池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

ぱるちゃんと朝ちゃん

2006-09-30 23:25:00 | デイサービス池さん
池さんのアイドル、ぱるちゃん。

とうとう、9月が終わり、ぱるちゃんは晴れて保育園の門をくぐることになった。
重い病気のために保育園にいくことができず、池さんオープンと同時にやってきた天使。

ぱるちゃんの笑顔は、いつも私たちの元気の素だった。忙しい時でも、ぱるちゃんが笑えば、皆が笑った。

食べてしまいたいくらいの、かわいらしいホッペ。

抱っこを上手にせがみ、冷蔵庫の中身を上手に見分け、やっと話し始めた片言で、欲しいものをいつもゲット。

ぱるちゃんがいることで、どれだけ皆が癒されたことか・・・

ぱるちゃんのおかげで、どれほど皆が笑顔になれたことか・・・

ぱるちゃんは、また保育園のお休みの時には池さんにやってくるけど、今までみたいに利用者さんと接する機会はなくなるだろう。

ありがとう。ぱるちゃん

保育園に行っても、元気で大きくなるんだよ

池さんみ~んな、いつまでもぱるちゃんの応援団だからね

池さん、卒業おめでとう

そして・・・

元気になった朝ちゃん。

朝ちゃんも皮膚の病気が完治して、10月から今までのように、ショートステイの日々に戻る。

今日、朝ちゃんはいつものように「おうどん」が食べたいと言い、天ぷらうどんにしたら、かぼちゃの天ぷらを「美味しい美味しい」と6切れも自分で取って食べた。
アスパラの天ぷらも気に入って、自分でおかわりして食べた。

そして、ゆっくりお風呂に入って「あ~気持ちよかった。」と喜び、大ちゃんに爪を綺麗に切ってもらって、何度も何度も「ありがとう。」と言いながら帰っていった。

この前、お父さんがお迎えに来た時、「朝ちゃん、お父さんが来てくれたよ。」と言うと、「いつまでもここにいたいけど、そういうわけにもいかんね。」と言うから、「ここにず~っと、いられたらいいね。」と言うと、「そうできたら、いいけどね。」と悲しそうだった。「帰らないといかんのやね。」「・・・」

決して朝ちゃんは、家に帰るのが嫌なのではない。
病気が完治し、他の施設のショートステイを利用する日々に戻るということを意味しているのだ。

朝ちゃんが他の施設に行って、たくさんの人と一緒に、車椅子に1人でず~っと座ったまんまかベッドに寝たまんま、誰とも話すこともなく1日過ごしたりすることを考えると、本当に悲しくなる。

本当は食いしんぼで、おしゃべりで、楽しいことが大好きで、いっぱい笑う朝ちゃん。いろんなことを全部ちゃんと理解している朝ちゃん。

絶対に絶対に、朝ちゃんが他に行かなくてもいいように、ず~っと池さんにいられるように、泊まって住める家をつくりたい。

今、心からそう思う。


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フミちゃんのお買い物

2006-09-25 23:21:36 | デイサービス池さん
フミちゃんは、お買い物大好きな1人暮らしのおばあちゃん。

最初、フミちゃんが池さんに来始めた頃は、朝も起きられず、ヘルパーさんが起こしに行って、ご飯を食べさせて、お薬を飲ませて、服を着替えさせて、用意を手伝って、それから池さんのお迎えスタッフにフミちゃんを渡す(?)・・・みたいな感じだった。

フミちゃんが来るようになって、6ヶ月くらいかな。

フミちゃんは、どんどん元気になっていく。
最近は、ヘルパーさんが来るまでに、畑に草引きに行ったりするようになった。

「フミちゃん、どこかへ行く?」と聞くと、「ハイ。ハイ。行きましょ。」
「どこへ行きたい?」と聞くと、「皆さんが行くとこなら、どこへでもお供しますよ。」とニコニコして話す。

さっさと支度をし、自分のかばんにお財布が入っているかどうか何度も確認をして、いそいそと玄関へと向かう。

手芸展や美術展めぐりをしたり、いろんなところへ出かけるけれど、フミちゃんが一番すきなのは、お買い物。

フミちゃんのお買い物は、これがなかなか大変!

いつも2人のスタッフが必要で、1人がフミちゃんと一緒に品物をあれこれ選び、フミちゃんが値段も見ずにカートに次々と投げ入れる品物を、もう1人のスタッフが密かに元に戻さなくてはならない。
(なぜって、たぶん店中の品物を買いそうな勢いでいつも買い物をするから!)

