きまぐれ発言

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消費税8%に引き上げ発表

2013-10-03 07:09:26 | Weblog
消費税8%に引き上げ発表     (2013-10.03.)

10月1日の記者会見で、安倍晋三総理は、就任以来、最大の「決断」として来年4月から消費税を8%に引き上げる決断を発表した。「経済再生と財政健全化は両立し得る。これが熟慮した上での私の結論だ。同時に達成する事以外に私達の取る道はない」。として「断」を下したのである。

安倍総理は、「増税しながら他方で、経済対策をするのには、批判もあるかも知れない」「最後の最後まで考え抜いた」とも述べ、“苦渋の決断”であることをにじませた。

アベノミックスで大胆な金融緩和の判断も、本田悦郎、浜田宏一、両内閣官房参与らの進言で、首相自身も「上げ潮派」であっただけに、今回の増税には相当に迷った様である。

首相は、アベノミックスを動かす麻生太郎財務大臣と甘利明経済再生担当大臣を読んで、「消費税を上げれば景気は落ち込んでしまう・・・・」と切り出したが、麻生氏は「増税による消費の落ち込みは、補正予算でカバー出来ます」と切り返した。麻生氏は、増税による消費の落ち込み対策を予想したペーパーを持参し説明をした。また、甘利氏も「経済対策によって景気の落ち込みは回避できる」と増税への理解を示したと言う事です。

首相はその時はまだ、慎重姿勢を崩さず、菅官房長官共々「財務省主導の増税には絶対させない」と言う意向であった。従って、財務相幹部も増税提案は出来なかった様である。
その中にあって、政府内部の一高官が首相に耳打ちし、「世の中で『上げない』と言う期待が高まると、実際に上げる判断をした場合に市場が混乱します」と言う事であった。

「15年間も凍りついていたデフレマインドを払しょくするのは、そう簡単なことではない」安倍晋三首相は1日の記者会見で、デフレ脱却の難しさを改めて指摘した。それだけに、消費税法で定められているとは言え、今回の増税は安易には決められなかった様である。

首相は、かねてから記者会見で、「強い経済力は国の源」と強調していた。経済を強くすることが日本の国際的地位、影響力を高め、外交・安全保障上の安定に繋がると言う信念がある。
其れだけに、デフレ脱却と消費税増税という「二兎」を追うことは可能なのか。首相は最後の最後まで悩んだ様である。

そして、9月10日、閣僚懇談会で、麻生太郎財務相と甘利明経済再生担当相に対し、増税を想定した経済対策を同月中にまとめる様、指示した。そして、「増税後も順調な成長軌道を維持できる対策を」と言う注文も付けた。

かくして、甘利氏は財務省幹部を説得し、1兆円を超える減税措置を纏め、財務相の主張を代弁する麻生氏も新たな経済対策として5兆円を計上し、首長の意向を尊重した。
また、与党に対しても、菅氏が、高村正彦副総裁に「『政高党低』で進め、党を説得出来ずに国民を説得出来るのか」と苦言を呈する場面もあった様である。首相は1日の記者会見で「自民党は様々な重要課題について相当激しい議論を行った。しかし、決まればみんな纏まって一つの方向に進んで行く。これが責任与党の矜恃だろう」と言っている。
(えびなたろう)