池さんで働くおばさんの日記

デイサービス「池さん」の大ちゃんママのブログです。

他者を感じ共鳴する

2014-04-27 22:08:51 | デイサービス池さん

新聞で見つけた記事。

ピグミーの人たちのことを書いてあった記事。

 

・・・例えば、彼らの会話である。

集会所で車座になっている人々の会話を観察していると、複数の人が声を重ねて喋ることがよく観察された。一方、誰も喋らなくなると、長い沈黙が続くのである。会話では通常、いちどきには一人が喋り、沈黙は避けられるが、この人たちはしばしば、この原則に反した喋り方をしているのである。こういった特徴は、「他者との行為的共鳴」と言う言葉でまとめることができるだろう。

彼らは常に他者を感じつつ、振れる時には振れ、そうでないときは共に静かなのである。

・・・

 

今日、朝早起きをして仕事までの時間、四国中央市の新宮村へと出かけた。

新緑の山々は美しく、木立の間に差し込む春の光はエネルギーに満ち溢れていた。

それまでざわざわと音を立てていた私の心を、心の奥深くの方から癒してくれるような空気の心地よさ。

 

大いなる自然の中に身を置くことで、ゆったりと穏やかにそよぎ始めた心の中に、他者との共生の感覚をもう一度感じてみようと思う。

日常のさまざまなしがらみや方法や思い込みやこだわりを一度リセットして、共鳴することで得られる大切な事柄を見失うことのないように。

いつか、私自身の足跡を見つけてもらえるように。

穏やかな心で。

 

 

 

 

 

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語り伝える

2014-04-23 20:19:41 | デイサービス池さん

ちょっとしたきっかけに反応して、いろんな話が年寄りの口から出てくる。

昔の話だったり、数え唄だったり、盆踊りの歌だったり・・・

そんな自然に口からこぼれ出す歌や話を、聞き逃さずに書きとめてゆく。

そういう作業が大好き。

どんな人もいろんな面白い話を持っていて、記憶に残っている話は数えきれない。

 

教育勅語やピタゴラスの定理をすらすらと暗誦し驚かせてくれる96歳。

国語の教科書で習った文句を全部覚えている95歳。

かつて土地に残る踊りを踊ってくれたヒイちゃん。

「この歌知っとる?」と聞いたら、全く違う歌を歌ってくれたばあちゃん。

 

全部、ぜ~んぶ書きとめておきたい。

ちゃんと残しておきたいことばかり。

 

ちょっとしたきっかけ。

そのきっかけを探して、

今日もまた、ばあさんたちと同じ時を生きる。

 

 

 

 

 

 

 

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心と身体の関係

2014-04-20 21:49:12 | デイサービス池さん

一口に「ボケ」と言っても実はさまざま。

ていうか、今はボケと言わず認知症というらしいけど・・・認知症といったら何だかいかにも病気ですという感じで、やっぱり好きではない。年をとればボケるのは当たり前だし。

さらに言えば、ボケが認知症に変わったとたんに、ボケは治療しなければいけない「病気」になってしまったわけで。

もっと言えば、治療しなければいけない病気だと思うから、薬を処方してしまうわけで。ただの年相応のボケだろうと何だろうとかんだろうと。

 

話を元にもどします。

若い時からの強い性格に加え年相応にボケた人が、やっぱり年と共にいろんな症状(今までと違う状態)がでて家族は心配し病院へ連れていき、偉い先生が「う~ん、これは認知症です。今は良い治療薬がありますから、それを飲めば認知症は進行しませ~ん!」というものだから、家族は「やっぱり病気だったか」と納得して先生の言うとおり薬をきちんと飲ませ始める。

そのうち、だんだん年をとり夜中に寝ぼけて大声を出したりするものだから、家族はまた病院へ行って相談。先生は「だったら寝付きのよくなる薬を出しておきましょう」と眠薬を出す。

