池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

ただ、思う。

2008-03-30 12:03:53 | デイサービス池さん
私の知り合いのおばちゃん。

しばらくぶりに、知人からその消息を知った。

小さい頃、時々遊びに行った。昭和30年代、まだそれほど豊かではない時代。泊まりに行くと、つくしやわらびをとりに連れて行ってくれたり、子どもが喜びそうだとおばちゃんなりに考えた料理で、もてなしてくれた。

身体が大きな人で、おしゃべり上手な人ではなかったけれど、いつも変わらない笑顔で迎えてくれた素朴な人だった。

おばちゃんは、厳格な舅・姑に長い間、仕えた。
親戚筋も複雑だったので、本当に苦労したと思う。

その上、ご主人は脳出血の後遺症で、長い間寝たきりの生活だった。
亡くなるまでの長い年月を、本当に献身的に介護していた。

そして、今、
おばちゃんは認知症が進み、施設にいるらしい。

どこにでもある施設。
起床・着替え・車椅子で食堂へ移動・食事・入浴・就寝・・・
だれとも話さず、笑うこともない。
ただ生きているだけの毎日。

私が、ヘルパーの実習の時に行った施設も全く同じだった。
声かけは、「トイレの時間で~す」だけ
一日中、車椅子に座らされたまんま!

後は、な~んにもなし!

ただ、職員は忙しそうに業務内容とやらをこなし、そこに「人」がいるなんて思ってもいない!

「腰が痛いから、どうぞベットに連れて行ってください」と泣きながら訴える人には、「リハビリだから、起きとかないかんでしょうが!」と怒り、「手が痛いから、車椅子を押してください」という人には、「甘えたらいかんよ!」と冷たく無視。

そんな、平均的な当たり前の施設。

歩くことができなくなり、トイレや、いろんなことがわからなくなり、在宅で介護が無理になり、おばちゃんの家族が決断した今の状況。

ただただ、悲しい。
ただただ、空しい。

そうせざるをえない様々な家族がかかえる状況を、知っているだけに、悲しい。

「生きること」が、なぜこんなに苦しいものなのかと、改めて思う。
「生きていくこと」が、どうしてこれほど悲しいものなのかと、胸が痛くなる。

おばちゃんは、決して、こういう老後を望んでいたはずではない。
愚痴を言わず、今まで一生懸命に生きてきたに違いない。
与えられた自らの運命を、ただただ一生懸命に生きて来たはずなのだ。

そして、周囲の人たちを大切に看取り、自分が老いた時には、住む場所さえ選べない。

「ケアの質など問題外の施設」を終の住みかと決めなければならない悲しさ。

たとえ、どのような場所であろうと、その人が生きてきた・暮らしてきた場所が一番落ち着く場所であるに違いない。

あれほど池さんに来るのを楽しみにしているみよちゃんや名人であっても、毎日池さんでよだれを垂らすほど笑っていたとしても、家に帰ったり奥さんが迎えに来た時の笑顔には、絶対勝てないな~といつも思う。

家族や家には、所詮かなわないな~といつも思っている。

だからこそ、私たちはいつも、家族が抱えられない時・家族だからできないことを、家族のように代わって支えてあげることができたらと考えている。

ケアの質はもちろんのこと、「人」を正面から見つめ、向き合っていきたいと思っている。

ただ最低限「人間」として生きるための介護ではなく、「人」として生きていけるケアをしたいと努力している。

いくら立派な施設でも、どんなに綺麗な施設でも、そこで働く人たちが「ケア」をしようとしなければ、「人」は幸せには」なれない。

そして、最大の問題は、良いケアをしている優れた施設を充分選択することができない今の状況。

ここか、あそこか・・・
預かってくれさえしたら、入所できさえすれば・・・

選択肢が限られた地域で、選択しなければならない現実。

施設数やベット数が、計算上足りていたとしても、現実にはいい施設は何年先まで予約でいっぱい。

介護保険の制度上の問題は、深く大きい。

幸せに老い、幸せな死を迎えるために、私たちが超えなければならないハードルは、まだまだ高そうだ。

おばちゃんはいつか、自分の人生を「あ~いい人生だった。」と思うだろうか?