たとえ、お散歩に出かけたときでさえ、フミちゃんの視界にお店らしきものが入ったとたん、すごい勢いで歩き出し、手当たり次第に買いまくる。

品物を返すところが見えたりなんかすると、「何にも買わしてくれん。もう嫌い!」と言われて、落ち込まなくてはならなくなる。

そんなこんな賑やかな買い物を終えて、池さんに帰ってくると、「これ皆でたべましょ。」と気前良くみんなにおやつを分けてくれ、「家で1人で食べても、つまらんから。皆で食べる方が美味しいし。」と優しく言ったりする。

そして・・・

帰る頃には、もうすっかり自分が買い物したことなんか忘れてるフミちゃん。
「これ、私が買い物したんかいね。」「何をこうたんかいね。」と買ったものにはあんまり興味を示すことなく、荷物を持って帰っていく。

いつもニコニコしていて、ぱるちゃんのことも気遣ってくれ、忙しい時は料理のお手伝いもしてくれる。

「ここへ来とったら、いろんな人とお話できていいわあ」「お墓にお金持っていったってしょうがないけんね」

外出の大好きなフミちゃん。

雨の日でもおかまいなし。

「皆が行くんなら、どこへでも行きますよ。」と嬉しそうなフミちゃん。

フミちゃんの笑顔は、とっても華やかで見ている私の方まで、明るい気分になってくる。

腕を組んでフミちゃんと歩くと、今はもういない義母と歩いているような、そんな気持ちになってくる。

フミちゃん、いつまでも元気でいてね。

いっぱいいっぱいいろんなところへ行って、いろんな物を見て、いっぱいお買い物しましょうね。










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ぱるちゃんのこと

2006-09-23 22:48:59 | デイサービス池さん
池さんのアイドル、ぱるちゃん。
2歳の女の子。

活発で、利発で、色白で、美人で、頭は天然のクルクルした茶色の髪の毛、何もかもそろった超かわいい女の子。

でも、心臓に先天性の重い病気を抱えた女の子。

・・・

1年前、池さんのオープンと同時にぱるちゃんは、やってきた。

お兄ちゃんは保育園に行っているのだけれど、病気を抱えたぱるちゃんは、集団生活ができず、保育園に入園できないために、池さんにやってきた。

少し動くとゼイゼイと呼吸が苦しくなり、咳き込んで吐いてしまう・・・歩き始めたばかりのぱるちゃんは、歩きたくても歩けない、遊びたくても遊べない、すぐに熱を出し、風邪を引き、もともと色白の顔が、体調の変化で時々透き通るように白くなったり赤くなったり、ぱるちゃんを抱くたびに、せつなくなる、そんな女の子だった。

今年3月、心臓の大きな手術をした。一時は命も危ぶまれたほどの状態を、なんとか生き抜いて、今、ぱるちゃんはとっても元気になった。

2歳のお誕生日の頃から、言葉も増えた。

「じいじ」「ばあば」「ちんちゃん(ケンケンの弟)」「氷」「ジューちゅ」「にゅうにゅ(牛乳)」「おかえり」「くっく」「にゃん」「わん」・・・・・

利用者の人たちの名前は、全部覚えていて、「みよちゃんに持って行って」や「名人はどこ?」の問いかけもはっきりと理解できる。

しっかりとご飯も食べて、ぱるちゃんは人参とビービ(お魚)が大好き。

いつもご飯の時間が待ちきれず、ひろこちゃんに先に食べさせてもらっている。

そして、お腹いっぱい食べると、誰かに抱っこをせがみ、あっという間に寝てしまう。

本当に天使のようにかわいいぱるちゃん。

ぱるちゃんがいることで、池さんに来る皆が、笑顔になる。
朝ちゃんも、名人も、ケイさんも、ぐっさんも、富さんも、みよちゃんも、文ちゃんも・・・み~んなぱるちゃんが大好き。

ぱるちゃんのおままごとの相手をしたり、車椅子を押してもらったり、トイレの誘導をしてもらうこともある。

・・・・・

ぱるちゃんが、10月から保育園に行ける事になった。
ぱるちゃんにとって、同世代の子どもと過ごす場所は確かに必要だろう。
だから、「よかった」

でも、さみしい。

もうすぐ、池さんを卒業するぱるちゃんを連れて、「思い出を作ろう」と今日は、大ちゃんやみかちゃんやふうちゃんと一緒に、動物園に行ってきた。

いつものように行く間、抱っこしてぐっすり寝て、動物園につくと、いっぱい遊んだぱるちゃん。「ぞうさん」や、「こっこさん」や、「ぺんぺん」や、「おしゃるしゃん」を見ていっぱいいっぱい楽しんで帰ってきた。

