きまぐれ発言

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原子力安全委員会とは

2011-03-27 11:28:33 | Weblog
原子力安全委員会とは        (2011.03.27.)

内閣府の原子力安全委員会は国の原子力を安全に利用するため、独立した中立的な立場で、国による安全規制について基本的な考えを決定し、行政機関や、事業者を指導する役割を担っている。

従って今回の大地震に付いて危機的な状況の中で、国への助言が急務であるはずだ。
然るに、事件発生後一向に顔を見せない日が続いた。

そして、10日目、22日の国会答弁で、翌23日の記者会見で初めて顔を見せたのである。
斑目春樹(まだらめ はるき)氏:元東京大学教授がその人である。
記者団から、なぜ今まで、「顔を見せなかったのか」と問われて「官邸に助言する『黒衣役』に徹していたと言う事である。

また、斑目委員長は東京電力福島第一原子力発電所の事故に関し、「(原発設計の)想定が悪かった」そして、「原子力を推進してきた者として個人的に謝罪するきもちはある」と話している。

菅総理は22日、他の専門家2名を任命し安全委員への不信感を示していた。原子力安全委員の人事は、国会の承認を得て決められる人事で、自民党も含めた前内閣で決められていたもので、総理も不信感は持っていても、すぐには変えられない人事である。

事務局員の話では、斑目委員長は事件発生後、内閣府の執務室に連日泊り込み分析結果を官邸に伝えたり、必要な対策を各省庁に指示したりしており「会見する余裕がないほど忙しい」と言っている。しかし、与党関係者は「今やっている事は枝野官房長官の家庭教師。自分たちからは何も言わず、聞かれれば答える状態で、危機感に乏しい」と批判の声がでている。

こんなところにも、与野党のねじれが、出ていたのか解らないが、国を挙げての危機に対応する気がないという事は、今までの初期動作の遅れが物語っているように思える。

斑目委員長は、12日に菅総理と現場視察に同行し、首相に「水素爆発は起きない」と説明している。
その他、原子力委員会は、海洋生物への影響に付いても「排水口付近では濃度が高いが、魚介類に取り込まれるまでに潮流に流されて拡散、希釈される、またヨウ素は半減期が8日と短いため、人間が食べるまでには相当低減していると考えられる」と言っている。

一方海洋生物環境研究所では、「濃度が高いと魚類が取り込んだ放射性物質が体内で最大で海水の30~50倍の濃度まで蓄積されることもある、半減期が30年のセシウムは心配が残る」と言っている。そして、今後も継続的な広域調査の必要性を強調している。
(えびなたろう)