一口に「ボケ」と言っても実はさまざま。
ていうか、今はボケと言わず認知症というらしいけど・・・認知症といったら何だかいかにも病気ですという感じで、やっぱり好きではない。年をとればボケるのは当たり前だし。
さらに言えば、ボケが認知症に変わったとたんに、ボケは治療しなければいけない「病気」になってしまったわけで。
もっと言えば、治療しなければいけない病気だと思うから、薬を処方してしまうわけで。ただの年相応のボケだろうと何だろうとかんだろうと。
話を元にもどします。
若い時からの強い性格に加え年相応にボケた人が、やっぱり年と共にいろんな症状(今までと違う状態)がでて家族は心配し病院へ連れていき、偉い先生が「う~ん、これは認知症です。今は良い治療薬がありますから、それを飲めば認知症は進行しませ~ん!」というものだから、家族は「やっぱり病気だったか」と納得して先生の言うとおり薬をきちんと飲ませ始める。
そのうち、だんだん年をとり夜中に寝ぼけて大声を出したりするものだから、家族はまた病院へ行って相談。先生は「だったら寝付きのよくなる薬を出しておきましょう」と眠薬を出す。
でもやっぱりなかなか寝ない年寄りに困った家族は、また先生に相談してもう一種類薬を出してもらう。
薬を飲んでも、年寄りは眠らない。
夜中に大声で%#○△=#&!というものだから、大きなストレスを抱えてしまう。
家族の抱えたストレスは、夜中に大声を出す・幻覚・幻聴もある・痛い痛いを繰り返す・便秘がひどい・気分が変わりやすい(不機嫌になりやすい)・・・
家族は大変だったと思う。だって、これ毎日だったらたまらないだろう。夜中は特に辛いということは、夜勤を続けていたらよくわかる。
それまでも時々泊まることはあったけど、お泊まりのたびに私たちは緊張を強いられた。ご機嫌が悪くなると回復するまで大変だったからだ。
事情があってお年寄りはしばらくの間、ここで暮らすことになった。
お年寄りが抱えていた心配事を、納得できるように説明した。
もちろん時間が経てば忘れることもあるので、そのたびに納得するように話した。
足の骨折とお尻の床ずれがあったので、どの角度なら寝つけるか、どうすれば痛く感じないか、どうすれば傷口が寝具にあたらないか、どうすれば足が動きやすいか、どのくらいの時間なら同じ姿勢が保てるか・・・
あらゆる状態の良しあしと可能性を考え、毎日詳しくデータをとり続けていった。
いろんなことが重なって、それまで飲んでいた薬(認知症の治療薬・眠薬2種類・痛み止め)は飲んでいない。
そのかわり、便秘した時だけ飲んでいた便通を助ける薬を毎食後飲むことにした。
そして、全てが目に見えて変化し始めた。
心の中で何かがストンと落ちたように、お年寄りは穏やかになってきた。
もちろん薬は飲んではいない。便秘の薬だけ。
便意・尿意があれば、いつでもトイレに連れていく。
そして便も悩まされることなく、トイレで出るようになった。
オシッコとウンチがちゃんとトイレで出るようになってから、ご飯を食べるようになった。
それまでおいしくなさそうにちょぼちょぼ食べていた食事が、さっさとたくさん食べることができるようになった。
食べるご飯の量が増えた頃から、お尻の床ずれがみるみる治り始めた。
お尻が痛くなくなって、寝るときの姿勢がよくなってきた。
寝る姿勢が改善できてから、夜まとまった睡眠がとれるようになった。
夜まとまった睡眠がとれるようになってから、昼間の気分の大きな変動もなくなってきた。
気分が安定してきた頃から、食欲が増した。
硬かった身体のイメージが、丸くて優しいイメージにかわった。
もちろんいつもではない。
時には眠らない日もあるし、機嫌が悪くなる時もある。
でも、それは人だから当たり前のこと。
誰だって、眠れない日やなんとなくイライラする日もあるわけだから。
やっぱり、いろんなことにはいろんな原因があるものだなあ~とつくづく思う。
悪意はないのに、悪循環の構図を作り上げてしまうものだなあと。
安易に対処しようとしたり病気のせいにしたり。
薬で調整されてしまうことで、本来の回復力を失ってしまった人たちを多く見てきた。
人が持っている自分の身体の変調を調整する力は、たとえ年寄りでも必ず持っていると信じたい。
人にはその力が必ずあると。
シンプルに考えれば、笑顔と食事とオシッコとウンチ。
・・・そういえば・・・ウンチといえば・・・最近便が出過ぎるまあちゃんは・・・一体どうしたものか・・・悩みは尽きなくて・・・今夜もウンチが出るのでしょうかね~?
去年の4月もいろんな出来事が重なりました。
どうやら今年の4月も、試練の時と思考の時となりました。
いろんなことをしっかり考えなさいと、神様が課題を与えてくれているのかもしれません。
身体の疲れが心に影響を及ぼさないよう、コントロールしていきたいと思います。
静かにゆっくり考えて・・・のはず、
が・・・
やっとみんなが寝た後、騒ぐやんちゃネコのさかなと今夜も戦ってます。
ネコのさかなは水遊びが大好きで、いつも飲み水をそこらじゅうに撒き散らすわけで。
これも試練試練と言い聞かせながら、午後9時にせっせと床掃除をしているワタクシです。