きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

行方定まらぬ原子力事故

2011-03-29 12:50:45 | Weblog
行方定まらぬ原子力事故        (2011.03.29.)

我々素人にしてみれば原子力の事は、専門家に任せる以外に致しかたはない。日本の原子力に対する安全性は、世界一と聞かされていたので、専門家の言う事を信じて大船に乗った気持ちで居たが、ここへ来て、だんだん専門家の顔が強張って来たのが、「一体如何なるのだろう」と言う不安に駆られてきた。

内閣が発表する今回の事故も、「地震と同時に全機自動停止が行われた」と言う事で、“さすがわ”と思っていたが、津波によって、冷却用ポンプの燃料タンクが流されたと言う事で、其れぐらいなら、何とでも出来る話だと思っていたが。真相は「全ての電源が不通に成っていた」と言うことである。

それなら、早急に東北電力からでも、北陸電力からでも配線して稼動する事だって出来る筈だ。其れをもたもたしているから、冷却水の水位が下がり、最も危険な「『メルトダウン』が起こる」と騒ぎ出した。

素人には解らないが、水に漬かっていないと炉心が高温になり過ぎて、先ずウランの燃料ペレットを包んでいる、ジルコン製の金属パイプが溶け出し此れが溶け出すと水と反応して水素がたまり、其れが建屋の中で、14%以上の濃度になると「水素爆発」を起こすと言う事である。困った事になったと思っていたが、其の事故が12日の午後36分遂に水素爆発が起こり、東電と協力会社の社員が負傷している。
兎も角、冷却が最も優先されるべきだ、と一号機に海水の注入が行われた。

翌13日には3号機の冷却装置が停止し真水の注入を開始したが間に合わず3号機にも海水を注入する事にした。

14日になって午前11時01分3号機の建屋も爆発、作業員11人が負傷した、枝野官房長官は建屋は爆発しても、原子炉格納容器は堅牢性は確保されているので、放射性物質の大量飛散の可能性は低いと言う事であった。そして冷却水の放水に務めた。

ところが、今度は2号機の冷却水が減少し、炉心が露出すると言う事で、2号機にも冷却水を供給作業が行われた。

翌15日の午前6時10分2号機の建屋が爆発した、そして、4号機の建屋も爆発音がして火災が発生した、火災は一応消火した。

しかし16日の朝5時45分再び4号機から出火原因はよく判らないが、水蒸気による白煙と言うことである。

原子炉の沈静化は、「停止」「冷却」「封じ込め」の三つだと言われているが、自動停止は出来たが、冷却にこんなに梃子摺る事は、初期段階での効果的対応が出来ていないからで、炉心の「メルトダウン」を起こすように成ってからの冷却は単なる火災消火の様に行かないのが、今回嫌と言うほど見せ付けられた。

まだ、この後封じ込め作業が控えているが、目下放射能漏れで、大混乱を起こしている。
冷却水の中に汚染された放射能が漏れている問題で、取りあえず汚染された水を復水器に溜めて、作業すると言っていたが、今日の報道では、復水器が満タンになったと頭を抱へている、そして、今朝の新聞ではトレンチの水溜りが溢れそうに成っており、どうしようもない状態だと言う事です。

原子力安全委員会の人達は「非常に憂慮すべき事態になった」と言っている。またその委員長は「如何すれば良いのか其の知識は持ち合わせていない」と匙を投げた発言をしている。
所管の池田元久産業副大臣は「原発事故の行方は神のみぞ知る」と言う事態だと言って、「不適切な発言だった」と発言を取り下げている。

こうなれば、誰か決断できる人による、現状取りうる最適手段を明示し、早急に実行する以外には道は開けないのではないでしょうか。菅総理の決断に掛かっている。
(えびなたろう)