2024年6月8日(土) 世界の総選挙 3
先日、下記の記事で
世界の総選挙 1 (2024/6/2) (Q12)
世界の総選挙 2 (2024/6/4) (Q13)
その1では、7月4日に実施すると公表されている、イギリスの総選挙を取り上げた。
その2では、5月末に行われた、南アフリカの総選挙について述べている。目下、連立政権の話し合いが進められているだろうか。
本稿は、シリーズものの最後として、インドの総選挙を取り上げ、締めくくることとしたい。
◆インドの政治体制と総選挙
*インドの政治体制としては、形式的な大統領がいるが、実権は、首相に集中している。
議会は二院制で、上院のラージャ・サバーと、下院のローク・サバーから成る。
下院の任期は5年で、定員は、543名だ。今回の下院議員選挙は、任期期限前に実施されている。
*総選挙の投票スケジュール
インドの総選挙は、世界最大のお祭りとも言われ、有権者は、10億人にも上るようで、500を越える選挙区で、4
月から6月にかけて、選挙区をずらしながら、下図のように、投票日を7回に分けて実施しているようだ。
インドの国土はかなり広いが、時間は一つで、時差はないようだ。
開票作業は、6月1日に、全国一斉に行われたようだ。
*3期目をめざす、モディ政権は、下院の過半数には届かなかったが、第1党は確保し、与党連合との連立政権を構成す
るようだ。下図は、モディ首相。
8日には、首相就任の宣誓式を行う予定と言う。
(参照:インド モディ首相 連立協議開始 8日に宣誓式見通し 地元報道 _ NHK _ インド.html)
◆インドの地位
世界の中でのインドの地位だが、伝統的に、中立政策をとってきたが、近年は、したたかな外交政策で、全方位外交を
標榜しているようだ。
グローバルサウスの盟主として、指導力を発揮する一方、日、米、豪、印の4カ国による「QUAD」のメンバーとして、西側諸国とも関係している。
人口では、昨年、中国を抜いて世界一になったようだ。
(参照:インド人口、中国抜き世界最多に 今年半ばに14億2860万人=国連 - BBCニュース.html)
下図は、インドと日本の人口分布の比較だが、インドは、若年層が多く、中位年齢が若い。(参照:1からわかる!なぜインドは世界3位の経済大国に?人口14億を原動力に成長のワケ|NHK就活応援ニュースゼミ.html)
インドでは、インド工科大学など、理数系の若手人材が豊富で、世界中から引っ張りだこ、のようだ。
これには、筆者の私見だが、イギリスの植民地だったことから、英語を自由に話せる環境も影響しているように思われる。
経済力では、下図のように、日、独などを上回って、2027年には、世界3位になるという。残念ながら、図のデータの出所は不明だ。
2027年どころか、2050年の予測値を出しているサイトもあり、この時点では、インド、インドネシア、ベトナムなどの新興勢力が、大きく成長すると見ているようだ
(参照:PwC、調査レポート「2050年の世界」を発表 先進国から新興国への経済力シフトは長期にわたり継続‐インド、インドネシア、ベトナムが著しく成長 _ PwC Japan)
◆インドの将来
国内の、ヒンズー教とイスラム教の対立や、国境を巡る中国との紛争などもあるが、若年層の占める割合が多い、インドの将来は、明るいといえよう。
自由と民主主義を掲げる国情の、インドの将来の発展に期待したいものだ。