池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

生きること

2007-10-14 15:29:17 | デイサービス池さん
時々、このブログで書いてる「生きる」こと。

この仕事を始めてから、このテーマについて、いつも考え続けてる気がする。

私が経験したことのない、人生の長い長い時間を生きてきた人たちを前に、介護に携わるものとして、「ああしろ、こうしろ」なんて口が裂けても言えやしないと思っている。

多くの施設関係者が考えているように、これをさせるのがリハビリ・・・本人のため。過剰介護はもってのほか!車椅子は自走できるはずだから、食堂まで1人で行ってもらいましょ!決して手を貸さないように!!!なんて言われ、車椅子の後ろに「手を貸さないで下さい」という紙を貼られている人なんか見ると、虐待ではないかと思ってしまう。

まさか、1人で食堂に行けることが「自立」だと言うのではないだろう?

多くの時間を無駄なリハビリに費やし、結局生きる意欲さえなくしてしまった名人や朝ちゃん。

私たちは、生かされている命を、生きていてよかったと思って暮らして欲しいと思う。

「生かされる」のではなく「自ら生きてほしい」と思う。

リハビリ時間以外の生活を車椅子に頼りすぎたせいで「歩く」感覚を忘れ、人としゃべらない生活が「聞く・話す」感覚を忘れ、楽しくない生活が「笑うこと」を忘れて表情が乏しくなっていく。

どうにかして楽しんで欲しい。
自分の人生を笑って過ごして欲しい。

以前のように、バカな突っ込みを楽しんで欲しい。

名人、延長で利用の日。

「どっか行こうや!」と言えば、「歩けんから無理!」と言うし、
「なに食べに行く?」と聞けば、「皆と一緒の速さで食べれんから、うどんでええ」と諦める。

そんな名人に、楽しんでもらいたくて、クルクル回るいつものおすし屋さんへ、杖を持って出かけた。

店内へゆっくり杖で歩いて入る。
お寿司なら右手だけで食べることができる。

食べて・食べて・はまちを・たらふく・食べて・食べて・・・

みよちゃんは、いつものように左手だけで食べて・食べて・メロンも・食べて・・・

皆で満腹になって帰った。

「楽しかった。大ちゃん、ありがとう!」と何度も言いながら。

そして、次の日。

いつもしんどいという玄関までの距離。

しんどいと言わずに、やってきた名人。

皆に「ハマチ王子」(とにかくハマチしか食べなかったから)とネタにされて、楽しそうに笑い、誰よりもはっきりと大きな声で池さん体操に参加し、一日中、元気に過ごして帰っていった名人。

金曜の名人は、確かに「生きてた」よ。

神様に与えられて、生かされてる命。

この池さんで、ずっと一緒に生きていけたらいいなと思う。

手が動かんでも、足が不自由でも、
一緒に生きてくれる人たちが、池さんには、いるからね。




コメント
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