2024年6月10日(月) 佐渡島の金山
つい先日、佐渡島の金山の世界遺産登録に関し、イコモスから、「情報照会」について連絡があったと報道された。
イコモスからの情報連絡に関しては、以下の4つの区分があるようだ。
「勧告」 「情報照会」 「登録延期」 「不登録」
この中で、「勧告」は、提出した推薦書通り、そのまま登録されるが、「情報照会」は、指摘された事項を修正し、イコモスの意向に添えれば、登録の方向となるようだ。
今年、7月21日~31日に、インドのニューデリーで開催される予定の、第46回世界遺産委員会で審議されるようだ。
順調に進めば、今委員会で登録されると言われている。
日本から提出した推薦書では、「佐渡島の金山」は、以下の、2つの構成資産からなっているようだ。
(参照:世界文化遺産目指す「佐渡島の金山」イコモス 情報照会の勧告 _ NHK )
・西三川砂金山(にしみかわさきんざん)
・相川鶴子金銀山(あいかわつるしきんぎんざん)
佐渡島の主な金銀山の歴史は下表のようで、これらの位置を、佐渡島の地図上で示す。
今回提案した推薦書での構成資産は、西三川砂金山と、相川金銀山となっている。
相川金銀山のシンボル的な景観が、下図の、道遊の割戸(どうゆうのわりと)である。競って手掘りで進めた結果、山頂から、図のような大きな隙間ができたようだ。
イコモスは、「完成された手工業で、採鉱と製錬技術を継続した、アジアで例を見ない事例として、世界遺産への登録を、考慮するに値する」としている。
一方、今回指摘されている事項は、以下の3点という。
・完全性、真実性を満たすため、江戸期より後の証拠が大部分を占める一部の地区を除く
こと
・相川鶴子金銀山の資産を保護するための地域を沖合に拡張すること
・鉱業権の所有者が商業採掘を再開しないという明確な約束を示すこと
指摘事項の具体的内容は手許に無いので不明だが、これらについて関係者が、真摯に取り組むことが期待される。
また、“鮮半島出身の労働者が。強制的に働かされた場所だ”として、韓国が反発した経緯があり、これについても、政府の丁寧な対応が求められる。
数年前、佐渡金山に関し、以下の記事を投稿したことがある。
佐渡金山 世界文化遺産推薦へ (2022/2/1) (T44)
この時は、すんなり登録されると期待していたのだが、理由は不明だが、実現せず、今回、
再チャレンジする事態になっている。
我が国の世界遺産は、現在、4件の自然遺産と、20件の文化遺産がある。
佐渡金山が、無事登録され、21件目の文化遺産となることを期待したい。