小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

長女、母島へ帰島しました(4/23便)

2020年05月08日 | カナダ留学 長女
■「最後の東京を通過する日が一番緊張した。生きた心地がしなかったよ」
16歳の長女がカナダの公立高校留学をしていて、
たったひとりで日本とカナダを往復し、一番緊張した移動の時はいつだった?
という質問からの言葉でした。

色々ご心配をかけておりました。
カナダの高校に留学していた長女ですが、
4/22東京発のおがさわら丸で島に帰島しました。

本日、5/7に母島に帰島して2週間が経ちます。
これで新型コロナの感染が疑われる期間を脱した状態となりました。
とても人恋しがる長女。
約2mソーシャルディスダンスを維持しなければいけません。
まだまだ島においても新型コロナウイルスの脅威はなくなっていません。

母島に帰って来るまでの日本国内での1ヶ月は、
東北の高齢者が同居していない親族が長女を受け入れてくれました。
自分たちの感染リスクなどを理解した上での受け入れの申し入れ、
本当に有難かったです。

往復の新幹線は驚くほど乗客が数人しかいなかったそうです。

この歴史に残る出来事の最中、
長女にとっても貴重な1か月になったと思います。

そして、帰国~帰島に関しても多くの人のフォローがあって、
長女は無事に帰島する事ができました。

どんなに感謝してもしきれません。
本当にありがとうございました。


■16歳の未成年がたった一人でカナダ~東京~東北~東京~小笠原と、
新型コロナの感染の恐怖に怯えながら、移動をする。

本来であれば、不要不急の移動を避けるべきなのですが、
未成年が外国で高齢の義父と二人暮らしを続けるにはあまりに酷な状況でした。

カナダでは彼女は一人で運転もできないし、
宿泊も法律では認められていないのです。

仮に日本国内だとしても、感染リスクがある未成年を預ける所は本当に限られます。

僕の場合はこれが成人して暮らしているなら、
動かずに自粛生活を続けていくようにしたでしょうが、
やはり未成年というのは責任も行動もまだままならない立場なので、
不要不急ではなく、急を要すると判断し、母島に帰島することを決めました。


■カナダ留学している16歳の長女を帰国させると
決意したのは3月26日頃だったと思います。

アメリカでも爆発的に感染者が拡大し、
各飛行機の運休が増えていく中、
長女のカナダの公立高校も休校となりました。

帰国を決めて、飛行機を手配しようとしていたら、
なんとカナダの国内線がどんどん運休になってくるではありませんか!
ギリギリ3/28の昼過ぎにバンクーバーに飛ぶ飛行機を取る事ができました。
しかし前日になって、その便はコロナで運休となり、早朝の便に変更となりました。

まさに本当にギリギリな状態でした。

長女が住んでいるポートハーディーから最寄りのコモックス空港まで車で片道4時間。
深夜の出発になってしまったのです。
運転してくれたケヴィンに大感謝です!!

コモックスからバンクーバーに飛び、飛行機を乗り換えて成田へ。
バンクーバー→成田の機内はほぼ満席で、そのほとんどが日本人で、
留学生がとても多かったそうです。

この時点でのカナダからの帰国は特に厳密に隔離する状況ではありませんでした。
しかし、そのまま小笠原に帰島するのはあまりに高リスクでした。
島にコロナウイルスを入れる可能性は出来る限り排除しなければいけません。

週に一度の船のアクセスしかない小笠原。
保護者である私たちは帰国を決めた段階で迎えに行く日数が無く、
内地に迎えに行くタイミングを逃していたという背景もありました。

成田に着くと成田空港は普段からは考えられないほどにガラガラ。
空港で働く友人が迎えてくれました♪
ほんと感謝です(*^。^*)

すぐに電車に乗り換えて一路、東北へ。
電車の中もガラガラ。

そこで東北の親戚のお宅が温かく迎え入れてくれて、ありがたい1か月を過ごします。
本当にありがとう!


■そして長女が乗ってきた4/22東京発のおがさわら丸は、乗船客が36名の便。
信じられないことに観光自粛が宣言されても、
乗ってきている観光客らしき人達が数人いたと言っていました。

長女は通過する東京では一切店にも寄らず、
船内でも自販機を触るなどのことは極力控えてもらい、
食べもの飲み物はすべて感染者の少ない東北で購入しての移動でした。

長女曰く、この1年間の島~内地~カナダのたった一人の長距離移動の中で「一番緊張した時」という東京通過。

東京の友人や宿に相談しつつ、一番公共交通で人がいないと思われる時間帯を狙って移動しました。
意外にも平日午後の東京はそれなりに人との距離を置きつつも、
マスクもしないで駅を歩く大人は東北よりははるかに多かったそうです。

東京で初めての一人宿泊。
宿の部屋に着いた瞬間、色んな備品を消毒しつつも、とてもホッとしたようです。
そりゃそうですよね。
中身は16歳の女の子。
精一杯頑張ったと思います。