目を真ん丸にして、動物が近くに来ると「こわ~い」と体を固くしてしがみつくぱるちゃんの体温が、まだ手に温かい。

池さんには、毎日来れなくなるけど、お友達いっぱい作って、元気に大きくなってくれることだけを祈りたい。

・・・・・

1年間毎日過ごしたぱるちゃんとの日々。

秋晴れの動物園で、
「思い出」を作りたかったのは、
ぱるちゃんではなく、
私たちだったのかもしれない。





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朝ちゃんのその後

2006-09-21 22:31:31 | デイサービス池さん
今日、病院へ行って、朝ちゃんが長い間悩まされていた皮膚病が全快したという診断書をもらってきた。

朝ちゃんは晴れて、以前から行っていたいろんなショートステイの施設を又利用できることになる。

3箇所の施設は、朝ちゃんが病気になってから受け入れを拒否してきた。施設入所者の安全のために・・・

池さんは、管理者の大ちゃんの判断で、受け入れを行ってきた。
決して治らない病気ではない。今では、特効薬もできている病気。病気を治すために長期間入院などしたら朝ちゃんはきっと寝たきりになってしまうだろう。

感染は、常時の直接接触のみ。
入浴時や食事、傷からの感染などはないことが分かっていた。

車椅子を使用している朝ちゃんの日常を考えれば、直接接触する私たちスタッフが注意さえすれば、恐れるべき状況ではなかったから。

「治ったんだって。よかったね。」
と朝ちゃんに声をかけた時、朝ちゃんは、なぜだかふと寂しそうな表情をした。

私は、「朝ちゃんが治ったのは嬉しいけど、またショートステイを利用することになるから、池さんに来れなくなるのが寂しいよ」
というと、朝ちゃんは小さな声で「そうやね」とつぶやいた。

昨日の運動会の後、「毎日池さんに来れて、嬉しいわ。」と言っていた朝ちゃん。
頭のいい朝ちゃんだから、病院で全快の診断書をもらったということの意味を、きっと分かっていたのだと思う。

・・・・・

私たち介護に携わるものは、リスクも背負っている。
けれど、リスクを恐れるあまり、安全な状況を作ることのみに心を奪われるべきではないと思う。

常に「人」がいる。

私たちの仕事の対象は、常に「人」なのだ。

「安全」に過ごすことを「人」に優先させるべきではない。

血圧の高低、病気、嚥下機能、歩行状態、失禁・・・

私たちの目指している介護は、こうしたいろいろな状態にある利用者が、そうした病状を背負ってでもなお、「今日」と言う一日をどう生き、どう過ごすか、という1点につきる気がする。

・・・・・

朝ちゃんは、診断書を提出し、受け入れを許可されて、たぶんまたショートステイの日々へと戻ることになるだろう。
いっぱい食べて、いっぱい笑い、楽しそうにおしゃべりする朝ちゃんを見ながら、私たちの手の届かないところにある「サービス提供票」という壁に、むなしさを感じる。

おとなしい朝ちゃん。精一杯楽しいことを話して、朝ちゃんが声を出して笑ってくれた瞬間は、私と大ちゃんの一番の喜びなんだけど。

またいっぱい池さんに来れるといいね。朝ちゃん!





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今日は運動会だっちゃ。

2006-09-20 22:33:54 | デイサービス池さん
今日は、中学校の運動会。台風のせいで、延びに延びた運動会。

晴天!
行かなきゃ!!!

・・・

というわけで、全員でレッツゴ~!!!

???

誰を見に?

いつも遊びに来てくれるりさちゃんやヒロ君や、小松タイムで来る子ども達!

・・・っていうか~
「誰でもいいやん。楽しいことには参加すべし。参加して楽しむべし。」これ池さんの家訓!

