小笠原諸島・母島ジャイアン ブログ  -GIAN'S HAPPY BLOG-小笠原諸島・母島で自然農&便利屋

小笠原諸島・母島で持続可能な暮らしを目指しています。

その中や暮らしで学んだことを紹介したいと思います♪

本当に大丈夫?小笠原の夏のコロナ対策

2020年06月01日 | 新型コロナ(COVID-19)
■6月になりました。
5月25日に東京などの緊急事態宣言が解除となり、
段階的に新型コロナに対する規制が緩くなってきています。
それは島の生活でも感じられるものです。

6/1現在、
個人的に少し小笠原の中で、コロナ対策の方向性が分かれてきたのを感じました。
今回はその点に触れたいと思います。

父島の小笠原観光協会と小笠原村の方針に相違が発生してきているように思えるのです。
母島観光協会にも確認したのですが、母島観光協会は小笠原村の方針に従うとのことでした。

父島の小笠原観光協会が5/29の段階で村とは別の方針を打ち出しているように感じました。
父島の方に確認しても「母島とは別の方針」ということでした。

要約すると
・6月は3航海以上滞在できる人は来島OK(2週間は宿に基本隔離)
・7月からは通常通り、すべてのお客さんを歓迎する!

ということになると思います。
(もちろん事態が悪化した場合は、この限りではないと書かれています)

おがさわら丸の7月のチケットの発売(5/28)に合わせて発表したようです。
それを受けて、7月のおが丸のチケットの状況をネットで見ました。

見事に7/21東京発から特2以下が満席になって来ています。
(その前の7/19内地行きも満席!!島の人も内地!?)

おが丸とはは丸は新コロナ対策で定員を半分としました。(おが丸800→400人、はは丸160人→80人)
明日6/2入港のおが丸も20人以下と聞いているので、この増加の仕方は恐ろしいほどです。

島の人が7月に内地に大勢行くのも、心配なところです。
これは夏休みの遊びだけでなく、緊急事態宣言が解除されたことによる通院などもあるそうです。

今、北九州などで無症状のクラスター(集団感染)が発生している状況です。
こんなたった1か月後に通常通りお客さんを受け入れるのが、正直とても不安です。

そして、父島は通常通り受け入れ、母島は基本宿は受け入れない体制のです。
(厳密には、どちらの島も両方の意見が挙がっているそうです。)

この差に僕はとても不安を感じました。
現在も父島から母島への仕事の出張は続いているからです。
その人達に対して、母島に来ることに怯えなければいけないのでしょうか?


■ここで少し整理してみます。

私達が済む小笠原村では内地とは状況が違うので、独自の方針を打ち出しています。
それが現段階の2つです。
5/22発表 新型コロナウイルス感染症に係る今後の村内生活・経済活動の対応について
5/29発表 小笠原村における社会生活・経済活動の再開に向けた行動指針について

村の施設利用に関しては、6/1に発表になりました。段階的に使えるようになってきました。
村民の行動指針についてはこちらです。

4月からの他の島を先駆けて発信された小笠原村、両島の観光協会の自粛要請の内容は、
とても慎重できめ細やかな先鋭的ものだったと思います。

6/1段階で今の所、小笠原で新型コロナを疑われる感染発生はゼロです。
無症状とかあるかもしれませんが、これはとても有難いことです。

これらもすべて4月上旬からの強い不要不急の来島、上京を自粛するよう要請してきた成果、
それに従って来て、それぞれが気を付けてきた成果だと思います。
ありがとうございます!

特に観光業に関しては壊滅的な経済的損失を受けており、とても深刻な現状です(もちろん第1次産業も)。
まだ休業補償すらされていない方も沢山いるようです。
しかし、自分たちの生業よりも、島民の命を優先してくれた父島と母島の観光業の皆さんには、本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
本当にありがとうございます。

そんな中、小笠原観光協会が発信した内容がこちらです。



■僕は観光業ではないし、コロナの影響で収入が激減してもいない立場です。
本当に無責任な立場だと思います。
観光業の人達が本当に切迫しているのはよく分かります。
その補償を僕が担えるわけでもありません。
なので強い意見なんて言えるわけもなく、ただ心情を伝えたくてこの記事を書きました。

