「ジェンダーと比較政治学」。日本政治学会編。
ミネルヴァ書房っていう、けっこうマイナーだけれど、学生時代によく買ってた政治学系の出版社が出している本を見つけたので、読んでみることに。日本比較政治学会って、関大だか立命館で学会があったときに、興味本位で友達と見に行ったことあったかな・・・・なんともいい加減な記憶なのである。
↓脱構築を始める子ども・・・・・思想家になれるかな
いろんな論文が紹介されているんだけれど、これまた統一性がない・・・・し、比較ではなくってグアテマラの戦争犯罪の話とか、インドにおける女性の政治参画の分析とか、比較というよりも他国の特定の事柄に関するジェンダー分析を超えていないのである。
↓上の子は庭の手入れに余念がない
それにしても、政治学関係の論文も、日本語のなかに英語を濫用していて、さらにその英語の使用方法がなんとも不可解なので、読んでて混乱するのである。
「たとえば、トラフィッキングについては・・・(略)・・・ガバナンス・フェミニズムのコミットメントは、ポリシングの強化をもたらす傾向がある。特に注意すべきは、そうしたポリシングの強化が、福祉レジームの解体に伴う包括社会から排除型社会への移行にも伴う不寛容(ゼロトレランス)政策の強化・懲罰化・予防拘禁の濫用といった文脈で行われたということだろう。」
全部英語にするか、全部日本語にして書いてほしいと思うのは私だけだろうか・・・・そもそも、筆者は、自分が書いている分析内容を十分に咀嚼してるのだろうか?
↓はやーい新幹線を見学、このくらいすっきりした理論がほしい
他人が書いた論文は、「なーんじゃこれ」って思いがちなんだけれど、自分が書くと、どうしようもなくとほほだったりするんだけれど。それにしても、比較政治学会がジェンダーを取り入れて検討をすえているというのは、うれしい動向。ASEAN諸国のジェンダー主流化とそのインパクトの比較分析とか、ASEAN諸国の女性に対する暴力政策の比較研究とか、おもしろいだろうなあ。将来、もし大学院に戻れる機会があったら、実地経験をいかして、自分がぜひ研究したいものである。