で、み~んなで、見に行ったわけ。

おとなしく見てたのはちょっとだけ。
PTA種目の綱引きの集合コールがあったとたん、な、な、なんと、え~、うそ~、出場門の先頭に、池さん軍団。

なんで~?
1番早く集まってるし~。
テントに残っていたのは4人の利用者さんとハルちゃんと私だけだし~。
あっという間に、「行こや。出よや。」と決まってみたいで、気がつけばしっかりカメラを渡されて、テントで、朝ちゃんたちとお留守番。こういうことって、決まるの早すぎ!ついていけない愚図なわ・た・し!

で、運動場に伸ばされた長い綱の一番後ろに何故だか、まるちゃん。(そりゃこういう時の1番後ろにはピッタリの体型には違いないけど、PTA種目なんだから、そんなに目だたなくても・・・)

その上、小さい時から運動大好き人間の大ちゃん。大きな声で、「気合入れて行くぞ~~」と仕切ってる!(あんたねえ、PTA会長じゃないでしょうよ~)

ひろこちゃんも、れいこさんも、張り切って「いくよ~って感じ~?」
みかちゃんは、履いていた破れたぞうりを脱ぎ捨ててるし~
あのねえ、あんた達、気合入り過ぎ・・・!

しょうがなく、写真をとったけど、私もハルちゃんも、一緒に騒ぎたくてしょうがない。

運良く見つけた社長に、カメラを渡すと、ハルちゃんと一緒に、応援に飛び出して、気がつけば運動場の真ん中で「オーエス、オーエス!」

・・・う、う、う、

私って、私って、
私もやっぱり池さん軍団なのね・・・

「出たがり、遊びたがり、楽しいことには、やっぱり参加すべし」

・・・

今日のお昼ごはんは、運動会メニュー。焼きそばとおにぎりとかき玉汁。
お昼までしっかり運動会を楽しんだ皆は、「あ~お腹すいた!」と帰ってきて、皆で焼きそば15玉をぺろリと平らげ、午後一休みした後、私が来客とお話している間に、だ~れもいなくなっていた。

「どこ?どこ?皆は?」「運動会!」

そして、午後も私は昼寝中のハルちゃんとお留守番(トホホ)

午後もやっぱり、PTA競技の借り物競争に出場して、池さん一家は楽しんだんだとさ!

で、
フミちゃんは「知った子どもがおらんけん、つまらんかと思ったけど、今日は面白かった。よかったよ。」
朝ちゃんはしゃべりっぱなし。「今日は本当に楽しかった。あ~面白かった。」
定じいちゃんは、「運動会は、何十年ぶり。本当に行けてよかった。孫も見れたし。」
ぐっさんは「こりゃ、レベルが高い。たいしたもんじゃ。ハルちゃんが大きくなったらまた応援に行かんとな。たいしたもんじゃ。こりゃどうでや。」と大喜び。

帰ってから、お風呂で汗を流して、さっぱりした後、み~んな満足そうに家に帰っていった。

きっと今晩は、み~んな良く眠れることだろう。

で、
池さんは、来年に備えて、「応援の旗」をつくるんだと!
だ、だ、だれの運動会?

・・・
ま、楽しいことは楽しむべし!

というスケジュールのない予測不可能なデイサービス、池さん一家の1日。












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みよちゃんのこと

2006-09-19 23:07:52 | デイサービス池さん
みよちゃん。

みよちゃんは、この呼び方が気に入っている。
「この年になったら、どこへ行っても、“ばあちゃん”としか呼んでくれん。ここへ来たら、昔に戻ったみたいな気がする」と言う。

池さんに来ることになったのは、娘さんが勧めてくれたから。

最初にお家に行った時、居間の箪笥にもたれて(みよちゃんは、足が痛いから、何かにもたれて足を投げだして座らないと座れない)あんまりしゃべらずに、気難しい・・・かな?みたいな感じだった。

2月から池さんに来ることになって、最初は週2日だったけど、すぐころんでしまうので、リハビリと入浴を目的に、今では週4回来てくれている。

みよちゃんは、超スローテンポ。
歩くのも、しゃべるのも、ご飯を食べるのも・・・。

話しかけると、「・・・・・・・・・う、う、ふ、ふ、・・・なに???」と、こちらが返事を待っていてもお構いなしに、みよちゃんのペースに巻き込まれ、「がくっ!」とずっこけそうになってしまう。

最初は遠慮してたのか、あんまり言わなかったけど、この頃では、帰り道に「ちょっとカブトガニ餅へよって!」と突然言ったり、朝来るなり「買い物行きたい!」と言ったり、「どっか遊びに行く?」と聞くと、「ヤマサン!」とか、しょっちゅう出歩くようになってきた。