苦しみだけの多い人生だったと、後悔はしないだろうか?

もし、もし、近くにいたら、

どんなことをしても、池さんに連れてきてあげたいと思う。

毎日笑って、いっぱいおしゃべりして、温かいご飯をお腹いっぱい食べさせて、天気のいい日はお花見へ行って、温かいお風呂に入れてあげたいと思う。

苦労して苦労して人のために生きたのだから、な~んにもわからなくなった今くらいは、いつも笑顔でいて欲しいと思う。そして、最後の瞬間は、笑って見送ってあげたいと思う。

ただ、ただ、

思うだけ。















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募集!

2008-03-22 22:11:58 | デイサービス池さん
募集!!!

池さんで、働きませんか?

一緒に、新しい介護しませんか?

年齢・経験・学歴・容姿・スタイルは一切問いません!

「人が好きな人」大歓迎!

お待ちしています

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セミナーに参加したよ

2008-03-21 23:07:18 | デイサービス池さん
14日・15日、松山と広島で行われた「新しい介護セミナー」の研修会。

三好春樹さん、鳥海房枝さんが講演、1日目・宅老所あんきの中矢さんが10周年記念の講演と2日目・広島の玄玄の藤渕さん1周年の報告を行った。

なんか、さすがに三好さんと鳥海さんは、すごい迫力。

中矢さんは、たぶん講演より普段のデイにいるほうが似合ってるんだろな、と思える人。

そして、今回大ちゃんが一番会いたがっていた玄玄の藤渕さん。

大ちゃんより少し年上だけど、同じ思いを抱いて、この道へ入りご夫婦で頑張っている人。

大ちゃんは、長い間行かなかった松君の美容院で、大枚はたいて頭をモヒカンにして気合を入れてこの研修に臨んだ。

私も、2年間の池さんでの実績を、どうすれば言葉にできるのか・どう説明すれば理解してもらえるのか悩んでいたので、この研修でなんとか自分なりに答えを見つけられたらと思って、気合を入れて参加した。

結果、

本当によかった。

勤めている施設から、研修に行け~!と言われて仕方なく参加した人もいるだろうけど、私たちは真剣だった。

三好さんが話す言葉、鳥海さんがいう実例、中矢さんが10年の間に経験し感じたこと、どれも今、私たちが向き合っている問題だし、体験したこと。

鳥海さんが話した「生活モードのターミナルケア」私たちが経験した、たぁさん、ぐっさんや近藤のじいちゃんとの日々を思い出させ、目がウルウルしながらも、「あ~、あれでよかったんや。」と思った。

特にターミナルに関しては、富山でにぎやかの阪井さんが看取りの経験を話してくれたのを聞いた時から、最後までの看取りじゃなくても(最後まで一緒にいられたらそれに越したことはないけど・・・)あの時、一緒にいてくれてよかったと思ってもらえたら、そういう形もある意味で看取りと考えていいかなと思っていたので、なんか腑に落ちた感じがした。厳密にはちがっているかもしれないけど、ターミナルに関わるって意味で。

玄玄さんは、池さんと同じ規模で、ほとんど同じ感じ。1周年って、とても微妙な時期だったのを思い出し、みんなの熱い思いが伝わってきて、よかった。なんか大ちゃんと似たとこあるようだし。。。

玄玄のブログ拝見してたけど、どうにもならずに思わず混乱した奥さんの顔をたたくご主人のこと、聞いてて本当に涙がでた。大事な人をそうせざるを得ないご主人の心、2人を前に何も言えなかった玄玄の心、人と向き合うことって、なんて苦しくて重いものなんだろうと思った。でも、だからこそ、魅力があるんだろうけど。

それをとつとつと話す藤渕さんの人柄が、よけいに心に響いてきた。

いろんなことを考えた。
いろんな事を感じた。

一番感じたのは、

まちがってないんだってこと。

これでよかったんだってこと。

ずっと、このまま、進みたいと思う。

池さんが、もっともっと深いものになるために、レベルアップするために、今すごく大切な時期だと思っている。

よ~し、池さん、がんばるぞ~~~~~
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とりあえず ご報告

2008-03-15 21:33:10 | デイサービス池さん
今週は土日、三好春樹さんの新しい介護セミナーへ参加してま~す

土曜日が松山。
日曜は広島へ、大ちゃんといってきやす!