でもやっぱりなかなか寝ない年寄りに困った家族は、また先生に相談してもう一種類薬を出してもらう。

薬を飲んでも、年寄りは眠らない。

夜中に大声で%#○△=#&!というものだから、大きなストレスを抱えてしまう。

家族の抱えたストレスは、夜中に大声を出す・幻覚・幻聴もある・痛い痛いを繰り返す・便秘がひどい・気分が変わりやすい(不機嫌になりやすい)・・・

家族は大変だったと思う。だって、これ毎日だったらたまらないだろう。夜中は特に辛いということは、夜勤を続けていたらよくわかる。

それまでも時々泊まることはあったけど、お泊まりのたびに私たちは緊張を強いられた。ご機嫌が悪くなると回復するまで大変だったからだ。

 

事情があってお年寄りはしばらくの間、ここで暮らすことになった。

お年寄りが抱えていた心配事を、納得できるように説明した。

もちろん時間が経てば忘れることもあるので、そのたびに納得するように話した。

足の骨折とお尻の床ずれがあったので、どの角度なら寝つけるか、どうすれば痛く感じないか、どうすれば傷口が寝具にあたらないか、どうすれば足が動きやすいか、どのくらいの時間なら同じ姿勢が保てるか・・・

あらゆる状態の良しあしと可能性を考え、毎日詳しくデータをとり続けていった。

いろんなことが重なって、それまで飲んでいた薬(認知症の治療薬・眠薬2種類・痛み止め)は飲んでいない。

そのかわり、便秘した時だけ飲んでいた便通を助ける薬を毎食後飲むことにした。

 

 

そして、全てが目に見えて変化し始めた。

心の中で何かがストンと落ちたように、お年寄りは穏やかになってきた。

もちろん薬は飲んではいない。便秘の薬だけ。

便意・尿意があれば、いつでもトイレに連れていく。

そして便も悩まされることなく、トイレで出るようになった。

オシッコとウンチがちゃんとトイレで出るようになってから、ご飯を食べるようになった。

それまでおいしくなさそうにちょぼちょぼ食べていた食事が、さっさとたくさん食べることができるようになった。

食べるご飯の量が増えた頃から、お尻の床ずれがみるみる治り始めた。

お尻が痛くなくなって、寝るときの姿勢がよくなってきた。

寝る姿勢が改善できてから、夜まとまった睡眠がとれるようになった。

夜まとまった睡眠がとれるようになってから、昼間の気分の大きな変動もなくなってきた。

気分が安定してきた頃から、食欲が増した。

 

硬かった身体のイメージが、丸くて優しいイメージにかわった。

 

もちろんいつもではない。

時には眠らない日もあるし、機嫌が悪くなる時もある。

でも、それは人だから当たり前のこと。

誰だって、眠れない日やなんとなくイライラする日もあるわけだから。

 

やっぱり、いろんなことにはいろんな原因があるものだなあ~とつくづく思う。

悪意はないのに、悪循環の構図を作り上げてしまうものだなあと。

安易に対処しようとしたり病気のせいにしたり。

薬で調整されてしまうことで、本来の回復力を失ってしまった人たちを多く見てきた。

 

人が持っている自分の身体の変調を調整する力は、たとえ年寄りでも必ず持っていると信じたい。

人にはその力が必ずあると。

 

シンプルに考えれば、笑顔と食事とオシッコとウンチ。

 

・・・そういえば・・・ウンチといえば・・・最近便が出過ぎるまあちゃんは・・・一体どうしたものか・・・悩みは尽きなくて・・・今夜もウンチが出るのでしょうかね~?

 

去年の4月もいろんな出来事が重なりました。

どうやら今年の4月も、試練の時と思考の時となりました。

いろんなことをしっかり考えなさいと、神様が課題を与えてくれているのかもしれません。

身体の疲れが心に影響を及ぼさないよう、コントロールしていきたいと思います。

静かにゆっくり考えて・・・のはず、

 

が・・・

やっとみんなが寝た後、騒ぐやんちゃネコのさかなと今夜も戦ってます。

ネコのさかなは水遊びが大好きで、いつも飲み水をそこらじゅうに撒き散らすわけで。

これも試練試練と言い聞かせながら、午後9時にせっせと床掃除をしているワタクシです。

 

