ケイの読書日記

個人が書く書評

益田ミリ 「ほしいものは なんですか?」

2016-02-11 14:16:51 | Weblog
 「すーちゃん」で人気の益田ミリのマンガ。
 主要な登場人物は3人。40歳既婚のママと、その一人娘の小学生、そしてママの義理の妹(ダンナの妹)のタエちゃん。お話は、この小学生の女の子の目を通して描かれている。

 ママは、実母が入院しているので、お見舞いに出掛けるときに、タエちゃんに娘を預ける。タエちゃんは35歳独身で、最近自分でマンションを買ったので、もう結婚する気はないと、周りから思われている。
 会議の資料を作ったり、パソコンで計算したりする一般事務の仕事だが、きちんとした会社らしく、ちゃんと有休も取れる。だいたい35歳でマンションを買うためのローンを組めるんだもの、そこそこの給料をもらっているんだ。
 このタエちゃんが、素敵な大人なんだよね。
 姪っ子から「タエちゃんは、なりたいものになれなかったの?」と質問されると、「なりたいものに なりたいわけでもないんだよ~」「なりたいものになってる人ばかりじゃ、世の中てんやわんやになっちゃうしね」と答える。
 次に姪っ子から「タエちゃんも若くなりたい?」と聞かれると「若い方がお得」「いろいろ大目にみてもらえたり、おごってもらえたり、そこにいるだけで値打ちがあるっていうのかな」「でもね、そんな値打ちって たくさんはいらないと思う」「(値打ちがある若い期間は)短くてちょうどいい」  ね、至言でしょ?!
 
 若くて可愛い女の子は、どんどん入ってくる。だから座り心地のいい、若くて可愛い子向けの椅子に、いつまでもしがみつかず、そこから降りてキチンと仕事しよう!!って事が言いたいんだよね。


 それに比べると、このママの方が揺れているなぁ。家のローンももうすぐ終わるし、旦那の給料もまあまあで、子供は可愛いし、みんなに幸せって羨ましがられるのに、現状に不満たらたら。それを打破するため再就職しようとするが、そうそう希望する職が見つかるわけでもない。
「家事に支障が出ない範囲」「家族に迷惑がかからない範囲」といった制約にもイライラ。
 だったら、旦那が「リストラされそう。僕が家事をするから、君が働いて給料もらってきてくれ」と言い出したら、ママは大喜びでせっせと働くだろうか?

 家庭があるなら、男も女も制約があるのが当り前。むしろ男の方の制約の方が多いと思うけど。文句ばかり言わず、置かれた場所で咲いてください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする