感している。
衣食足りて礼節を知る という言葉がある。
お腹いっぱい食べることができてこそ、はじめて人として大切な礼儀に心を向けることができるいう言葉。
保護したネコたちを見ていて、この小さき生き物も一緒なのだとつくづく思う。
飢えておびえて、生きることが困難な状態から、十分食べることができるのだと安心できるとネコの様子が変わってくる。穏やかで優しい顔つきになり、日向でのんびりくつろぐ様子も見えるようになる。
この、小さなネコでさえ。
戦禍に生きる子どもたちに想いを馳せる。
屋根のない牢獄と呼ばれる地域で生まれ、戦いの日々が1年も続いている。
安住の場所はなく、常に飢餓状態に追いやられ、学びも医療も十分でなく常に緊張の中で育つ子どもたち。
灰色の瓦礫と破壊された世界で育つ子どもたち。
痩せて、うつろな瞳の子どもたちの表情をテレビの画面で見るたびに、胸が締め付けられる。
青い空があり、美しい森があり、きれいな花が咲く場所がこの世界にあることなど知らずに育つ子どもたち。
海や砂浜や、雪や風や星や、様々な動物たちがいることも、小さき生き物たちがこの世界に生きていることを知らずに育つ子どもたち。
学ぶ機会を奪われ、いろんな国や人や生き方があるということを知らずに生きる子どもたち。
どうすればお腹いっぱい食べることができるのか、
どうすれば安心して暖かいベットで眠れるのか、
どうすれば明日という日に希望が持てるのか、
飢餓に苦しむ人たちに、
戦いに明け暮れる人たちに、
憎悪と仕返しに心を奪われた人たちに、
想いを馳せたい。
憎悪から何も生まれない、と
未来は、必ず変えられるはず、と
戦いのない世の中を願う人が、この世界にはたくさんいる、と
平和な世界を目指す人たちはたくさんいる、と
伝えたい。
本店で保護した子ネコは、推定1歳ほど。
地域ネコにと桜耳にカットしてもらったけれど、うちの家から出ていかず、すっかり家ネコになっている。
時間がくればお腹いっぱい食べれる安心感で、皮膚病も治り毛並みもよくなった。
食が満たされて、今は遊ぶことを覚えた。
おもちゃだけでなく、紙をかみちぎったり、いろんなものをいたずらしたり、子どもらしく一日元気に遊ぶようになった。
遊んでは寝て、起きたら遊ぶ。
見るもの全部が新しくて興味しんしん、子どもらしく成長している。
小さきものでさえ。
肌寒い今日は「寒露」
苦しむすべての命が、少しでも暖かい時間を生きることができるよう、
少しでも未来に希望が持てる今を生きれるよう、
ただただ、
祈りたい。
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