だけど、450人の小さな母島に住む人間として、
介護の仕事に携わる身として、
この小笠原観光協会の方針はとても不安になったことは事実です。

何故なら、その6月の受け入れも7月の“通常通り受け入れる”も、
その来島者が感染していないという前提で構えているように感じるからです。

仮に感染していても、2週間外出自粛すればいい、という意見もありますが、
おがさわら丸という公共交通を24時間利用する、2時間ははじま丸を利用するのは避けられないのです。

父島の観光業の方とも連絡を取りましたが、
補償に頼ってばかりじゃ続かないし、
第2波が来ることも覚悟している。
でも、その隙間でもいいから経済活動しないと厳しい。
とのことでした。

丁寧に答えてくれて、すごく理解できました。
すごく村とも観光業者とも揉んだと聞きました。

行政任せでなく、自分たちできちんと考え行動する観光業の皆さんを素晴らしいと思います。
来島自粛の発信の開始も終了も行政より先に観光協会が発信しているのです。

僕はそこに対して、もちろんNOと言える立場ではありません。
だけど、そこに不安を感じていることは事実なのです。

その7月から通常通り受け入れることで、仮に島で感染が広がったらどうするのか?と。
逆に観光どころか、島の全ての活動が止まってしまう危険、島のお年寄りなどの命を脅かす危険をはらんでいると思うのです。
怖がり過ぎでしょうか?
僕はただのイチ島民でしかないので、大した効力はないと思うのですが、
今一度、このままでいいのかをみんなが考えることが必要と思うのです。


■これだけ、無症状や長い潜伏期間が伴うやっかいな新型コロナにおいて、
島の医療環境はとても脆弱です。
人工呼吸器の数も少ないし、緊急搬送は要請から到着まで10時間近くかかる僻地です。
島ではPCR検査ですら、まともにできない状況のままなのです。

僕個人的には
・まず観光業の人達、コロナで経済活動に困っている人達を補償で十分に補償する。
・島の医療体制を強化する(島内PCR検査の導入)
・島内で感染者が出た場合の具体的なシュミレーションを実施し、可能な限り穴を埋める。
・島民のコロナに対する意識のアンケートを取りまとめる(どう不安かを聞く)
・内地からの不要不急の来島、内地への上京を内地が落ち着いてから最低2ヶ月は待ってから判断する。
・おが丸+ははじま丸乗船時の検温、PCR検査の徹底(唾液で検査できるものが開発されている)。
・内地から来た来島者は島民であれ、業者であれ2週間は宿で隔離(家族がいる自宅に入れない)
・以上を島民にきちんと周知する
・島民がいたずらに不安にならず、正しい怖がり方が出来るようにオンラインでレクチャーを実施する
以上を実施して、初めて安心して暮らせる気がするのです。

それでも、内地と人が行き来している事実はあるので、
島にコロナが入る可能性はゼロにはなりません。

でも可能な限りゼロに近づける事ができると思うのです。

そして同時に、島にコロナが入った時のシュミレーションを行うこともとても重要だと思います。
役場などの行政機関の機能、
農作物、海産物の流通、
学校など教育機関、
医療機関に介護施設、
水道や電気、ガスを支えるインフラの皆さん、
保育園やちびっこ、
貴重種を守る自然保全の活動
etc.....
それぞれが島であらゆる感染が広がった時に対処する準備をしなければいけないと思います。

今、大丈夫な時だからこそ、
ワクチンの開発がまだまだ先となる長期化が予想される状況の今、
気たるべきその時を可能な限り先延ばしにする意味もあるし、
島内感染に備えて準備するタイミングだと思うのです。


■行政がしてくれることを受け身でただ文句を言ってまっているだけ、
これはあまりにもったいないと僕も思います。

コロナの今だからできることを最大限やっていっていいと思います。
赤木でキーホルダーを作ったり、

Youtubeで動画配信してみたり、
オンラインで情報発信、
島の探索、
内地から人が呼べない業者の人材として手伝う、
色んなスキルを通信で学ぶ、
島の達人に色んなスキルを学ぶ、
島で色んな有料の勉強会を行う、
普段なかなかやらない別業者の仕事にチャレンジetc

