ケイの読書日記

個人が書く書評

島田荘司「龍臥亭幻想」(上)(下)

2008-08-31 10:01:34 | Weblog
 もともと龍臥亭事件と言う事件があって、その8年後、同じ場所を訪れた石岡が再び事件に巻き込まれる、という設定。

 いつものようにスウェーデンにいる御手洗に電話で助けを求めるのだが、御手洗は後半ほんの少ししか出てこない。それも声だけ。
 だから石岡君1人で、お話を上手く引っ張る事ができるんだろうか心配だったが、結構面白く読めた。


 衆人環視の神社から神隠しのように消えた巫女。切断された遺体を鎧兜におさめると、悪人を成敗するために森孝魔王として甦る謎。 
 どうしてこんな事が起こりうる? という謎をそれなりに論理的に解決している。トリックに関して言えば出来が良い。


 この作品には、本編の他、色んな伝説やら昔話やら手記がはめ込まれている。本編は面白く読めるが、その他の挿入話が…ねえ。
 島田荘司って色恋の話が本当に下手だね。つまらない。

 『ロシア幽霊軍艦事件』でもアナスタシア(と自称する女性)と日本の軍人との恋物語が書かれていたが、あまりにもつまらないのでその箇所はナナメに読み飛ばした。
 この『龍臥亭幻想』でも、奥方と使用人の情事が描かれているが…うーん。


 私はミステリ以外の島田荘司の作品を読んだ事は無いが、やっぱりイマイチなんだろうか?
コメント (3)
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