2014年8月14日(木) 電気ポットが使えない!
○長年愛用して来た、Z社製の3リッター入り電気ポットが、先日、急に給湯が出来なくなった。
水を入れて、コードを繋ぐと、自動的にお湯が沸いて保温状態になるまではいいが、ロックを解除して、給湯ボタンを押しても、湯は、一滴も出てこないのだ。
電気ポット 操作面
取扱い説明書を探し出して調べたところ、内蔵の電動ポンプで湯を汲み出し給湯しているようだ。説明書のトラブルの項で給湯不良を見ると、通常の操作ミスの類(たぐい)だけで、今回のケースに該当する記述は無かった。
でも、他の項に小さい字で、水道水中のカルキ成分で、ポンプが目詰まりする可能性もあるように書いてあるので、然らばと、一旦ポットの湯を空っぽにして乾かし、調べて見た。
内容器の底部に、湯をポンプへ引き込むための、小さな穴があり、そこに、金網製の容器ネットが付いている。これを外してよく診ると、薄茶色のカルキが、金網の半分程にびっしりと付いている。でも、湯が通らないような状態ではないがーー。
このカルキは、たわしやブラシでは、到底取れるものではなく、千枚通しで、金網の目ごとに、根気よく突っついて、あらかたのカルキを剥がした。 この状態で、改めて水を入れて再度湯を沸かして見ると、沸くまでは正常だが、やはり、給湯ボタンは作動せず、湯は出ない。
これまで、全く知らなかったのだが、電源コードをポットに繋ぐ横に、長方形の窪みがあり、良く見たら、乾電池式の給湯機能であることを、今にして発見。 もしやと思って、電源コードを外して、乾電池だけで給湯してみたが、残念ながら、状況は変わらなかった。
電気ポットを使うようになって久しく、現機種を手に入れたのは、少し前になるだろうか。これまでの故障歴としては、昨年だが、「上ぶた」が良く閉まらず蒸気が漏れる状態になったことがある。ネットで調べたら、部品として、上ぶたの内側に付ける、「内ぶたパッキン」なる消耗品があり、近くの電気店で取り寄せてもらい取り替えたら、綺麗に修理出来ている。 でも、今回のような故障は初めてである。
①故障の原因は不明だが、先ず考えられるのは、指定の薬剤を使って、クエン酸洗浄をこまめにやらなかったことで、給湯ポンプにカルキが詰まってしまったのかもしれない。が、改めて、380円程のこの薬剤を取り寄せて洗浄するのも面倒だ。
と思っていたら、自宅に、日本薬局方の立派なクエン酸があったのである! ワイフKが、紫蘇の葉から、香りのいい鮮かな赤いジュースを造るのに使っているようだ。
早速、説明書の通りに、秤で30gを計量し水に溶かし、ポット一杯の水に混ぜて湯を沸かし洗浄を行った。約、1時間30分も掛かる。洗浄完了の合図で、緊張しながら、ロックを解除して、給湯ボタンを押して見たが、残念なことに、湯は出てこなかった。 しつこく、同じ事を、もう一度繰り返して見たが、結果は変わらなかった。
② 再沸騰が完了して保温状態になる前に、待ち切れずに給湯ボタンを押すと、湯に蒸気が混ざって出が悪いことが、これまで、時々あったのだが(説明書にも、再沸騰中は湯が出にくいとある)、今回の故障も、この操作直後に起こっていて、急に湯の出が良くなったと思ったら、完全に止まってしまったようだ。このような、変則的な使い方をしたことが、もう一つ考えられる、故障の原因になったのかもしれない。
昔、手押しポンプで、暫く使わなかった時などに、汲み上げが出来なくなることがあったものだ。この時は、「呼び水」と称して、水を加えながらハンドルを動かすと、水が汲み上がって来る経験を何度かしている。
この理屈は、水を入れることで、隙間が塞がって、ポンプ内と大気圧との圧力差で、地下水が汲み上げられるということだろうか。 ポットの中の給湯ポンプにも、同じ様なメカニズムがあるだろうか。
給湯機能が駄目なこの電気ポットだが、正常な湯沸かし機能を生かして使おうとすると、沸いた湯は、ポットを傾けて注ぎ出す必要があり、極めて使いづらい。また、ポットを立てたままだと、湯を柄杓(ひしゃく)等で掬う必要があり、これも又、厄介だ。
メーカーのサービスセンターに電話しても、全く繋がらなかったし、生憎、お盆休みでもある。
こんなことで、次項にあるように、電気ポットの代替手段で対応すれば、大きな支障はないことでもあり、当分、修理は見合わせることとした。
○わが家では、朝のサイフォンコーヒーは、長年の習慣だ。これまでは、前の晩、寝る前に、電気ポットの湯の残量を確認して、省エネにしておけば、翌朝起きた時は、湯が湧いていて、コーヒーが淹れられる仕掛けである。
又、時々、日本茶や紅茶を飲んだり、インスタント食品を食べる時の給湯にも、電気ポットを便利に使って来ている。
電気ポットが使えなくなった応急の対応として、台所のガスレンジで、薬缶で湯を沸かすコンベンショナルな方法でやってみることとした。最近は、ほとんど使っていなかった薬缶だが、台所の奥から、久々の出番となった。
サイフォンや、カップ麺用に必要な湯量は、2人分で、精々、1リットルもあれば良い。薬缶に1リットルの水を入れて、ガスで沸かすのには、10分もかからないのだが、でも、沸くまでじっと待っている時の長いこと!
出番が来た薬缶
湯を沸かす手間では、電気ポットは手間要らずだが、薬缶は、少し面倒になる。
一方、給湯のやりやすさを比べると、薬缶は、シンボルでもある長い注ぎ口があることで、ポットに比べて、湯がかかって火傷する心配がなく、格別に注ぎやすいことを、改めて実感した次第(特に口の小さいサイホン等へは)。
暑い夏場では、薬缶の世話になるのは、火を使うことで、やや辛いのだが、この季節は全体としては、余り湯を使わないことは幸いでもある。
暫くは、以前に逆戻りする、電気ポットの無い生活をして見ることで、大げさに言えば、便利さに慣れている現代のライフスタイルを、或る意味、見直す機会になるかも知れない!
次稿では、身近かな生活の中での、お湯を巡る変化について、眺めて見ることとしたい。