つれづれの記

日々の生活での印象

地球の地図と図法  1

2015年04月05日 17時37分05秒 | 日記

2015年4月5日(日)  地球の地図と図法   1

 

 

  先日まで、小説「赤毛のアン」に関連して、当ブログで、カナダのことを話題にした。

カナダの地図によっては、北極に近いカナダ北部(ヌナブト準州、ノースウエスト準州)が、譬えれば、トナカイの角のように/カリフラワーが開いたように、見えるものもある。このことで、カナダの広大さが、強く印象にあり、隣にあるグリーンランドも、相当広く見える。  

果たして、実際はどうなのか、筆者には、かなり以前から、気になっていたことだ。

  このことは、地図を作る時の図法(投影法)とも、深く関係する事で、地球の地図と、地図の図法について、当ブログで、何回かに分けて取り上げることとしたい。  

 

  本稿では、手始めに、北米大陸の地図で、図法による違いを比べてみることとし、その後、身近な世界地図の話題に進みたい。

多数ある地図の図法の原理や詳細については、今後、稿を改めて取り上げる予定である。

 

◎図法による違いー北米大陸の姿

  カナダ北部・グリーンランドを含む北米大陸の地図を、

      ①メルカトル図法(正角円筒図法):方位角が正確  高緯度地域ほど面積が拡大される 

      ②ランベルト図法(正積方位図法):面積が正確   周辺部は形が歪む

で作ったものが、下図である。(ネット画像より引用)

  両図のスケールは、余り正確ではないが、双方を比較すると、①では、高緯度ほど拡大される状況がよく分かり、ネットには、グリーンランドは、①は、②より17倍も拡大して表示されるとある。(メルカトル図法 - Wikipedia

同様に、カナダ北部の北極諸島も、実際より、相当拡大されて表示される事が分る。 

      

                             ①メルカトル図法                                              ②ランベルト図法

 

◎世界地図

  地球全体を表す世界地図には、勿論、各種図法が使われているが、主なもの幾つかを、以下に例示する。 

 

◇メルカトル図法の世界地図

  学校の地図帳の見開きに載っていたり、室内に掲示する大きな世界地図には、下図の様な、メルカトル図法で作成されたものをよく見かける。(ネット画像より)

 

   この図法の地図は、先に述べたように、各地点での方位角が正確で、格子状に形が整っていることから、国や地域の表示が分りやすく、今も良く使われるようだ。

 

  でも、この図法では、赤道に近い低緯度地域の形状は正確だが、地球の北極、南極に近い、高緯度地域になるほど、前項の北米大陸の地図で述べたように、実際に比べて、極端に距離が伸びて形が歪み、面積が広くなるという、大きな欠点があると言われている。 

 上記地図でも、カナダ北部や、グリーンランドや、シベリア北部は、実際より、かなり拡大して表示されている。この地図を見慣れてしまうと、高緯度地域は、かなり広大だという間違った印象を持たれやすいのだ。

  この欠点を補うためか、上の地図の下部右には、北極、南極周辺を上空から撮影したような、円状の部分地図(外射方位図法?)が載っている。これらの地図では、縮尺ははっきりしないものの、両極周辺はかなり小さく、これが実際に近いものだろうか。オーストラリア大陸は、グリーンランド島よりも、実際は、3.5倍も広いと言われる。 

  また、下部左には、複合した図法である、グード図法(正積円筒図法等の組み合わせ)による世界地図が出ていて、歪は少なくなっている。でもこの図法では、地球が引き裂かれたような印象になる。

 

  メルカトル図法による地図は、距離、面積が歪むという欠点があるのだが、経線、緯線が直交し、方位角が正確なことから、地図上の2点間を直線で結んで、方位角を一定にした航海ができるので、特に、羅針盤頼りの往時は、船舶の航行などの海図として、利用されたという。

 

◇ミラー図法の世界地図

 メルカトル図法で、高緯度地域が極端にひずむ、という欠点を修正するよう工夫されたものの一つが、ミラー図法(円筒図法の一種)である。

この図法の地図は、手持ちの地図帳にも載っているが、面白いことに、大阪堺市の中百舌小のHPからリンクされている世界地図が、この図法による下図だ。 北極周辺に関しては、歪がかなり改善されている(南極大陸は異常のままだが気にはならない)。

  

 子ども達向けの教材としては、こちらの地図の方が望ましいだろうか。(堺市立中百舌鳥小学校 のホームページ

  

◇モルワイデ図法の世界地図

 モルワイデ図法(正積円筒図法)と言うのもあり、この図法で作成した世界地図は、以下のようなもので、地球が楕円状に表示される。(ネット画像より)  周辺ほど形は崩れるが、面積は正確という。主に、世界の分布図等に使用されている。  

 

◇正距方位図法の世界地図

  下図左は、よく目にする国連旗である。中央に描かれている地図は、北極を中心として、正距方位図法によって描かれた世界地図で、両側をオリーブの葉で支えているデザインだ。球状の地球を、平面上に見事に展開し、地球の一体性を表していて、国連向け!? と言えようか。

  実は、この図法での、北極を中止とした世界地図は、正しくは、下図右のようになる。  

  北極の上空から見た地図だと、通常は、最大で、北半球だけになるのだが、この地図では、赤線の赤道を越えて、南半球まで含めた世界全体を表せる所が魅力だ。

でも、南に行くほど横長に歪み、北極の反対にある南極が、南極大陸内にあるため、南極大陸が地図の円周を覆うように広がってしまう。

このため、国連旗では、南緯60度までを表示し、それ以南の南極大陸は、地図の周囲から削除してあるようだ。

 

  この図法の地図では、円の中心からの方角と距離が正確に求められることから、実際の用途としては、円の中心を出発地とした、航空機の運航図等に用いられるようだ。


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