 

 

 

 

 

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2年の月日

2014-04-14 21:12:24 | デイサービス池さん

2年前の今日、湯浪のじいちゃんが亡くなった。

 

じいちゃんの若い頃の人生がどんなものだったかを、私は知らない。

 

でも私が出会ってからのじいちゃんは、いつも優しい人だった。

そして私はいつもじいちゃんの前で、心の中を見透かされているような怖さを感じていた。

どんなに繕っても、どんなに自分の心をごまかしても、じいちゃんのシワシワの小さな目で見つめられたらなぜか嘘がつけないような想いにいつもかられていた。

どんな時も暖かく包んでくれて、心が弱っていた時にはちゃんと励ましてくれた。

 

ただの恩人というだけでなく、私にとってかけがえのない人だった。

 

たぶん・・・たぶん、自分の父親と結びきることができなかった糸を、私はじいちゃんという人と結ぼうとしていたのかもしれない。父親像を重ねていたのかもしれないと今振り返って思う。

 

心の中の大きな支えを失ってから2年。

「お~よう頑張ったな」と言って誉めてくれるだろうか?

 

山の桜が咲く4月半ば。

きっと湯浪の山を、じいちゃんは今日も歩いているだろう。

山菜を見ながら、山を漂っているだろう。

 

2年の月日がじいちゃんに見られても恥ずかしくない日々であったかと、

自分の心に問いかける今宵。

春のさなかの大頭の夜。

 

 

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ヒイちゃん復活

2014-04-10 19:23:20 | デイサービス池さん

チクノウのせいか、その他の何かがあるのか、ヒイちゃんは発熱が続き食欲も落ちた。

固形物は痰にまみれてゼロゼロとなるものだから、私たちはウイダ—とおかゆだけで何とかしのぐ日々が続いた。

もちろん点滴はなし。服薬は抗生物質だけ。ただ、祈るようにウイダ—を口に運ぶ。

そして熱が出なくなって落ち着いた時、ヒイちゃんは自力でオシッコをすることができなくなった。

一日3回、ヒイちゃんのお腹を押してオシッコを強制的に出す。

一時期尿量のとても多い時期があって、夜はリハパン+6回用のパット+ラバーシーツのかわりにフラットタイプのシーツを使っていたが、まったくそれらが必要なくなってしまった。

毎晩ヒイちゃんの寝る支度をしながら、スタッフは「以前のようにびしょびしょになるほどのオシッコが出たらいいのに」と希望を持ちつつ、フラットシーツを使い続けた。

諦めずにトイレに行き、姿勢を整えオシッコを促す。

絶望的に思えた頃、ある日ヒイちゃんの目の前にお酒を置いた。

そしてヒイちゃんは・・・酒を飲んだ。自分で杯を持って!

3日ほど経った朝、ヒイちゃんのパットに綺麗な形のウンチ。そしてトイレに座ったとたんにチョロチョロと音を立ててオシッコが!

思わず私はウンチの出たパットを持って皆に見せに走ったほど。

「見て見て!ウンチ!オシッコも出とる!」

それからのヒイちゃんは順調に綺麗なウンチが出ているし、オシッコにはやっぱり腹圧が必要だけど、でも時々はオシッコがちょっとだけ自力で出る時もある。

ウイダ—とおかゆ・バナナや潰した野菜の食事も安定して、むせなく一定量を食べられるようになってきた。

 

ヒイちゃんの老いは、どんなにあらがおうとヒイちゃんに訪れ、少しづつ老いを重ねる中でいろんな機能が失われていく。

でもヒイちゃんがヒイちゃんらしく生きていくためには、点滴や導尿という安易に医療的な手段を選ぶことをしたくはない。それが家族の願いでもあるし、何よりヒイちゃん自身がそれを望まないと確信を持っている。