池さんは、時間のある限り、天気が良いと皆でお出かけしてるから、まあ、みよちゃんの要望には、大抵応えられている・・・と思う。

今日なんか、「口紅を買いに行きたい!」と例のごとくリクエストがあり、れいこさんとまるちゃん、名人が付き添って、綺麗な口紅を買ってきた。

お風呂上がりにつけるのかな。

・・・・・

ただ、同じ空間でリハビリするだけなら、みよちゃんは今のように活動的にならなかっただろう。

自分の行きたいところへ、自由に(・・・とはいかなくても、スタッフと一緒に)出かけ、好きなものを買い、おじいちゃんのために夕食のお惣菜を決め、ちょっとはオシャレも楽しみ・・・

ごく普通の女性の楽しみや生きがいを、ごく普通に実現してあげることができたら・・・

私はいつも、そう思っている。

それこそが、生きがいや希望。

わたしが年をとって、体が不自由になった時、今まで楽しんで来た私自身の楽しみを奪ってほしくないと思う。

ちょっとぐらいの血圧の変化や栄養状態や、脈だのなんだののわからん「数字」なんかで私自身を判断して欲しくはない。

その日のお天気や気分を大事にしてくれる、そんな介護であってほしいと思う。

今頃、みよちゃんは、「さて明日は中学校の運動会。行かなきゃ・・・」と思いながら、いつものように大きないびきをかいている・・・はず。

みよちゃん、
明日はいつも来る中学生の応援一杯しようね。。。




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じゅりくんのこと

2006-09-15 23:23:23 | デイサービス池さん
じゅりくんは、週4日池さんにきているもうすぐ4歳の男の子。
お家のお仕事の関係で、夜7時に来て、晩ご飯を池さんで食べて、9時か9時半にパパがお迎えに来る毎日を送っている。

6月。
初めてじゅりくんが池さんに来た頃。
ビデオを山のように袋一杯に抱え、くまさんのタオルを口にくわえて、目が隠れるくらい長い前髪が印象的な、弱々しい男の子だった。

保育園の延長保育に時間一杯までいてから、池さんにやってくる毎日は、じゅりくんにとって、精神的に負担の大きな毎日なのだろう・・・と思う。

いつも、パパから離れられなくて、タオルを持ったまま大声で泣きじゃくり、無理やり引き離さなければならないことが何度もあった。

どこかにぶつけて「痛い」と言っては泣き、ご飯はいらないと言っては泣き、大好きな折り紙がうまく折れないと言っては暴れ、きなこが怖くて逃げ、ウンチは今だにオシメ、「いただきます」も「ごちそうさま」も言えず、欲しいものだけは誰のお皿でもかまわずつっつきまわし・・・「ありがとう」も「ごめんなさい」も夢のまた夢。


本当にどうなるのだろう、この子をこのまま預かっていいんだろうか?と悩んだ日も。

大ちゃんママは、いろいろ考えた。
まず、挨拶は大事(これは池さんみんな、誰に対しても同じ)
次は、「我慢」という言葉を教えたいと思った。パパと離れるのは寂しいけど、我慢する。嫌いな食べ物だけど、我慢してちょっとだけ食べる。泣きたい時も、ちょっとだけ我慢してみる。
最後に、「聞く」
人の話を聞く。人がお話していることをしっかり聞く。(大人は、じゅりくんが、ちゃんと聞き分けられるように、一生懸命話すことが大事になるんだけど)

・・・

池さんはいつも、人で一杯。いろんな人が夕食の時間も集まってきたり、お泊りの人がいたりと、結構流動的な人間関係の日常。

そんな中で、3ヶ月半。

じゅりくんは、今、とっても成長した。
来た時も、「パパお仕事頑張って。バイバイ。」とタオルを持たずに離れることができるようになった。

「こんばんは」と来ている人にご挨拶もできるようになった。ご飯の時は「おあがりください」とリーダーさんになってくれる。その後みんなが「いただきます」と挨拶する。「ごちそうさまでした」も言えるし、自分の食器を流し台まで運ぶこともできる。

折り紙も頑張って最後まで折れるようになった。

ウンチもトイレで1人でできる。(ドアの前で待ってないといけないけど・・・)

