きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

中国の民主化の行方は

2011-03-08 09:31:09 | Weblog
中国の民主化の行方は       (2011.03.08.)

中国の全国人民大会(全人代)が先週の土曜日(5日)から始まった。温家宝首相の施政方針演説(政府活動報告)で、インフレ抑制が今年優先事項と言うことで、4%に抑える事を表明した。
また、2011~2015の第12次5ヵ年計画に於ける経済成長率目標は年平均7%に設定、2011年の成長率8%、財政赤字は対GDP比2%を目指すとしている。そして、2015年のGDPは55兆元を超えると言う想定で、これはアメリカのGDPの約半分に達すると述べている。

恩首相は、中国の経済力は引き続き堅固で、「市場には多大な需要があり、資金供給は潤沢で、科学や教育の全体的レベルは上がっている」と表明している。
しかし、恩首相就任の8年間の間では、むしろ所得格の拡大は大きくなり、来年度には指導部の交代を前にして、目標通りに行くかどうかは、疑問を持たざるを得ない。

中東や北アフリカの民主化の波は、日に日に中国へも迫ってきている。恩首相の計画目標は一党独裁の共産党体制の下で、どの様に改革を進めるのかは、何の具体的提案は示されていない。

現実に、国民の不満は、違法な土地収用問題や、住民の強制立ち退き問題に現れており、国民と当局の衝突事件は年に10万件に及ぶと言われている。

高速鉄道網整備に辣腕を振るった鉄道相の収賄問題では、解任される事件にまでになり、幹部の腐敗問題は、ますます深刻度を高め、幹部の家族が権力に便乗して暴利を得る問題も、表面化している。

今年度の国防予算に付いても、李筆星報道官は前年度比12.7%と二桁の増額を行い6,011億元(約7.5兆円)になると報道している。此れには、周辺諸国に不安と脅威を与えている。

なぜ、こんなに防衛費が増額されるのか、国外よりも国内騒動を予定しての強化かもしれないが、民主化に向けた改革とは全く逆行する物である。

表現の自由を行政が優先して、国民に先導するのが、豊かな社会の構築に繋がるもので、中国の民主化の行方は、一党独裁の共産党政権下では、全く計り知れないものがある。
(えびなたろう)