「桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活」の続編。続編が出るなんて、この桑幸シリーズって、やっぱり人気あるんだ。面白いものね。
定員割れが続き、あと数年で廃校になるだろうと噂される、たらちね国際大学(千葉県)。そこで、日本文学を教えるクワコーこと、桑潟幸一准教授。
彼のダメダメぶりを、芥川賞作家・奥泉光が克明に描写する。
クワコーの専門は太宰治らしいが、黒板に太宰の漢字が書けなかったこともあるほど、退化している。
その彼が、試験の答案を紛失してしまい、困って、顧問をしている文芸部に2万円で答案の回収を依頼。文芸部は見事!回収に成功する。
ここら辺は、首なし死体も、密室も、時刻表も出てこないが、立派な正統派推理小説。なんて言ったって、文芸部には、ジンジンこと、名探偵・神野仁美がいるのである。
ただ、この神野仁美、影が薄い。前作ではそうでもなかったが、この続編では、他の文芸部の登場人物(ギャル早田、ナース山本、オッシー、ドラゴン藤井、木村部長、モンジ、その他大勢)に完全に食われてしまってる。
彼女は、ホームレス女子大生で、大学の隣の森の中に、ブルーシートで家を作り住んでいるので、バイトに忙しく、あまり紙面に出てこないのだ。事件が起こると、事情を聴くだけでサッと解決! 一種の安楽椅子探偵ですね。
ただ、この小説のミステリ比重はさほど高くなく、メインはクワコーのデタラメぶりや、文芸部員のキャラを愛でる事なので、ジンジンの名探偵ぶりにページ数をあまり使わないのは、仕方のない事だろう。
しっかし、クワコーの担当する『日本文化の諸相(2)』の講義は、DVD『男はつらいよ』シリーズを見せる事らしい。確かに、フーテンの寅さんこそ、戦後昭和の日本文化を代表する人物だろうが、私大だもの、年間100万円の授業料を徴収しているんだから、もっとマジメにやれよ!!と言いたい。
定員割れが続き、あと数年で廃校になるだろうと噂される、たらちね国際大学(千葉県)。そこで、日本文学を教えるクワコーこと、桑潟幸一准教授。
彼のダメダメぶりを、芥川賞作家・奥泉光が克明に描写する。
クワコーの専門は太宰治らしいが、黒板に太宰の漢字が書けなかったこともあるほど、退化している。
その彼が、試験の答案を紛失してしまい、困って、顧問をしている文芸部に2万円で答案の回収を依頼。文芸部は見事!回収に成功する。
ここら辺は、首なし死体も、密室も、時刻表も出てこないが、立派な正統派推理小説。なんて言ったって、文芸部には、ジンジンこと、名探偵・神野仁美がいるのである。
ただ、この神野仁美、影が薄い。前作ではそうでもなかったが、この続編では、他の文芸部の登場人物(ギャル早田、ナース山本、オッシー、ドラゴン藤井、木村部長、モンジ、その他大勢)に完全に食われてしまってる。
彼女は、ホームレス女子大生で、大学の隣の森の中に、ブルーシートで家を作り住んでいるので、バイトに忙しく、あまり紙面に出てこないのだ。事件が起こると、事情を聴くだけでサッと解決! 一種の安楽椅子探偵ですね。
ただ、この小説のミステリ比重はさほど高くなく、メインはクワコーのデタラメぶりや、文芸部員のキャラを愛でる事なので、ジンジンの名探偵ぶりにページ数をあまり使わないのは、仕方のない事だろう。
しっかし、クワコーの担当する『日本文化の諸相(2)』の講義は、DVD『男はつらいよ』シリーズを見せる事らしい。確かに、フーテンの寅さんこそ、戦後昭和の日本文化を代表する人物だろうが、私大だもの、年間100万円の授業料を徴収しているんだから、もっとマジメにやれよ!!と言いたい。