PASMO(パスモ)の登場で首都圏の交通網がカード1枚で結ばれたと報道されていますが、関西では、すでに2006年1月から、JR西日本、私鉄、地下鉄、バスの相互利用がスタートしています。
PASMOの先輩・PiTaPaが関西では、いかに愛好されているのでしょうか?
関西圏の交通系電子マネーには2種類あります。
首都圏のSuicani(スイカ)にあたるのがICOCA(JR西日本)、PASMOにあたるのがPiTaPaです。
しかし、PiTaPaとPASMOには、決定的な違いがあります。
PASMOがSuica・ICOCAと同様のプリペイッド(前払い)方式なのに対して、PiTaPaは世界でも例のないポストペイ(後払い)方式をとっている点です。
毎月1日から月末までの利用金額が集計され、翌々月に銀行口座から引き落としされるクレジットカードと同様の方式のため、PiTaPaを入手するには審査をパスしなくてはなりません。
つまり、駅の販売機などで入手できるICOCAのような手軽さがありません。
どちらが良いのか、利用者の判断に委ねますが、ポストペイ方式だからこその長所があります。
各個人の利用実績に応じた運賃割引サービスがあるということです。
例えば、阪急の場合、1ヶ月の利用回数が11~30回なら自動的に請求金額から10%が、31回を超えれば15%を割り引くサービスがあります。
又、事前によく利用する区間を登録することによって、その区間内なら1ヶ月間に何回乗り降りしても、運賃は同区間の1ヶ月定期運賃を越えない「区間指定割引」なども実施されています。
それに、PiTaPaは、関西圏を中心に全国1万5000の加盟店で電子マネーとして利用出来、100円の利用につき1ポイントがもらえる仕組みになっています。
これを「ショップdeポイント」といい、500ポイント貯まると自動的に当月分交通代金から50円に割引があります。
つまり、5万円分の買い物をすると50円の割引が受けられるということになります。
一見、還元率が低いと思われますが、ポイント加算率を5倍に設定した店舗も多く、10~100倍になるポイントアップキャンペーンも頻繁に行なわれています。
PiTaPaの真の目的は「電車・バスを都市のエレベーター」にすることだそうです。
デパートでエレベーターに乗るのにお金はかかりません。それと同様に都市全体を1つのデパートと見た立て、その移動手段を限りなくゼロに近づけたいということだそうです。
2007年5月現在約73万枚発行され、利用エリアは滋賀県、奈良県、三重県、愛知県まで拡大し、西は岡山、東は名古屋まで幅広く利用できるようになりました。
近い将来には、Suicaとの相互利用も実施される予定です。