きまぐれ発言

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インドの核輸出規制の例外化問題

2008-09-07 12:00:32 | Weblog
インドの核輸出規制の例外化問題       (008.09.07.)

今朝の毎日新聞で、ウイーンで開かれた「原子力供給グループ」(NSG)45カ国の会議で、核拡散防止条約(NPT)の非加盟国であるインドを輸出規制の「例外扱い」とする事を全会一致で承認したと報じられている。

原子力供給グループの会議は「核不拡散条約」に不参加のインドが核実験を行なった事に端を発し原子力技術や核燃料物資の輸出による拡散を防止する為に、原子力先進国が1978年に作られた会議である。

然るに今回、NPTに不参加のインドに対してアメリカがインドと原子力協定を結び関連設備の輸出を行なうべく「例外扱い」にする事を持ち出した。無論反対する国々も当然あったがアメリカのブッシュ大統領が、自分から各国に直接説得工作を行ったと言うから、どのような話を持ち出したかわからないが、結果は全会一致承認されたと言う。

承認された瞬間も普通なら拍手が沸く筈が会場に沈黙が支配したと言うから、真に不可解な会議の結末である。
NSGの会議は全会一致が原則だと言う事から此れに消極的であった、ニュージーランド・オーストラリア・アイルランドなどは、不満の中で承認を強要させられたのであろう。

日本も態度不明にしていたが、アメリカ一辺倒の国だから当然賛成を表明した事だろうと思うが、唯一の被爆国である日本としても、これに承認した事は、今後北朝鮮への核問題について廃棄を迫る事も難しくなるであろう。

ブッシュ大統領も、任期中に核ビジネスの販路拡大を狙ったのか、少し無謀な事をした物だと思う。インドだけを例外扱いにすることは、今後、パキスタン・北朝鮮・イランに対しても、今まで以上に説得は難しくなるものと思われる。

アメリカの本音は、新興国の代表であるインドを味方につけることと中国に接近させない事であると思うが。非拡散防止体制にも大きな亀裂が生じる事になり今後に一層の混乱が予想される。
(えびなたろう)