ひとこと・ふたこと・時どき多言(たこと)

〈ゴマメのばーば〉の、日々訪れる想い・あれこれ

『自分の未来を殺すこと』

2018-08-05 06:08:54 | 日記
《彼ら彼女らは子どもをつくらない、つまり「生産性」がない》
との持論を展開した杉田水脈衆院議員に対しては、数多い方達からの非難・批判が
寄せられています。
この問題に関して、毎日新聞は、中島岳志東京工業大教授の論説を掲載しています。
私も、共感いたしましたので、ここに引用させていただきました。

 《 今回の問題で中島さんは、石原慎太郎氏が東京都知事だった2001年に、
  「女性が生殖能力を失っても生きているというのは無駄で罪」などと発言し、
  批判を浴びたケースを想起したという。
  中島さんは言う。
  「石原氏は後年、インタビューで脳梗塞の後遺症の悩みを打ち明けた。
  自身に迫る肉体的な衰えにおびえ、繰り返し『怖い』と語った。
  『不要なもの』とみなしてきた存在に自らがなろうとし、自身の思想に自らが
  殺されているように見えた。
  人は誰もが少数者や弱者になり得る。
  誰かを『不要』と断じることは、未来の自分を殺すことでもある」
その上で
  「石原氏のような存在に『ざまあみろ』という言葉を投げては暴力的な発想を
  加速させる。
  僕らの社会は彼らも救いながら自己責任論の悪循環を避けていかなければならない」と
  強調した。 》 (毎日新聞2018年8月1日 17時47分)※赤書変更 筆者

〈人は誰もが少数者や弱者になり得る〉
この言葉に、私が若かった頃の思い上がりを たしなめてくれた労組の委員長を思い起こし
たのです。
心身ともに若く無知な私は、
『歳をとっていたり、仕事の効率が悪い人たちは、給料を下げてもいいんじゃ
ないですか、その方が、社会のため、会社のためにもなると思うんですけど』と、
委員長に言ったのです。
その時の委員長の言葉です。
以前、このブログに書いたものですが再掲いたします。
  《人間はすべて、早死にしなければ、必ず老いる。
   目も手足も、頭の働きだって鈍くなる。
   つまり、「えさ」を取る力が弱くなってくる。動物も同じだ。
   しかし、動物と違うのは、人間社会の共同体は、老いた者も、若いものも、
   男も女も、大人も子供も、助け合って社会を担っていることだ。
   それは、弱肉強食にならず、多くの人たちが平和に暮らすためのあり方だ、
   と俺は考えている。
   あんたもな、いずれ結婚して、子どもができる。子どもを育てるには手間ひまが
   かかる。
   仕事を休まなければならないことも、起きてくる。
   そんな時、仕事の効率が悪くなるからといって、職場から排除されたらどうする。
   人は、必ず老いる。
   若くても、病を得て弱者になることもある。
   それもこれも、みんなが支え合う、そんな社会が、俺は好きだ。》
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2 コメント

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相互扶助:共生 (A.S(たわごと的オピニオンの))
2018-08-05 11:14:16
連日の猛暑にもう少し温度が下がって欲しいと願い日々です。
委員長の言葉は素敵ですね。人間が長い歴史の中で試行錯誤を繰り返した末に獲得した相互扶助・共生の叡智だと思います。そこには真のヒューマニズムを見る思いです。ヒューマニズムと言うとこの言葉の解釈にはいろいろな受け取り方が有るようですが、現に私なども若かりし頃、あらゆる生物の中でなぜ人間だけが優位性を主張できるのかなどの疑問的考えの時も有りましたがそれはそれで哲学的思索に任せて。
石原氏などの考えが論理的に成り立たないのはもっと早く気理解してほしいものです。要はその時現在の自分の優位的立場でしか思考しないからでしょうにと。
《みんなが支え合う、そんな社会が、俺は好きだ》が圧倒的多数な社会になって欲しいです。
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息づいている言葉。 (〈ゴマメのばーば〉)
2018-08-05 16:15:58
こんにちは。
当方、夕方になって雲が広がって来ました。
ジリジリ暑さではありませんが、やっぱり暑い。
私を諭してくれた労組の委員長は、どちらかと言いますと右寄りな方で、私などは少し物足りなさを覚えていたのですが、《みんなが支え合う、そんな社会が、俺は好きだ》、この言葉は、今でも私の中に息づいています。
60歳ちょっとで亡くなってしまいました。
生きていれば、お礼を申し述べたい方の一人です。
腰痛、和らいでくれれば嬉しいですね。
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