10日㈬、朝から京都へ。新聞を読まずに出かけたが、「京都新聞の丹後中丹版を読んだか?」と複数の方からの問い合わせがあった。「京都府の道路予算の使い方はどうなっているのか?いかにも《お役所仕事》だ」というお叱りもあった。
事務所から記事を送ってもらって読んでみると「府道拡幅 思いすれ違い」と大見出しで、奥上林の綾部市老富町の府道小浜綾部線から大唐内自治会に入る府道老富舞鶴線の道路拡幅計画に対して、「地元と京都府の意見にすれ違いがある」という記事だった。https://news.yahoo.co.jp/articles/8fc221ff1948518f566ca9de97718f264948bde1
これなら、京都府も府会議員も怒られるはずだ…と納得した。
でも「聞いている話と違うな」と感じ、土木事務所や地元住民に連絡して事実を確認したところ、どうも記事には「事実誤認」があるなと思った。
電話した地域のリーダーの方は「今日の午後にも、境界確定の同意を得るために、土木事務所の職員が来てくれる約束になっている」と事業の推進に好意的であった。
土木事務所は「説明会の際には、地元から景観に関する要望も聞いており、それには対応するつもりでいる」とのことだった。
地元住民からは以前から「大型の除雪車が入るのに道路幅が狭く、除雪が路肩に溜まると通行に支障がある。もっと拡幅できないのか?」と要望があり、京都府に改良をお願いしてきた箇所でもある。
ようやく今年度、資源エネルギー庁の原発避難路の整備予算を活用して、測量や事業調査が始まり、来年度以降に道路設計、用地買収、工事着手と順次、進めてもらうということで、地元自治会との話は順調に進んでいると聞いていたので、まさに寝耳に水だった。
原発避難路整備予算は数年前から、毎年約2億3千万円が資源エネルギー庁で予算化され、舞鶴市と綾部市に半分ずつ配分されている。これによって、たとえば口上林と東八田をつなぎ、除染場所の上杉体育館につながる上杉和知線(黒石峠)などは、以前の2倍以上の予算が確保できるようになったので、口上林側の道路拡幅が始まっている。
原発避難路の整備予算はまだまだ金額が一桁以上少ないと府議会では訴え、資源エネルギー庁や関電にも要求しているが、これはこれで必要で大切な予算だと思っている。
記事を書いた記者にも電話して、「記事の見出しにあるように、思いがすれ違っているのだとすれば、それは土木事務所と住民ではなく、政府と地方自治体、都市住民と農村部住民ではないか」と過疎地域における道路整備に理解を求めた。
「そういう捉え方をされることを意図した記事ではなかったが、一方の考えだけの内容になっていたかもしれない」と反省しておられたので、「今後、さらに取材を深めて欲しい。福島事故から10年経ってもUPZ内の避難路整備は全く進んでいない。国にも関西電力にも、それを推進しようという誠意が全く見えないのに、原発推進だけが手際よく進められており、そういう矛盾を指摘してもらいたい」と要請した。
国交省が「事業の費用対効果」などと言うことも、地方住民に対して失礼な話だと思っている。費用対効果が合わなくなったのは、これまでの国の政策の結果ではないのか。「地方住民の努力不足」みたいに言われるのは心外だ。地方の住民の方がよっぽど努力している。