本来であれば友達に会ったり、外食を楽しむ絶好の機会ですが、
今回は完全にお預けです。
逆に滅多に経験できない体験をしていますね。


■母島に帰って来てからは、
2週間は完全に食事もトイレも風呂も部屋も家族とは徹底的に別で過ごしました。


人恋しい彼女にとっては人に会えないのがとても辛いようでしたが、
その現代生活とは一線を期したサバイバル生活は、
彼女のスキルを飛躍的に向上させました♪

日々畑で、薪を拾い、煮炊きを繰り返します。
まきストーブ暮らしのカナダとは、薪のテクニックが違います。
こちらは野外、しかも雨季。

雨が続く気配なら、薪は多めに拾わなけれな行けません。
「これが昔話の“しばかり”なんだね~」
など言いながら、日々生活力を身に付ける2週間。


元々、炊飯器も電子レンジも使えない長女(笑)。

長時間暖を取る薪ストーブと、調理の薪の扱いは違います。
これは素晴らしい経験になったと思います。
基本的に僕はコツを伝えて見守るだけ。
彼女が手間取れば手間取るほど、食事の時間は遅れて行きます。

薪でご飯を炊くのも、汁物を作るのも、炒めものもするのも習得しました♪
これで人として一皮むけましたね(*^。^*)

そして、ヤギや烏骨鶏と戯れつつ、畑仕事に勤しむ日々。


人のいない海にもよく泳ぎに行きました。

梅雨近くなり、内地では考えられないほどの湿気の母島。
汗ばむ体はじっとりと不快な状態。
それを払拭する美しい島の海の気持ち良さ♪

人の少ない暗い時間での山域方面への長距離散歩。
星や月、時にはコウモリを眺めながら
娘と色んな話をしました。

カナダでの日々。
はじめてのカナダの登校。
小笠原高校とカナダのPHSS高校の比較。
同級生の話。
自分のやりたいことが分からない話。

とても貴重な時間だったと思います。

カメラが大好きな彼女。
色んなカメラの技術についても幾つかは伝える事ができました。
自分の持っているカメラで星空を撮れた時に本当に嬉しそうでした♪


焚火をしながら、炎に目を向け、
今日一日に感謝し、語り合う日々。
きっと石器時代の小笠原の民の親子もも同じような炎を見て、話していたのだろうなぁ。
いつも火は古代の記憶と繋がっている気がします。

朝日を全身に浴びながら、ヨガをする。

美しい夕陽を見に行く。

大自然に包まれ、人混みとは皆無な母島の暮らしはなんと有難いことかと思いました♪
自然に感謝の念が沸いてきます。

やはりピンチはチャンスなんだなと思わされます。

沢山の命が奪われているので、
こういうと語弊があるかも知れませんが、
新コロナのお蔭で気付かされたことがいっぱいあります。


■カナダの高校は、少なくとも新学期が始まる9月までは休みだと考えられています。
素晴らしいことに、3月の休校の段階で彼女の10Grade(高校1年生)はもう1日も学校に行かなくても進級は認められています。

学校が再開すればカナダに戻るつもりはあります。
学校はオンライン授業を進めてくれています。

正直、現段階で小笠原高校が再開すれば、カナダの学校が再開するまで通う選択肢があります。

それは自宅隔離期間でもある2週間を終えたので、
これからじっくり考えていく事でしょう。


■子どもの日には妻と次女が美味しいちまきを作って届けてくれました?
妻はいつも季節の行事というものをとても大切にしてくれています。


我が家のローゼルゼリーを使ったフルーツポンチも美しく、とても美味しかったです(#^.^#)

あの美しい紅色が化学反応でエレガントな紫に変わっているのも良かったです。


畑でこうして距離を置いて、食べます。
去年の夏以来、家族4人で揃って食べれる有難み♪

舞台は外だし、距離は置いていますが、やっぱり嬉しいです。
次女のお姉ちゃんに久々に会えた興奮ぶりは、
その嬉しさを物語っていました?

家族全員、体調を崩すことなく、この日を迎えれたことに感謝です(*^。^*)


■この2週間、超楽しみながらも人と会う機会を我慢に我慢を重ねた時間でした。
この会えない時間が、さらに人と人の距離を近づけます。

GWを終えた今、島でもどんどん新型コロナに対する緊張は緩んでいくでしょう。
しかし、観光客が完全にゼロになっておらず、
帰島した島民、来島した仕事の人達が2週間の外出自粛、共同生活者との隔離を実施できなければ、
島が安全と言い切るには判断が厳しいと思います。

長女が散歩などで集落などに行く際にも、
ソーシャルディスダンスを守って行動してもらいます。

僕は島のような田舎で、自然が溢れる場所では、
室外にまったく出ないのは良くないと思っています。

人との距離を置いて、公共交通を使わず、人混みを避け、その中で、
身体を動かし、お日様の光を浴びて、大自然を味わうのは、
長期化するであろうコロナの影響で健康を損なわないためにも重要だと思います。

最後に事態が深刻化したニューヨークの現状の発信。
ニューヨークも日に日に状況が変わり、ロックダウンして1か月以上経過しています。
ピークは過ぎた状態のようです。

詳しい情報を元に発信しているニューヨーク在住のゆかこさんの動画がとても参考になります。

ぜひご覧ください!


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