きまぐれ発言

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原子炉の冷却に懸命!

2011-03-19 10:59:54 | Weblog
原子炉の冷却に懸命!         (2011.03.19.)

兎も角原子炉が、自動停止したまでは良いが、燃料棒の冷却作業が上手く行かない事には、温度上昇による、炉心のメルトダウンが、起こり、有害な放射線汚染を来たす、最悪な状態になる危険性がある。 従って、東電の安全マニュアルでは、冷却ポンプにより冷却水を送り込む事が作業手順として教育されて着ている。

然るに、予想を遥かに超える津波の高さが14メートルであったため(想定7メートル)、場内電源が全て不能になり炉の制御が不能の状態になった。そして、此れを「想定外の事故」として諦め、水素爆発が起こった時点で、オペレーターの健康を害する、可能性があると判断し、早々に全職員の撤退を内閣に申し入れたと言う事です。

政府は、「想定外の事故」であっても、燃料棒の冷却を行う事に、何らかの手立ては無いのかと、オペレーターに“ゲキ”を飛ばし、万難を配して冷却作業の敢行を命じたのである。その手段として、1)早急に外部から電源を引き込む作業、2)その間にも、ヘリコプターで上空から冷水を掛ける、または、地上から消火用ポンプで、放水すると言う方法が提案され、一昨日から準備作業と共に実施される事になった。

菅総理も、東京電力のオペレーター任せでは、駄目だと判断し、北沢防衛相と東京都に依頼して、ヘリコプターで空から、高圧放水車で地上から、原子炉内へ冷却水を送水する事を提案、「東電・政府一体化の災害対本部」を発足して、対策行動に入った。

原子炉の安全休止には、「停止」「冷却」「封じ込め」の三つが最も重要な要素で、緊急の停止時には、この3項目の作業が、確実に出来るよう、環境の条件がどの様な状態であっても実行できる様、バックパップ機能は、十分考慮して設計されて居る筈である。

然るに今回の場合、当初の情報では冷却ポンプに使う燃料タンクの流出だけが、問題視されていたので、「その程度のことなら」と安易に思っていたが、実際には関連施設を動かす電源の停止が問題だったのです。

従って、先ずは電源回路の回復をと、急遽外部からの電源回路の復旧工事に入った。そして、その間、炉心の冷却には、不十分ながらも、ヘリと圧力放水で、冷却水の供給を続ける事になったのです。

昨日からの経過では、電源回路は本日中(19日中)に回復が見込まれ、その間までの炉心冷却を放水で持たせる見通しが、出来たようなので、少しは見通しが明るくなったような状態である。でも、最後まで完全停止と言う所までは、まだ安心とは言えない。

東電のオペレーターも其れなりに一生懸命に遣ったと思うが、「マニュアル教育」しかされて無いのか、想定外の事故には、全く手が出ない状態のように思える。

初期情報が、的確に流れておれば、早くバックアップも手が打てて、一週間も掛かる事は無かったと思う。
(えびなたろう)