宅老所あんきの中矢さん、広島の玄玄さんに会えるの、楽しみです。

報告は、後日ね~。

皆様、お楽しみに~~~

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社長

2008-03-09 14:59:18 | デイサービス池さん
社長は鼠年生まれ、今年還暦を迎えた。

45歳の時に出張中の東京のホテルで、脳出血で倒れ、無事に一命をとりとめた。

その時の肺塞栓の後遺症で、左肺の半分は動いていない。

何年か後に、多発性脳梗塞を発病。主治医「15箇所まで数えたけど、あとは数えれん」というほど、その時のレントゲン写真は梗塞の斑点だらけだった。この時、高次脳機能障害という病名を賜る。

そのまた何年か後に、左目に硝子体出血を起こし、左の目はほとんど視力がない。

最近、心臓の血管に3箇所閉塞が見つかり、1箇所はカテーテル、1箇所はステント留置手術を受けたものの、常にニトロが欠かせない日常。

これほど病気と隣りあわせで、しかも、重篤な疾患を抱えつつ、生来の運の強さなのかどうか、主治医も驚くほどの生命力の所以(ゆえん)か、手足に後遺症はなく、見た目健常者と変わりなく日常生活をこなすスーパーマン。

社長は、服装にはなんらこだわりがない。が、しかし気温の変化に適応できない身体状況。

したがって、「今日は暖かい」と皆が思っていても、ジャージの裾は靴下の中にインして、分厚いハンテンを羽織り、おじいちゃんの形見のよれよれマフラーに、救急印の帽子をかぶり池さんに出勤する。

「おはようございます!」でも、その時はもうほとんど昼前。

ますみさんに言わせれば、「あの人誰なん?変な人が来とる!」となるし、つたこさんにかかれば、「かわいそうなおじさんやけん、お菓子でもあげようか!」となる。

いつも、皆の同情をかう社長。

大抵午前中は畑作業に精をだし、おやつの時間にやってくる。

で、「またあのおじさんが来とる。お菓子でもあげんかい!」と皆の注目を集めて、しっかりおやつをゲット。

一応奥さんの私としては、それなりの服装を社長に求めるものの、所詮無理な要求。

車は6万円の軽トラで充分・服は着れたらそれでよし・誰にどう思われようと関係ない・と言い切る社長。

・・・

というわけで、池さんの社長は、ちょっと見「ただのおっさん」というより「あやしいオヤジ風」なのです。

どうか皆様、どこかで社長を見かけても、決して驚かないように

あやしいオヤジ風の社長も、決して、あやしくはありませんので・・・


で、社長のもっぱらの仕事は、池さんで皆が食べる野菜作り。

湯浪のじいちゃんの畑と、安井のれいこさん家の畑を借りて、ジャガイモやほうれん草や玉葱を作っている。

そして、池さんのゴミ出しやもろもろの雑用をこなしてくれているありがたい存在。

よその会社の社長は、こんなんじゃないだろうけど、わが池さんの社長は、こ~んな感じで~す

どうか皆様、よろしくね~~~







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幹太の初節句

2008-03-08 22:39:23 | デイサービス池さん
11月27日生まれの美香ちゃんの長男幹太。
でかい頭で、かわいい顔で、毎日池さんに出勤する幹太。
皆、幹太のことが大好き