昨日は、折り紙を渡したミカチャンに、「ありがとう」と自然にお礼を言って、ミカチャン大感激だった。

「ふうちゃんもお友達ね。」と折り紙をあげて、ふうちゃんも感激。

「社長さんは寝とるから、静かにせんとね。」と思いやりをみせて、大ちゃんママも感激。

お泊りのおじいちゃんにお茶も運んでくれた。

名人のリハビリ用の輪投げを壊して、ちょっとだけ泣きながら小さな声で「ごめんなさい」も言えた。

帰るときには、「バイバイ。おやすみなさい」も言える。

・・・

子どもの成長って、すごいと思う。
6月には想像もできなかったじゅりくんが、今日も目の前にいる。

池さんの空気の中で、
池さんらしく、いろんな人といろんな関係が築ける豊かな心を持った人に育ってくれたらいいと思う。

3歳の子どもを前にして、
「人と関わること」「人として育つこと」の意味を改めて考えさせられる。

子どもを取り巻くいろいろな事件を耳にする現代。

子育ての大事な「時」を見失わないように、かつての大家族のような多様な人間関係の中で育つ大事な部分を見失うことのないように、1個の人間であるじゅりくんに関わっていきたいと思う。






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ぐっさんのこと

2006-09-14 21:50:25 | デイサービス池さん
ぐっさんは、
以前いた施設では、「超大変な人」とレッテルを貼られて、歩行が不安定なのに歩き回ってしまうため、靴には鈴をつけられて、普段はベッドに拘束されていたおじいちゃん。

なんでも、暴れだすと10人がかりでも対応ができなかったとか・・・

池さんに来るようになってから、一度も、対応不可能な状態になったことはないおじいちゃん。

ぐっさんの口癖は、「お~どうでや」「こりゃどうでや~」「レベルが高い」

・・・

池さんのアイドルのぱるちゃんを見ては、「お~こりゃどうでや。この子はレベルが高い。う~~~こりゃどうでや~~~」

自慢の時計が1秒単位で正確にテレビの時報に合っているのを自慢しては、「お~~~こりゃすごい。松山で買うたけん狂わんだろ。こりゃどうでや~」と午前中は大抵時計のチェックに忙しい。

補聴器も自慢の種「やっぱり今治でかわんといかん。どうでや~~」

お家の芝生を自慢しては、「どこにでもあるもんじゃない。どうでや~。ちょっとあんたに見せたいけん、家によってってくれんか~~~。」

池さんのことを聞くと「こりゃどうでや~~。たいしたもんじゃ。ここは、レベルが高いのう~~~。」

お昼ごはんは、いつもご飯の入ったお茶碗に、ぜ~んぶのおかずをのせて、かきまぜ、「う~~~うまい。」と食べ、最後にお皿まで綺麗に舐めて「う~~どうでや。美味しかった~~。綺麗なかろ。こりゃどうでや」

・・・とおっしゃるじいさま。

お話したことを覚えていてくれるかどうかは、別問題。

その時、その瞬間、
「たいしたもんだ」と喜んでくれて、楽しい思いを感じてくれたらそれでいい。

手足を縛られて、ベットに横たわっていたぐっさんが、池さんでは、のびのびとソファーに横になり、話しかける度に繰り返してくれる。

「お~~~~~、こりゃどうでや。お~~~たいしたもんだ。どうでや~~~。どうでや~~~。こりゃどうでや~~~。」
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富さんのこと

2006-09-13 22:30:21 | デイサービス池さん
池さんの一番新しいお客様。その名は富さん。
92歳のおじいちゃん。

富さんは、タムタムと同じで、残り少ない命を生きるおじいちゃん。

それまで利用していた施設では看る事ができなくなり、どこか看てくれるところを探していて、池さんにたどり着いた人。

最初の面接の日。
大ちゃんと一緒に行ったとき、布団の上で「痛い。痛い。あ~痛い。」と言い続けていた富さん。

正直「デイに来ることができるかな?」と心配したのは事実。

で、最初に利用日は、2人の介助でなんとか歩くことができ、池さんに車椅子も使わず、来ることができた。

そして、一日布団の上に座り、みんなと話しをして、とっても喜んで帰って行った。

週2回の利用だけど、富さんは来るたびに元気になっていく。

今日は、1人の介助で充分歩行可能。
そして、家では決して自分で食べないというのに、自分でお箸をもって、煮込みうどんをチュルチュルとどんぶり1杯平らげて、長いもとキュウリの和え物までカリカリと食べ、おまけにご飯もデザートのスイカも平らげて、お風呂ですっかり男前になって帰っていった。

