池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

ヒイちゃんのポケット

2011-01-25 21:56:53 | デイサービス池さん
いろんなものが、INしているヒイちゃんのポケット

ティッシュは毎日。

おやつの饅頭やおせんべい。

かわいいお人形。

子どものおもちゃ。

昼ごはんのおかず。

小さなきれいなお皿やコップ。

食べかけのパン。

夕食の唐揚げ。

・・・

毎日、洗濯の前にチェックすると、

今日一日、

ヒイちゃんがどんなふうに過ごしたか、

わかる気がする。

・・・

今日のヒイちゃんのポケットには、

いつものティッシュ・半分食べた饅頭、

そしてサバのフライと、飴玉一つ。

・・・

ドラえもんのポケットならぬ、

素敵なヒイちゃんのポケット。



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ブリコ12月号より

2011-01-23 22:11:59 | デイサービス池さん
池さんで唯一真剣に読みまくる編集人三好春樹の「ブリコラージュ」

以前、池さんも表紙を飾った月刊誌。

12月号、福岡の第2宅老所よりあいの村瀬さんのインタビュー記事。

多くの看取りをしてきた村瀬さんが、こう言っている。

「再生幻想があるんです。家族も介護力を失っているので、一人でも機能不全に陥った家族が出ると、もたなくなる。排除するのでなければ再生を願うしかないから、医療に頼る。医療が介入すると穏やかには死ねなくなります。高齢であれば、再生へ向かわされた人よりも、最後まで自分の力で生きる支援をされた人の方が、楽に死ねている。僕らはただ、穏やかに死んでほしいと思うのです。・・・」

「僕らは、死のお手伝いをしているわけではありません。チューブの力ではなく、自分の力で生きるための支援をしているのです。十分身体にさわらず、自分の力を使わなかった家族ほど、死の恐怖を本人に投影させてパニックを起こし、最後は病院へ連れて行こうと言いだします。一方、それまでの経過がうまくいった家族は、晴れやかに看取りができるのです。そんな看取りを、僕らは家族と一緒にやってきました。そういう人しか、ここでは亡くなっていません。」


多くの家族は、心配や不安にかられて、最後の時を医療に頼ってしまう。

みよちゃんと(家族のように)生きてきて、今、はっきりとわかる。

みよちゃんの最後の状況を考えてみても、治療しようと思えば入院・検査・治療という選択肢がなかったわけではない。

でも、ご家族も私たちも、その選択をしなかった。

それは、ただみよちゃんという人に再生を願うのではなく、みよちゃんという人のままで生き切ってくれることを皆が願ったからだ。

「生きてほしい」と最後の時まで祈りながらも、

「生きるためだけに生きるのではなく」

「みよちゃんとして、生ききる」ことを、皆が願った。


そして、皆が心穏やかに「別れる」ことができたのだ。


村瀬さんの記事は、私の胸の奥深くにあったものを言葉で表してくれた。

ブリコラージュは、偶然にも12月号で村瀬さんのインタビュー、1月2月号で芹沢俊介×三好春樹の「介護と家族と死と」の特集だった。



まだまだ悩み多き「アラ50」にとって、偶然にも与えられたこの記事。

「生きること」や「死」「看取ること」「支えること」「家族とは」

そして「事業所とは」「私たちのこれからは」・・・


まだまだ、まだまだ、考えることは有り余るほどあるけれど、

そんな中にあっても、


じいちゃんが、今日もご飯をいっぱい食べてくれたことが、

今日一番の嬉しい出来事。

今日一日、生きてくれたことが、

今の私の一番の喜び。







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冬の日に

2011-01-16 21:40:16 | デイサービス池さん
雪です。朝から一面真っ白です。

朝刊の3面の記事。

「デイサービス第3者評価へ」県、介護の質向上狙う
介護サービスの質向上へ県は4月、通所介護事業所を対象とした第3者評価のモデル事業を始める。松山市内の法人に委託し、評価を受ける事業所の申し込みを2月から受け付ける。県の雇用創出事業の一つ。今回のモデル事業では、ハローワークを通じて調査員として介護支援専門員や介護福祉士など有資格者を6人、事務担当を1人採用、事業費は2600万円。調査内容は、職員による自己評価や利用者アンケート、調査員による聞き取りなど。「前向きに取り組む事業所の姿勢をアピールできることが大切」

お泊まり付きのデイサービスも制度化されようとしている。


制度なんかではない。第3者の評価でもない。

在宅での暮らしを続けるためにデイがあり、必要に迫られて宅老所が生まれ、(人として生き切るために)柔軟に全ての状況に対応できる私たちのような小さな場所が全国に存在している。

もともと制度にのっとって在宅を続けていくことなどムリな話なのだ。

そのために第3者の評価など、必要とはしない。

私たちに必要なのは、利用する人たちの心の声。

その人らしく、生きてきた人生そのままに老いたいという「人」の声。

そのためにどうするかは、人によって異なるのだ。

一律化したり制度化したり、まして評価対象となるべきではない。

どんな状況にも対応できる柔軟さとしなやかさをもってこそ、

制度は制度として、人を支える施策となりうる。


冬の日。雪の日。

大頭で、体調悪く眠り続けるじいちゃんとウロウロ落ち着かないヒイちゃんとの夜。

制度などでは看ることのできない平和で静かな夜。

ちっぽけな宅老所の穏やかな夜。
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じいちゃんの老い

2011-01-11 21:53:06 | デイサービス池さん
今、みよちゃんが逝き、じいちゃんは一人残された。

本当は、命の危機はじいちゃんの方が先に訪れ、じいちゃんのことが大好きだったみよちゃんは、「私を一人にしないで~!」とでも言うように、じいちゃんの危機を追いかけるように老い、食欲をなくし、あっという間に先に逝ってしまったのだ。