ピンチはチャンスだと今でも思っているので、どんどん新しいことにチャレンジしていけばいいと思うのです。
そこに人に不安を与えない範囲で。
今は外部から人を呼ばない範囲でがベストと僕は思っています。


■最後に父島の観光協会の発信は
すごくみんなで考えた答えであることはよく分かりました。

確かに補償は有限だし、まったくもって持続可能ではない。
島外に資本もエネルギーも食料を依存している自立していない小笠原です。
まさに課題でしょう。

だからこそ、島が真の自給を目指す必要性はよりハッキリとしたと思います。

第2波までのほんの少しに観光客を呼び、利益を得るのも、
仮に感染が島で発生するのも、ワクチンがすぐにできない現状で、
いつまでも補償できないでしょうから、現実的に考えれば致し方ないとも思います。

そこに対して、とても不安があると伝えたいのです。

そして、仮に島で感染が広がった場合について、本当に丁寧にシュミレーション、
訓練を行い、今何が足りなくて、何を用意できるのかをみんなで動きながら考えたいです。

現在、緊急事態宣言が解除できるほど新規感染者が減ったのは、
みんなが外出自粛をした結果が2週間遅れで出ているに過ぎません。
緩んだ今、また2週間以内に一気にぶり返すと僕は心配しています。

暖かくなれば落ち着くインフルとは違い、今はまだワクチンもない新型コロナ。
すぐにまたパンデミックになると思うのです。

ロックダウンと解除を繰り返して、緩やかに抗体を持った人を増やし、
少しずつ経済を回していく手法は理解できるのですが、
医療の乏しい小笠原の島においてはもっと慎重にしなければいけないと思うのです。


とてもバランス、調和が大事だと思うのです。
ほんとやってみないと分からない現状だと思います。
今回の父島の観光協会も、沢山論議した上での苦渋の決断だったと思います。

自粛警察と言われるように、人を責めるのもよくないと思います。
何が正しいかなんて、人それぞれだからです。
みんなが幸せに暮らせることを目指して、提案していけれればと思っています。

何かを否定する時は、必ず現実的な提案を添えてしようと心掛けています。
島のみんなが無事にコロナを乗り切れることを祈ってます。

この決定が吉と出るか凶と出るか…
これはやってみないと分からないです。
僕は通常に戻すのは早すぎると思っています。

充分な補償をして、夏をしっかり島外に出ない、入れないがベストと思っています。
色んな意味で島はこれからが本当の勝負だと思います。

自分たちにできることはより3密を避け、
屋外でも人が集まらないようにして、集まるところには行かないようにして、ソーシャルディスダンスを守り、
屋外で体を動かし、健康で仮に罹患しても乗り越えられる抵抗力を備えていかなければいけないと思います。



追伸
5/21 ついに母島にもアベノマスクが届きました!

相当、みんなマスクを手作りできているので、
今さら感は拭えませんが、見た感じはさほど酷い品質でもなく、
何度も洗って使えそうな普通の品質に思えます。

島の商店ですが、サージカルマスクを普通に販売できている状況ですが、
緊急事態宣言が解除されて、緩んだ後、おそらくまた感染者は増えて、再度、緊急事態宣言が発令されると思います。

島は、緩んだその時こそが本当の勝負と思います。
その時の為にこのマスクは有難く、大事に取っておこうと思います。

あの世界中でマスクが不足している中、布マスクを全国民に配布する事自体はいいことだと思います。

しかし、その時の業者やお金の不透明さ、政府の休業補償もしない中での長期の自粛要請をした中で、マスク2枚を配布しただけ政策はあまりに陳腐でした。

逆に各都道府県がそれぞれに一気に活動したわけですが、
トップの力量が見事にそれを露呈したと思います。

これもみんなが選挙で選んできた結果だと思います。

コロナで大変な最中、賭博麻雀をしていたという黒川・東京高検検事長の辞任も、
あれだけ定年延長をごり押ししようとして、却下し、
その挙句に辞めれば済む問題なのかと思います?問題はそこではなく、マスコミとの癒着なのでは?