で、今週、超おもしろ出来事が・・・

幹太は5月、初節句。

で・・・

池さんでの会話。

社長(幹太のじいじ):幹太がお節句やけん、やっぱりこいのぼりがいるやろか?
伊藤さん:そりゃ、やっぱりねえ。
社長:嫁ぎ先がするんかいねえ。
れいこさん:ヨメの里が送るんよ。社長!
社長:ほんなら、うちが買わんといかんのん?
伊藤さん:そりゃ、そうですよ!
社長:・・・・・
大ママ:ちょうど、こいのぼりの広告があるよ。
社長:ありゃ!こんなにするもんなん?
透さん:社長、そりゃ、するわいな!
みよちゃん:社長、かわいい孫のためやけん、そのくらいはしてやりよ!
ますみさん:ここへ(ベランダ)こいのぼりを揚げたらちょうどええが。
伊藤さん:そうですね。毎日こうやって皆で揚げましょう。
社長:でも、こんだけお金があったら、欲しかった耕耘機が買えるが・・・
伊藤さん:耕運機は必要ですねえ!
透さん:やっぱりヤンマーじゃね!(透さんは現役時代、ヤンマーに勤めてた)
みよちゃん:ヤンマーはええよ!
伊藤さん:耕運機!
大ママ:でも、幹太は初節句やけん、奮発せんと!
社長:同じお金払うんなら、お節句だけのこいのぼりより、耕運機を買って皆が食べる野菜を作った方がええと思う。幹太も食べれるし・・・

で、この話題で池さんの意見も2手に分かれ・・・

結局、多数決と相成った次第。

大ママ:幹太の初節句にこいのぼりを買ったほうがいいと思う人、手を上げて!

一同「し~ん」

大ママ:池さんの野菜作りのために、社長が耕運機を買ったほうがいいと思う人!

一同「は~い」

・・・・・

ゴメンね。幹太!

池さん全員、こいのぼりより耕運機を選びました

幹太のこいのぼりは、あえなく却下

許して、幹太

ぐれるな、幹太

池さん、皆、食い意地張って、幹太よりジャガイモを選びました

かわいい幹太。

まことに、まことに、すんません







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幹太

2008-03-02 22:19:12 | デイサービス池さん
11月27日に生まれた長女の息子「幹太」
若干3ヶ月ながら、結構いい線いってる幹太。

詳しく説明すると・・・

でかい
3ヶ月で、もはや7900グラムの体重の持ち主「幹太」

でも、ではない。

母ちゃんが毎日しっかり玄米を食った結果、固くて重いのだ。

頭がでかい
産婦人科の先生によれば、前頭葉がでかい。
でも、だから頭がいいとは限らない!

顔の周りはぶつぶつ、うぶせまみれ
でも、家族は誰一人心配せず。
「ちょっと痒そうだけど、ま、そのうち治るでしょう」

最近、母ちゃんはバー油をぶつぶつに塗っているため、テカテカして、それもまたかわゆい。

手の力が、半端じゃなく強いもんで、傷が絶えない
毎日、引っかき傷で顔は血だらけ。

3ヶ月なのに、つっぱってつっぱって私の足の上で立ってる幹太。
でも、踵がつかずに足の指だけで立ってる幹太。
まるで、バレリーナみたい

毎日10時ごろ池さんに出勤する幹太。

幹太が来ると、皆が笑顔になる

ますみさんは「こりゃ重たい。」と言いながら抱っこしてくれ、つたこさんもよしこさんも抱っこしようと近づいてくる。

池さんに来ると、座布団の上に寝かせられ、皆がその周りを取り囲む。
いつも4、5人が幹太を囲んで笑顔で見ている

幹太は、生まれたときから池さんスタッフ。
天才介護マン。

幹太がいれば、昼前の忙しい時間も、あたふたせずに時間がたつ。
皆が幹太に注目するので、その間に配膳を済ますことができるから。

今日は、幹太のお宮参りと百日の御食い初め。
神社で拝んでもらってる間中、大声で泣き続け暴れ続け、ばあさんの私はヘトヘト。

でも、もらったデンデン太鼓をしっかり握り締めて、笑顔で振り回している幹太を見たら、ばあさんの疲れも吹っ飛ぶわいな。

奮発して買った特大のタイも、じいさんが育てた小豆で炊いた赤飯も、祝箸もって、今にもガッツキそうな幹太。

元気で大きくなれよ。

幹太が大きくなる頃には、じいさんもばあさんも、きっと利用者として池さんのソファーに座っていることだろう。

大きくなった幹太が、もしも池さんで働くことになったとしたら(それまで池さんがつぶれずにあったとして・・・)

「じいさん、また人のおかずとって食べよる~!」
「ばあさん、はよ風呂入れ~!」
とかいいながら、幹太に遊んでもらえる日が来るのを、わたしゃ待っとるよ~

よろしくね~^^

かわいい幹太



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