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江戸時代、武士の生活② 俸禄とは・・・

2010年12月16日 11時03分57秒 | 江戸時代とは・・・・・

磯田道史著「武士の家計簿」によると、猪山家の歴史は、猪山清左衛門という人物から始まっています。
この初代が亡くなったのが慶長10年(1605年)ということになっています。

ということは、加賀家藩祖の前田利家の時代から侍であったということです。
侍といっても、「直参」と「陪臣」があり、猪山家は、「陪臣」だったようです。

「陪臣」とは、家来の家来であり、つまり、猪山家は加賀前田家120万石の家来、菊池右衛門という千石取りの加賀藩士に仕えていました。

当時、武士といっても、「直参」と「陪臣」があり、俸禄には給足と無足というのがあります。

給足とは、「知行地取り」のことで、それ以外を無足と言います。

俸禄の種類は・・・
 ◎ 家禄・・・・先祖の功により、その家に対して支給されるもの。 いわゆる基本給です。
 ◎ 職禄・・・・職務を果たす上で、家禄の不足分を補う俸禄で、いわゆる職務加給です。
 ◎扶持米・・・領地の持たない下級武士に職禄の代わりとして支給されます。
 

その支給方法としては

◎ 知行地取り  格式が高い俸禄の支給方法で、領地を治めます。
            警察権も裁判権もあり、年貢を取り立てなくてはならず、領地内支配人や用人
            を置かなくてはならず、天候により収穫が不安定で、運搬などの費用がかかり、
            格式だけが取り柄なようです。

◎ 蔵前取り   米の現物支給 札差を通して、食べる分だけ米をもらい、残りは現金で。
 
◎ 扶持米取り 一人扶持とは1日当たり玄米5合で、年間1石7斗7升が支給されます。
           毎月分割で支給されます。
◎ 金銭支給   下男など身分の低いものには、金銭で支給されることもあります。

 武士の身分は、官位、家格、役職、そして禄高でも表されます。
官位や家格については別途に述べるとして、禄高も、その武士の身分を表しています。
知行取りは、その領地から取れる米高によって、例えば200石取りとか、500石取りとか・・・
蔵前取りは、50俵とか200俵とかと呼ばれます。

小説などで、下級武士に対して「さんぴん侍」などと呼ぶことがあります。
この「さんぴん」とは、年俸が3両1人扶持の侍のことで、現金と米の併給もあったのです。

   個展出品作 その2  ニュージーランド オークランドにて