「私が責任をとればいいというものではない。この事は真摯に受け止める」など、問題をスルーして、
議事録を廃棄して、まるで責任を取らないスタンスの政府は、無関心な国民の象徴だと思います。
マスコミの視聴率優先の情報鵜呑みもそろそろ見限ってほしいと思います。

このコロナのお蔭でさらに色々あぶりだされましたと思います。
私達は、子ども達の平和な未来を築くために次の世界の段階にシフトしていかなければと思います☆

目指せ、精神の自立です(#^.^#)


●新型コロナウイルス感染症に係る今後の村内生活・経済活動の対応について
2020年5月22日(金)小笠原村

基本的な考え方
 政府による緊急事態宣言は、5月末で解除される可能性がありますが、新型コロナウイルス感染症への警戒は引き続き必要な状況にあります。
 政府や東京都の方針においても、緊急事態宣言解除後の様々な行動の緩和については、感染防止対策をとったうえで段階的に行っていくことが示されております。
 本村では皆様のご協力のもと、様々な感染症防止策を講じ、これまでのところ感染の疑いがある事例は発生しておりません。

 また、新型コロナウイルス感染者が発生したときに村で取り得る医療面での対策は、徐々に改善されており、感染疑いについても問診や検査などで総合的に判断できる体制になっています。しかしながら、しっかりとした治療は、中等症以上の症状の方は本土への急患搬送に頼らざるを得ないなど、医療体制に限りがあることに変わりはありません。

 したがって、国内では多くの地域で緊急事態宣言が解除され、社会生活、経済活動の再開の動きが活発になっていますが、小笠原村では慎重な見極めが必要です。

 3月の連休明けの感染者増や韓国での集団感染の再発生を見ても、手放しで、制限のない村民生活の再開や小笠原に来島者を迎えることはできません。国や都においてもワクチンの開発や治療法の確立による新型コロナウイルス感染症の克服には時間がかかると考えており、少なくとも今後一年程度は水際対策や個別の感染対策など、あらゆる関係機関、そして個々人が新型コロナウイルス感染症と付き合いながら対応することを前提に立つ必要があります。

 したがって、小笠原村では、
「国内の感染リスクが大幅に減少し、村民の協力のもとに村内の感染リスクをさらに減らし、かつ一方で日々刻々変化する状況に迅速に対応する姿勢を持ちながら、段階的に小笠原村における社会生活、経済活動を再開する。」 ことを基本とします。


当面の対応
6月は来島自粛、上京自粛を継続
 国内では緊急事態宣言が解除され各地で人出が戻り始めたり、閉店していた施設・店舗等が再開されたりしている一方、それぞれの施設や店舗などでは業態ごとのガイドラインが示されるなど感染対策も引き続き行われています。

 ただ、人出が戻る結果としてコロナ感染の第2波が発生するのではないかという懸念も伝えられており、そのこともしっかりと見極める必要があると考えています。また発症までの期間が2週間以内といわれていることも踏まえ、小笠原村では6月中は引き続き来島自粛、上京自粛の要請を継続します。

 ただし、村内において疑い患者も発生していない状況であることから、引き続きマスクの着用などの感染予防対策と、いわゆる3つの密となる活動の制限を行った上で、村施設の利用制限を一部解除します。

 なお、村内の緩和措置等については、今後の国内や村内での感染者の発生状況等によっては即座に緩和措置の打ち切りや休業要請を打ち出すことを前提とします。

7月以降について
 6月以降も、現状の収束傾向がさらに進んだ場合は、400人前後を上限とした来島者の受け入れ態勢を構築し、さらにその後の国内および村内状況を見ながら徐々に受け入れ上限を上げていくこととします。

 なお、これも安易に上げていくものではありません。

 小笠原海運には乗船券販売の制限、船室の感染症対策の徹底をお願いしました。

 村内にあっては、宿、ガイド、飲食店、商店、各種観光サービス事業者の徹底した感染症対策の実施をお願いします。

 また、竹芝桟橋における検温体制を維持するなどの水際対策を行うとともに、来島者にも強く感染症対策を求め、村民の皆様にも自らの感染対策をお願いします。

 なお、この来島者受け入れも、国内および村内の状況によっては直ちに撤回することを前提とします。

 村は村民皆様の安心安全を考えながら、経済活動再開をめざし、かつ臨機の対応を行ってまいりますので、ご理解いただきますようお願いいたします。