2024年6月12日(水) 季節の用語と熱中症
梅雨入りや、熱中症が話題になる季節だが、今回は、季節の用語と、熱中症のことを取り上げる。
◆季節の用語
暑さ寒さに関して、以下の気象用語がある。
・夏日 最低気温が0度以上 水が温み、魚達が動きだす
真夏日 最高気温が25度以上 やや汗ばむ季節
猛暑日 最高気温が30度以上 かんかん照りの暑さ (酷暑日は俗語のようだ)
熱帯夜 最低気温が25度以上 暑さで寝苦しい夜
東京都の猛暑日は、長期的に見ると下図のようで、増加傾向にある。
ここ数年でも、下図のように、傾向は同じで、年々、暑さが増しているようだ。
・冬日 最低気温が0度以下 朝方が寒くなり、氷が張ることも
真冬日 最高気温が0度以下 日中もかなり寒い
札幌では、平年の冬日日数は、124.8日で、真冬日日数は、45.0日とある。
東京では、平年の冬日日数は、20.5日で、真冬日は、1967年以降、無いと言う。
日本では、暑さに関しては、色んな用語があるが、寒さに関する用語だが、筆者の思い付きだが、猛暑日に相当するような寒さの日で、最低気温が、例えば、マイナス10度以下の日は、「厳寒日」としたらどうだろうか。わが国では、季節の挨拶で、厳寒の候、極寒の候という言葉が使われているので、面白いかも知れない。
日本では、札幌では、往時は、-28.5度まで下がったことがあるが、近年は、都市化によるで、ヒートアイランド現象などで、寒さが緩和されているようで、この用語が使われる機会は、稀にしかこないかも知れない。
・季節の変化の推移
季節の変化と用語との関係は、以下のようになるだろうか。
立春を過ぎるころから、次第に暖かさが増し、最低気温が0度を越える、夏日が現れる。
5月頃から、日中の最高気温が25度を越える真夏日が多くなる。
最高気温が、30度を越える猛暑日は、7月から多くなり、眠れない熱帯夜が続く。
秋の彼岸過ぎ頃から、涼しさが加わり、朝方は、次第に寒くなる。
最低気温が0度以下となる、冬日には、水面に氷が張る。
◆熱中症
熱中症とは、高温多湿の環境によって引き起こされる、体調不良の状態の総称おことという。熱中症は、人間の動作との関連で、二種類に分類されることがある。
・非労作性熱中症 :日常生活の中でおこる熱中症
・労作性熱中症 :スポーツや仕事などの活動の中でおこる熱中症
(参照:熱中症 - Wikipedia.html)
また、熱中症の種類としては、以下のようなものがある。
・日射病
・熱痙攣(けいれん)
・熱疲労
・熱射病
対処法としては、救急搬送後は、医療機関に任せることとなる。
搬送以前に異常が感じられた場合は、水分補給や、適切な冷房使用などが求められる。
熱中症による救急搬送数は、全国的にも(下図)、東京都内でも、上昇傾向のようだ。
◆WBGT
・提案
WBGTとは、Wet―Bulb Grobal Temperatureの頭文字であるが、1954年、アメリカ カリフォルニアの海軍訓練所の、ヤーグロウ(Yaglou)と、ミナード(Minard)により、蒸し暑さを表す指標として提案され、その後、1982年に、ISOで規格化され、日本を含む、各国で使われている。
・下図のような測定装置で3つの温度をはかるようだ。
(参照:環境省熱中症予防情報サイト 暑さ指数(WBGT)の測定方法など詳しい情報.html)
ここでの3種の温度は以下
湿球温度 湿った布をかぶせた温度計で測定 Tw
NDT:Normal Dry―Bulb Temperature
湿球のまわりの気化熱で温度が下がる
黒球温度 黒い球の中の温度計で測定 Tb
GT:Globe Temperature
黒球で周辺からの輻射熱を測定する。
乾球温度 通常の温度計で測定 Ta
NDT:Normal Dry―Bulb Temperature
・計算式
これらの温度を用いて、WBGTを計算する、計算式は以下。
0.7×Tw+0.2×Tb+0.1×Ta (屋外での測定時)
湿度の効果 輻射熱の効果 気温の効果
計算では、湿度の効果が、極めて大きいようだ。
WBGTの単位は、℃だが、指標としては、単位無しで使われる場合も多いようだ。
◆熱中症予防の行動指針
熱中症予防のために、WBGTを用いたいくつかの行動指針が、公表されている・
・日常生活面については、下図。
・学校で運動を行う時などの運動指針
WBGTが31を超えた場合は、運動は原則中止とある。
ネットには、ほぼ同様の、下図のような記事が、いくつか出ている。
・WBGTと熱中症患者発生率との相関を示したのが下図で、WBGTが、29~30になると、患者発生率が急激に高くなるようだ。
真夏には、30℃を超える日もあり、このWBGTと気温とを、混同しそうだ。
まだ6月半ばなのに、今日は、30℃を超えた地域もあったようで、いよいよ、熱中症の季節である。
熱中症に罹ることのないように、我が身や家族の行動に気を配りながら、日々を過ごすこととしたい。