最近は、池さんにいる間、籐の大きな椅子にあぐらをかいて座り、見える左目と聞こえる左耳で、みんなとおしゃべりを楽しんでいる。

昼食前のリラックスタイムは、まるちゃんの伴奏で歌まで歌う。

「じいちゃん、楽しかったね」というと、「お~お、楽しかったぞ。」
「ご飯美味しかったね。」というと「今日は、な~んも食べてないけん腹減った」
「ほんなら、帰って一杯たべんといかんね。」というと「お~お、食べよ食べよ。」
「また、きてよ~。」というと「お~お、またくるぞ~~~」

ほんの2週間。
たった2週間。

おばあちゃんは、
本当に信じられんくらい元気になって、「池さんにいくん?」と聞くと「いくぞ~~~」というんよ。ありがとう。
と言ってくれた。

重い病気を抱えて、命の期限を切られ、
そして、1日1日を生きている富さん。

タムタムのことを重ね合わせて、私たちは富みさんが少しでも多く、「楽しかった」と感じる瞬間を、重ねたいと願っている。

・・・

誰にでもいつかは平等に訪れる「死」

その時まで、少しでも「良い時」を富さんの心に刻めたらと思う。


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名人のこと

2006-09-12 22:32:05 | デイサービス池さん
我が池さんの歴史と共に歩んできた名人。
名人は、今家族の状況や、いろいろな状況で、危機的な立場に立たされている。
簡単に言えば、他の施設にショートステイを利用せざる終えない状況にある。

名人は、池さん大好き。
大ちゃん大好き。
釣り大好き。

なのに、今回「ためし」で、利用した施設は、何にもしないで1泊2日を過ごして帰ってきた、歯磨きさえもしなかった・・・

楽は楽。

でも、それでいいとは思わない池さん。
来たとたん、れいこさんと、まるちゃんのげきが飛び、大ちゃんは怒り心頭。
「歩かなあ。動かなあ。」
と、池さんリハビリに精を出す。

家庭の事情は仕方ない。
名人がどこへ行くことになっても、私たちにはどうすることもできない。
・・・のが悲しいけど現実。

でも
でも

大ちゃんも大ちゃんママも、絶対に、いつか名人が他の施設でいい加減な介護を受けなくてもすむように、死ぬまで面倒看れるように、
新しい場所を作るから・・・

待っててね。
名人。
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朝子ちゃんのこと

2006-09-11 22:19:29 | デイサービス池さん
朝子ちゃんは、今月になってからずっとちょっとした皮膚の病気で苦しんでいます。朝子ちゃんはそのせいで、今まで行っていたショートステイの施設やデイの施設から、受け入れを拒否されて、今月はずっと池さんに来ています。

家庭の事情で、何箇所もの施設を行ったり来たりしている朝子ちゃん。
ショートステイでお泊りして帰ると、いつも暗い顔で下を向いて、黙ったまんまの朝子ちゃん。

2、3日池さんに来たら、おしゃべりでよく笑い、一杯食べる普段の朝子ちゃんに戻ります。

でも、またすぐに別の施設に行かなくてはなりません。可愛そうな朝子ちゃん。

・・・

朝子ちゃんの病気が分かった時に、大ちゃんは決めました。

「よそが断っても、池さんは看たい。もし、病気を治すために入院でもすることになれば、病気は治っても、朝子ちゃんは、きっと動けなくなってしまうだろう。治らない病気ならともかく、特効薬も開発されているのに、何にも恐れることなんかない。責任は僕がとる。」

私も思いました。

池さんの合言葉は「最強家族」。病気になっても、家族なら看るのは当たり前。もし、他の人の安全を第1に考えて、朝ちゃんをよそへ行かせるようなことになれば、きっとあとで後悔する。「最強家族」という言葉をTシャツの背中にしょっている意味がない。朝ちゃんは、池さんで治してあげたい。

・・・
そして今月、朝ちゃんはずっと池さんに来ています。

発疹も大分よくなってきました。
朝ちゃんは、毎日元気に池さんにやってきて、みんなとおしゃべりし、ご飯を全部平らげ、ゆっくりお風呂に入り、笑顔で「大事にしてくれてありがとう」と言いながら帰っていきます。

土曜日。
いつものように「ありがとう。すまんねえ。こんなになっとるのに(まだ、朝ちゃんの体には赤い発疹が残っています)親切にしてくれて申し訳ないねえ。」をお風呂に入っている間いっぱい言うので、「朝ちゃん、池さんはみんな家族なんやけん、当たり前のことなんよ。」というと、朝ちゃんは「家族にしてもろてかまん?」