歩きまわり・暴れまわる時期を過ごし(この時期、泊まりの私たちはほとんど睡眠をとることができないくらい、じいちゃんの動きは活発だった)そして、今じいちゃんは一日のほとんどを寝て過ごすようになっている。

熱もたびたび出るようになり、動くたびにゼイゼイと苦しそうになった。

老いてゆく過程をずっと看てきて、いつも一緒に過ごす私たちは、常にじいちゃんの命の危機と向かい合い続けていることになる。

老いてゆくこと。

自然のままにゆくこと。

全ての人が、いずれそれぞれの終わりをそれぞれの形で迎えるだろうが、

どうであったとしても、

最後まで、じいちゃんらしく生き切ってくれることを願っている。


おとといお泊まりの時、明け方じいちゃんが言った。

「その人が(みよちゃんの遺影をさして)まだまだ、まだまだ言うて、いよいよ(とても)うるさかった!」

みよちゃん、じいちゃんがそちらへ行くのは、「まだまだ」ですよね。

じいちゃんがいなくてさみしいかもしれないけど、どうかもうしばらく、じいちゃんを私たちのそばへ置いておいてください。

お願いね。

じいちゃんは、半端なく強靭な体力の持ち主だから今回もきっと復活してくれると、私たちは信じています。

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大頭の顔

2011-01-09 21:28:30 | デイサービス池さん
雪景色の石鎚の山々が目の前に広がっている。

荘厳なまでに美しい霊峰に囲まれたこの地で、生きていく私たち。

これまでの5年間の月日を想いながら、

新しいステージへの道を1歩ずつ歩み始め、

様々な出来事を消化しつつある気がするような日曜日。

大頭の池さんのでっかい倉庫のシャッターに、

大ちゃんの顔と並んで、

じいちゃんとみよちゃんの顔が、描き上がった!

お正月休みで里帰りしていた池さんのイラスト担当のえみちゃんが、

雪の降る中で、凍えながら書いてくれた二人の顔。

大ちゃんの横で、

じいちゃんとみよちゃんが、寄り添って笑っている。



私たちの、大事な二人。

池さんにとって、大切な大切な二人。



二人の寄り添う姿が、

これから先も、

ずっとずっと、大頭の池さんの

顔になる。

池さんを見守ってくれる

顔になる。
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皆の気持ち

2011-01-06 20:33:58 | デイサービス池さん
池さんのスタッフは、

12月23日を越えてから、みんな変わった・・・と思う。

みんな大きくなった。深くなった。

大きな悲しみを、皆が一緒に越えたことが、

大きなせつなさを、皆が同時に感じたことで、

皆が、変わった。

池さんは、池さんのままであるかもしれないけれど、

そこにいるスタッフの気持ちは、明らかに今までとは違う。

今日会えたことがうどれほどうれしいことか。どれほど今日がいとおしいか。どれほど1日が大切か。

それを皆が、想っている。

だからこそ、

こころを許して、言葉がなくても、感じあえる。

大切なことを。

今までとは違って、静かに・豊かに・濃く・深く・

より池さんらしく、

なったような気がする。

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仕事始め

2011-01-04 22:58:19 | デイサービス池さん
今日から、また1年が始まりました。

新年、

また皆と元気で会えたことを、

心が震えるほど、

私は喜びました。

元気で今日も来てくれて、

ありがとう。

本当に、

ありがとう。

そして、

これからの1年、

どうぞよろしく。

新しいステージの池さんで、

どうぞ笑って、

一緒に生きていきましょう。

一緒に生きてください。


今日は、

星空の夜です。

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新しい年に

2011-01-01 10:37:23 | デイサービス池さん
皆様 明けましておめでとうございます。

小松は、雪の残る寒いお正月です。

そして、私は大頭でじいちゃんと二人きりのお正月を迎えました。

じいちゃんのために、いつもと同じおせち料理をつくりました。

去年は、おせち料理を作る私の横には、みよちゃんが菜箸を持って座り、味見がかりをしてくれ、じいちゃんは大事なクワイを持って逃げ、喧嘩したことを覚えています。

1年、あっという間だったように思います。1年の月日は、みよちゃんを天に送り、じいちゃんを老いさせました。

「やっぱり、お正月くらいお酒飲まんとね~」という私に、「そうじゃの~」と言って、じいちゃんはお猪口に3杯、お酒を飲みました。

今、ほんのり頬を染めて、じいちゃんが私の横で寝ています。

静かなお正月です。

穏やかなお正月です。


今年も、池さんで出会う人々と共に、

命を感じて、生きていきたいと思います。


毎日をいとおしみ、

ひと時をいつくしみ、

今日という一日を、精一杯生きていきたいと思います。


笑って・食べて・おしゃべりして・ウンチして・また笑って・


池さんらしく・私らしく・

生きていきたいと思います。


新しい年

どうぞよろしくお願いします。


全ての方にとって、

この1年が良き年となりますように、

心からお祈りしています。
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