だから私たちにできることは、辛抱強く時間をかけてヒイちゃんの生きる力を信じて、一緒に考えていくこと。一番よい方法を一生懸命考えることだけ。

やっぱりヒイちゃんにはお酒の力よね~と思いながら、今夜私たちはヒイちゃんの目の前に一升入った樽酒を置いた。

でも「こんだけかい?」と言うので、酒瓶2本を一緒に目の前に並べる。

ヒイちゃんの前にはお酒がいっぱい。

キラキラと目を輝かせて、ヒイちゃんは頷く。

2口飲んで今夜もヒイちゃんは夢の中。

 

医学的な理由などいらない。

ただただ生きようとするヒイちゃんに添いながら、どうすればヒイちゃんがヒイちゃんらしく生きてゆけるかを考え続けたい。

これからもず~っと。

ず~っと一緒に生きたいもんね。

ま、ヒイちゃんの場合やっぱりお酒の力は大きいなぁと思う次第。

酒臭いヒイちゃんがやっぱりヒイちゃんだなぁと思う夜。

 

 

 

 

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4月になって

2014-04-05 20:39:05 | デイサービス池さん

4月。

大頭の池さんがオープンし、宅老所の池さんの家ができて半年になる。

最初ドタバタと過ぎていたように思う2箇所のデイは、半年が過ぎて少し落ち着きを見せ始めた。

まだまだ発展中の今だけど、その中にもいろんな確かな現実を見つけることができている。

 

半年の間に、いろんな出来事があった。

さよさんとヨッシーの死は最も大きなこと。

そして入院した人も2人。

利用が増えた人もいるし、毎日来るようになった人もいる。

千葉から移住してきたまどかちゃんも、車の運転ができるようになったし小松弁も大分わかるようになってきた。

まあちゃんの老いは進み、ヒイちゃんも命を削り続ける。

げんちゃんが保育園に入園し、かんたとりょうちゃんとひよりちゃんはもうすぐ入学式。

子どもたちにとっての半年が大きな時間であると同様、年老いた人にとっても確かに大きな時間なのだろう。

 

同じ時間を刻みながら、でも決して同じ時間ではなくそれぞれの時間を生きている。

どの人も。

 

ワタクシにとって、半年という時間がどんな時間だったのか。

しみじみと振り返りたくなる雨の夜。

気持ちのほころびを静かに縫い合わせたくなる大頭の夜。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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目が~!

2014-04-03 20:02:03 | デイサービス池さん

ついにやってきました!

ワタクシ好みの花粉症の季節!!

いやっ!「ワタクシが好み」なのではなくて、「ワタクシの苦手な」ですわ!

毎年、なんとか杉の季節はクリアーしてますが、麦の穂が出始めたら・・・あ~もうダメだね!

おまけにここらあたりは麦の産地あるね!

やっぱり今年も目は真っ赤っかで、瞼は腫れて、超ブサイクなワタクシになってしまっとりますがな。

 

送迎の時に言われましたがな。

「ママさん、お花見続きでちょっと疲れてませんか~?」とね。

ここは意地でも元気さアピールせんと~。

「いえ、花粉症なんです!」

あ~~自分で花粉症を認める気の弱さ。

気が弱いのか、身体が弱いのか、はたまた心が弱いのか・・・

気も身体も天下一品丈夫だし、心臓には毛が生えてるし・・・という声がどこからか聞こえてきたような来ないような。

 

元気印の年寄りたちにこき使われて、毎日花見の支度と保育園かと間違うほどの子どもたちのわめき声の中で、赤くなった目をこすりこすり、目もとのシワを気にしながらのワーキングプア。

忘れ物しないように書いたリストはどこかへ落とし、同じ所を行ったり来たり。何をしていたのかさえ思いだせずに、冷えたコーヒーを立ったままで飲みながら、時間を気にして右往左往。

BGMを聴きながらおしゃれなティーカップで熱いコ―ヒ―を飲み、優雅に過ごす午後は・・・いつになったらやってくるのやら?

永遠にやってこない恐怖に、弱い心はおののきつつ・・・今夜も無事に一日が過ぎて行きます。

 

ヒイちゃんがおかゆをぺろりと食べた夜。

なんだかうれしく思える夜。

生きてくれることを願う夜。

 

 

 

 

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