お風呂の中で、朝ちゃんのぶつぶつのある体を洗いながら、涙がでました。
スポンジが使えないので、手に石鹸をつけて、ゆっくりゆっくり丁寧に洗ってあげました。「早くなおりますように」と朝ちゃんと一緒に言いながら・・・。

池さんのスタッフTシャツには、最強家族と書いてあります。
私たちは家族に接するように、利用者の一人一人と、1日の1瞬1瞬を大切に、丁寧に向き合って行きたいと思います。

「朝ちゃんの体が痒いのは、かわいそうやけど、毎日朝ちゃんに会えるから、今はとっても嬉しいんよ」というと、「毎日池さんに来れて、私も嬉しい」と言ってくれる朝ちゃん。

毎日池さんでおしゃべりするから、声もよくでるし、しっかり耳も聞こえるし、表情もとっても豊かになってきました。(・・・こういうのを本当の「リハビリ」っていうんだと思うけど・・・)

朝ちゃんが笑ってくれて、いっぱいご飯を食べてくれるのが、今のわたしの喜びです。

朝ちゃんを、死ぬまでずっとずっと看てあげたい。今、心からそう思います。

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タムタムのこと

2006-09-11 01:13:59 | デイサービス池さん
もうかれこれ1ヶ月。
池さんの利用者さんで、始めて永遠にお別れしたタムタム。

タムタムは、癌の末期のおばあちゃんでした。
治療を行いながら、体調のいい時は「近所の人のように、私もデイサービスに行ってみたい」と思い、家族の方も「人と関わることで元気を取り戻してくれれば」と望み、でも、そんな重篤な状態の利用者さんを受け入れるデイサービスがなかなかなくて・・・

という経過をたどって、私たちの池さんに来ることになったタムタムでした。

利用する前に行う初めてお会いする面接の日。
ベットに横になったままのタムタムは、抗がん剤の治療のせいか、顔がむくみ、とても辛そうでした。

そして、最初に池さんに来た日。
顔の腫れもひかず、足元もおぼつかない状態でしたが、心なしか晴れやかな感じで池さんに来られました。でもしんどくて、ずっとベッドに横になったままでしたが、皆はかわるがわるベッドの横に行って、いろ~んな話を一日中しました。ご飯とおやつの時間は、みんなと一緒に食べたいと言って、ぜ~んぶご飯も平らげて、おやつもしっかり食べて、タムタムはみんなと嬉しそうにおしゃべりして、笑顔で写真に納まり、帰っていきました。

2回目の利用の日。
朝からずっと辛そうで、1日ベッドに横になったままのタムタム。
あんまりご飯も欲しくないみたいだったけど、少しだけ食べて、またベッドに横になってお話を一杯して、帰っていきました。

3回目の利用の日。
歩くのも大変そうになって、なんとかベッドにたどり着いた感じのタムタム。
少しだけおしゃべりして、後は眠ったままのタムタム。
お昼ごはんは欲しくない・・・と言うので、良く冷えた桃とメロンを小さく切ってあげました。「おいしい、おいしい」と全部平らげて、おやつの時間も同じ果物。「とっても美味しいかった」と喜んで帰っていきました。

そして、しばらくして・・・
タムタムが亡くなったことを知りました。

病状が急変してのあっという間の出来事でした。

お別れにスタッフ皆で行った時、
タムタムは、顔の腫れの引いた素敵な笑顔で横になっていました。
今まで見たどの顔よりも穏やかで美しい顔で・・・

その後、ご家族の方たちから、
タムタムが、「またデイサービスに行きたい。あの時の果物が美味しかった。」と病床で話していたと教えてくれました。

たった、3回きりのデイサービス。

亡くなったタムタムの心の中に、池さんで過ごした時間が刻まれていたら、本当に嬉しく思います。
「デイサービスに行きたい」というタムタムの願いをかなえてあげることができて、本当に嬉しく思います。

縁あって出会った人と、その時その時最善の関わりをしたい。
いつもそう思っています。後悔のない時間を共に過ごしたいと思っています。

タムタムは、いつも私たちにそのことを教えてくれるように、リビングの壁の写真の中で微笑んでいます。ありがとう。タムタム。あなたに会えてよかったよ。

コメント
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