トラッシュボックス

日々の思いをたまに綴るブログ。

イナズマンF 第47話「邪魔者は殺せ ガイゼルの至上命令」で流れる歌

2011-05-08 23:20:45 | マンガ・アニメ・特撮
 70年代に「イナズマンF」(Fはフラッシュと読む)という特撮ヒーロー番組があった。
 当時の子供番組の枠を超える異色作が続出し、それらに魅せられた者は多く、一部での評価は高い。

 ただし、そうした大人の鑑賞に堪える作品は、私が思うに、全23話中、10話にも満たないだろう。
 前作「イナズマン」のレギュラーだった少年少女やコメディリリーフの男性を排し、シリアスキャラであるインターポールの捜査官を新たなレギュラーに加え、たった2人でデスパー軍団に立ち向かってゆくハード路線に転向したとされる本作だが、第1話では当時の子供番組でしばしばに見られた印象がある幼稚園バスジャックが行われているし、ゲストキャラが少年の話もいくつかある。合体ウデスパーとの最終戦や、イナズマンがデスパー軍団に操られる話を大人になってから見返して、その理不尽ぶりに頭を抱えた方も多いのではないか。

 私が傑作と考える作品を3つ挙げるとすれば、

第18話 レッドクイン 暗殺のバラード
第20話 蝶とギロチン 花地獄作戦
第22話 邪魔者は殺せ ガイゼルの至上命令

となる。
 特に第20話は当時のヒーロー物の中でも最高傑作だと思うが、万人がそう認めるとは思えない。

 第22話「邪魔者は殺せ ガイゼルの至上命令」(「殺せ」は「けせ」と読む)は、インターポール秘密捜査官とデスパー軍団の一員という2つの顔を持つ女性がゲストの話。
 牧れい演じる白鳥ジュンは、FBI幹部の娘で、両親をデスパー軍団に殺され、復讐のためインターポールに加わった。だが、彼女の育ての親である兄は、デスパー軍団によりサイボーグに改造され、ジュンら兄弟もその構成員となっていた。ジュンは、主人公らにデスパー軍団の機密情報を流しつつも、兄をサポートして主人公らを攻撃する。

 劇中、ジュンはギターを弾きながら歌う。
 このシーン、歌い出しの唐突さと、その直後に現れる彼女の兄の扮装と相まって、相当にヘンなシーンなのだが、強く印象に残る。
 しかし、歌詞の内容はあまり記憶に残っていなかった。

 たまたま先日見返した際に、書き留めてみた。

カモメに託した私の恋は
広い海に消えたまま
どんなことでも一度だけ
一度だけしかない私

私にとって 二度という
言葉は全て いらないの


波に誓った私の願い
今でも海は知っている
生きた証(あかし)を立てるため
涙を捨てた私なの

私にとって 一度だけ
小さな願いを ささやいた


誰も知らない 私の祈り
海は黙って見つめてる
波に揺れてるくず星に
ぶつけた石が私なの

私にとってただ一度
悲しい祈りをつぶやいた


 これは私が耳にした音(おん)に基づいて文字に起こしたものであり、歌詞として正確かどうかはわからない。
 「くず星(ぼし)」は聞き違いかもしれない。

 この第22話は監督・山田稔、脚本・塚田正煕。
 ウィキペディアの「イナズマンF」の項目を見ると、次のようにある。

テレビマガジン特別編集『変身ヒーロー大全集』(講談社)における加藤貢の証言によると、塚田は音楽面にも造詣が深く第18話でレッドクインのテーマとして使われたピアノ曲「暗殺のバラード(シナリオでの表記)」や、第22話で白鳥ジュンが歌う楽曲は塚田のオリジナルスコアとのこと。


 大したものだと思う。

 その塚田正煕の項目はウィキペディアにはない。
 ネットを検索してみたが、いくつかの特撮ヒーロー物で監督などを務めていることぐらいしかわからなかった。
 どういう人物なのだろうか。