池さんを利用するようになった当初、まさこさんは叫び続けていた。
大頭に泊まるようになってからも、叫び、不安で泣き、落ち着かない日々が続いていた。
そして、医療機関を今までの大きな総合病院から、私たちの信頼する近所の往診可能な医院に変えることに同意してくれた家族と話し合い、薬をやめてみることを決めた。
今、まさこさんは劇的な変化を遂げている。
もちろん日差の変動はあるものの、叫び続けることが減ってきた。
そして、普通に会話することが可能になってきた。
「フェイスシートには、質問には数字の答えが帰る」つまり会話は成り立たない、と言われていたのに、冗談を言うようになった。穏やかに笑い・じゃんけん遊びをし・花を見に外出を楽しみ・食べなかったお肉料理を食べ・皆と歌をうたい・カメラを向けると笑顔でピースをするまさこさんがいる。
この劇的な変化に、正直私たちも戸惑っている。
昼間の調子の良さが、夜に反動がきて眠らないのではないか・・・?と、心配する私を尻目に、夕食を自分で食べ・しばらく横になったら、「さ~、もう着替えて寝ようか?」という「普通のまさこさん」が、目の前にいる。
睡眠もまとまった時間を、静かに眠る日が続いている。
しかも眠りは深い。
・・・・・
全てが薬のせいではないのだろう。
けれど、全く影響がないとも言えないと思う。
・・・・・
そして、もうひとつが、「普通に生きる」ということではないかと思う。
私たちのデイは、いろんな人と近い距離で毎日暮らしているから、
常にいろんな刺激が山のようにある。
広いフロアーなどないからいつも誰かとひっついているし、食事だって詰め詰めの状態だし、ベットが開いてないことが多いから、そこらへんに転がって休むし、いろんな人がいつも賑やかに出入りしているし、子どもに足を踏まれたりするし、いつ何が起きるかわからないわけで。
でもまさこさんがいるいつもの場所に、お医者さんが来て話をじっくり聞いてくれるし、昼寝にはサボりたいスタッフが添い寝してくれるし、なにしろ狭い家だから小さな声で言ってもいつも誰かに聞こえていて、すぐに「どうした?」と横に行くことができるし、目が覚めている時はタオルたたみや豆の皮むきなど仕事を次々に押しつけられるし・・・。
「毎日の出来事を、当たり前に経験していること」が、まさこさんがかつて体験してきた様々なことを思い起こさせ、良い刺激となっているように感じられる。
どこにでもある当たり前の生活をしていく中で、
自分の頭を使って考え、自分で話し、自分の意思で動くこと。
それを重ねていくことで、まさこさん自身の体内バランスも、自ら自身で整えていけるのではないだろうか。
疾病だけに目を奪われることなく、
本来持っている「人としての力」を信じたいと思う。
明らかに大きく変化したまさこさんの様子に、
謙虚な驚きと、感動をもって、今私たちは向かい合っている。
今夜も、まさこさんは一日穏やかに過ごし、大頭に帰ってからも晩ご飯までのしばらくの時間「早く~!」と叫んでいたものの、ご飯を食べたら落ち着いて、今は静かに眠りについた。
「今日は寒いから、私はここで寝るから」といつもの炬燵に足を入れて、「あなたも早く寝なさいよ」と言ってくれた。まるでそう言うのがずっと前から当たり前だったように・・・穏やかに。優しく。
3月の初め池さんにやってきたまさこさん。
この2カ月で、劇的に変化したまさこさん。
その姿に、医療の在り方とデイの在り方を、
そして何よりも、
「人としての在り方」を考えさせられている私たち。
大頭に泊まるようになってからも、叫び、不安で泣き、落ち着かない日々が続いていた。
そして、医療機関を今までの大きな総合病院から、私たちの信頼する近所の往診可能な医院に変えることに同意してくれた家族と話し合い、薬をやめてみることを決めた。
今、まさこさんは劇的な変化を遂げている。
もちろん日差の変動はあるものの、叫び続けることが減ってきた。
そして、普通に会話することが可能になってきた。
「フェイスシートには、質問には数字の答えが帰る」つまり会話は成り立たない、と言われていたのに、冗談を言うようになった。穏やかに笑い・じゃんけん遊びをし・花を見に外出を楽しみ・食べなかったお肉料理を食べ・皆と歌をうたい・カメラを向けると笑顔でピースをするまさこさんがいる。
この劇的な変化に、正直私たちも戸惑っている。
昼間の調子の良さが、夜に反動がきて眠らないのではないか・・・?と、心配する私を尻目に、夕食を自分で食べ・しばらく横になったら、「さ~、もう着替えて寝ようか?」という「普通のまさこさん」が、目の前にいる。
睡眠もまとまった時間を、静かに眠る日が続いている。
しかも眠りは深い。
・・・・・
全てが薬のせいではないのだろう。
けれど、全く影響がないとも言えないと思う。
・・・・・
そして、もうひとつが、「普通に生きる」ということではないかと思う。
私たちのデイは、いろんな人と近い距離で毎日暮らしているから、
常にいろんな刺激が山のようにある。
広いフロアーなどないからいつも誰かとひっついているし、食事だって詰め詰めの状態だし、ベットが開いてないことが多いから、そこらへんに転がって休むし、いろんな人がいつも賑やかに出入りしているし、子どもに足を踏まれたりするし、いつ何が起きるかわからないわけで。
でもまさこさんがいるいつもの場所に、お医者さんが来て話をじっくり聞いてくれるし、昼寝にはサボりたいスタッフが添い寝してくれるし、なにしろ狭い家だから小さな声で言ってもいつも誰かに聞こえていて、すぐに「どうした?」と横に行くことができるし、目が覚めている時はタオルたたみや豆の皮むきなど仕事を次々に押しつけられるし・・・。
「毎日の出来事を、当たり前に経験していること」が、まさこさんがかつて体験してきた様々なことを思い起こさせ、良い刺激となっているように感じられる。
どこにでもある当たり前の生活をしていく中で、
自分の頭を使って考え、自分で話し、自分の意思で動くこと。
それを重ねていくことで、まさこさん自身の体内バランスも、自ら自身で整えていけるのではないだろうか。
疾病だけに目を奪われることなく、
本来持っている「人としての力」を信じたいと思う。
明らかに大きく変化したまさこさんの様子に、
謙虚な驚きと、感動をもって、今私たちは向かい合っている。
今夜も、まさこさんは一日穏やかに過ごし、大頭に帰ってからも晩ご飯までのしばらくの時間「早く~!」と叫んでいたものの、ご飯を食べたら落ち着いて、今は静かに眠りについた。
「今日は寒いから、私はここで寝るから」といつもの炬燵に足を入れて、「あなたも早く寝なさいよ」と言ってくれた。まるでそう言うのがずっと前から当たり前だったように・・・穏やかに。優しく。
3月の初め池さんにやってきたまさこさん。
この2カ月で、劇的に変化したまさこさん。
その姿に、医療の在り方とデイの在り方を、
そして何よりも、
「人としての在り方」を考えさせられている私たち。