きまぐれ発言

日々変化する世の中をみて、私はこう思う。

鳩山内閣の方向性

2009-09-06 12:52:46 | Weblog
鳩山内閣の方向性        (009.09.06.)

鳩山由紀夫の「私の政治哲学」と言うのが発表され、その根源となっているのは、クーデンホフ・カレルギーの「博愛」思想で、祖父の鳩山一郎が戦後首相になる寸前で、アメリカ占領軍による公職追放となり追放期間中にカレルギーの「全体主義国家対人間」と言う本を翻訳する過程で「自由と人生」と言う本を出版している。そして健全な議会制民主主義を提唱している。

孫である鳩山由紀夫氏はその教えを受けており、それ自体は、アメリカから攻撃を受けるものは一つも無いが、その考え方の延長の中に、アメリカ発のグローバリズムと言う名の市場原理主義に翻弄され続け、行過ぎた金融資本主義が、道義と節度を喪失してしまい人間は目的ではなく手段におとしめられ、尊厳を失っている事に危機感を表明しているのである。

従って、通常のアメリカ人ならば、サブプライムローン問題に端を発した世界金融危機は、訳の解らない金融商品の取引や、「レバレッジ」と称する暴利が得られる取引が過熱し其れが破綻した事を考えれば、鳩山論文は的を得ている反省論文ではないかと思われる。

日本においても小泉政権の取った政策は、アメリカの言うグローバリズムの流れを受け入れた政策で、鳩山論文の中では「郵政民営化も長い歴史を持つ郵便局とそれをささえてきた人々の地域社会での伝統的役割りをあまりにも軽んじ、郵便局の持つ経済外的価値や共同体的価値を無視し、市場論理によって一刀両断にしてしまった」と言っている。

彼の論文を読む限り、今までの自民党が遣ってきたことは、市場経済至上主義(グローバリズム)一辺倒で、弱肉強食の競争社会を支持してきたもので、それが弱者切捨て強者優遇の政策に現れている。

厚生年金問題・後期高齢者問題・子育て補助金のカット・派遣労働者制度等々、将にその政策に対して、「人間尊重」の政策を唱えた民主党に、今回の選挙は、明確に国民から支持が得られ大勝利を果したのである。

友愛の思想は、左右両極端な行過ぎた思想を排除している。従って、夫々国の経済は歴史・伝統・習慣・経済規模・発展段階等々を反映した中で行う事が必要であるが終始根本にあるのは人間尊重の思想である。
(えびなたろう)