国家戦略局に期待 (009.09.10.)
鳩山新政権の最大の目玉は、「国家戦略局」の新設だ。今までの自民党との違いも国家戦略局の運営の仕方によって大きく違いが出てくる。
その「国家戦略局」を担当する大臣は菅直人氏がまだ正式ではないが概ね決定的のようである。
国家戦略局に掛ける期待は、国の行政を、今までと違って政府と党が一体となって政策決定をするというものであり、自民党が今まで遣ってきた、「経済財政諮問会議」と似ているが大きな違いがある。
諮問会議と言うのは、自民党政権の中で政策決定がなされ、其れを内閣が承認して閣議決定する形を採って来たもので、決められる流れの方向が全く違っていると言う事である。
自民党の遣ってきた方法では、先ず諮問会議の中で、大枠の政策が決められるから、内閣の上位に経済財政諮問会議が存在する。
諮問会議の中では、族議員の発言が非常に強く、支配的な力を持ち、其れによって決められた政策は、内閣もそれに順応した行政をやらざるを得なくなるのである。
そしてこの流れに、官僚が入り込み、予算の決め方においても、大枠の中に納まるよう財務省主計局が調整すれば、それで全てが決まる方式を取って来たのが今まで自民党が行って来た遣り方である。
この様な流れの中では、官僚は事前に族議員に財源その他の根回しを行い、族議員は官僚に口利きや陳情に応じる事を要求すると言う、悪い慣行が自然に出来上がって行ったのである。
今回鳩山新内閣での「国家戦略局」は政・党の政策を一元化して、予算の決め方についても、マニフェストに沿った優先順位に従って、予算を配分し、財源の有効利用と共に透明性の高い、トップダウン形式の予算配分が行われると言う形態を採る事である。
従って相当に財政的な知識を伴う人材が必要で、官僚にも強い菅直人氏が当たる事になったのである、菅氏は厚生大臣の時代、薬害エイズ問題で、官僚による資料の隠蔽を暴き、国民の前にオープンにした実績は当時国民から高い評価を示した実績がある。
今までの自民党は、半世紀以上に亘る政権与党の中で、実行部分を全て官僚に任せ、政策部分は「経済財政諮問会議」と言う、族議員支配の会議の中で決められてきた事が、慣例となり、次第に民意をはなれ、特定の業界・財界のためだけに行って来た政治は、国民に犠牲を強いるものとなり、其れが国民の生活に暗い閉塞感を与えてしまったのである。
従って、自民党には、族議員と言う、特定団体の利益代表的な議員の存在が、政策の中に強い力を発揮する事が、総理と言えども頭が上がらない状態を作っている。歴代総理は、短期間で何人も代わってきたが、官僚の腐敗と、税金の無駄使い等々、改革しようと思っても出来ない状態を作ってきたのは、族議員の存在によるもので、政・官・業の癒着した利権の構造が幅を利かしてきたからである。
今回の選挙結果は国民が下した答えの現れである。
自民党の、両院議員総会の状況をテレビで放映していたが、相当な与党ボケが抜け切らない人達の集まり様に思える。そして、落選したのは、若い未来のある議員が多く、残ったのは古参の議員で、何等かの団体代表の族議員ばかりだから、此れでは自民党に再生の道は無いのではないかと思われる。
(えびなたろう)
鳩山新政権の最大の目玉は、「国家戦略局」の新設だ。今までの自民党との違いも国家戦略局の運営の仕方によって大きく違いが出てくる。
その「国家戦略局」を担当する大臣は菅直人氏がまだ正式ではないが概ね決定的のようである。
国家戦略局に掛ける期待は、国の行政を、今までと違って政府と党が一体となって政策決定をするというものであり、自民党が今まで遣ってきた、「経済財政諮問会議」と似ているが大きな違いがある。
諮問会議と言うのは、自民党政権の中で政策決定がなされ、其れを内閣が承認して閣議決定する形を採って来たもので、決められる流れの方向が全く違っていると言う事である。
自民党の遣ってきた方法では、先ず諮問会議の中で、大枠の政策が決められるから、内閣の上位に経済財政諮問会議が存在する。
諮問会議の中では、族議員の発言が非常に強く、支配的な力を持ち、其れによって決められた政策は、内閣もそれに順応した行政をやらざるを得なくなるのである。
そしてこの流れに、官僚が入り込み、予算の決め方においても、大枠の中に納まるよう財務省主計局が調整すれば、それで全てが決まる方式を取って来たのが今まで自民党が行って来た遣り方である。
この様な流れの中では、官僚は事前に族議員に財源その他の根回しを行い、族議員は官僚に口利きや陳情に応じる事を要求すると言う、悪い慣行が自然に出来上がって行ったのである。
今回鳩山新内閣での「国家戦略局」は政・党の政策を一元化して、予算の決め方についても、マニフェストに沿った優先順位に従って、予算を配分し、財源の有効利用と共に透明性の高い、トップダウン形式の予算配分が行われると言う形態を採る事である。
従って相当に財政的な知識を伴う人材が必要で、官僚にも強い菅直人氏が当たる事になったのである、菅氏は厚生大臣の時代、薬害エイズ問題で、官僚による資料の隠蔽を暴き、国民の前にオープンにした実績は当時国民から高い評価を示した実績がある。
今までの自民党は、半世紀以上に亘る政権与党の中で、実行部分を全て官僚に任せ、政策部分は「経済財政諮問会議」と言う、族議員支配の会議の中で決められてきた事が、慣例となり、次第に民意をはなれ、特定の業界・財界のためだけに行って来た政治は、国民に犠牲を強いるものとなり、其れが国民の生活に暗い閉塞感を与えてしまったのである。
従って、自民党には、族議員と言う、特定団体の利益代表的な議員の存在が、政策の中に強い力を発揮する事が、総理と言えども頭が上がらない状態を作っている。歴代総理は、短期間で何人も代わってきたが、官僚の腐敗と、税金の無駄使い等々、改革しようと思っても出来ない状態を作ってきたのは、族議員の存在によるもので、政・官・業の癒着した利権の構造が幅を利かしてきたからである。
今回の選挙結果は国民が下した答えの現れである。
自民党の、両院議員総会の状況をテレビで放映していたが、相当な与党ボケが抜け切らない人達の集まり様に思える。そして、落選したのは、若い未来のある議員が多く、残ったのは古参の議員で、何等かの団体代表の族議員ばかりだから、此れでは自民党に再生の道は無いのではないかと思われる。
(えびなたろう)