「優先座席」は、1973年9月15日の「敬老の日」に東京の国鉄(現JR東日本)中央線に始めて登場しました。
老人医療費の無料化や年金の物価スライド制が始まり、「福祉元年」と言われた年で、1975年には、運輸省(現国土交通省)が通達を出し、全私鉄に広がりました。
1999年には、阪急が「全席優先」に転換したとき、「今でも有名無実化しているのに」と冷ややかな声があり、各私鉄もお手並み拝見とばかりに追随されなかった経緯があります。
今日の絵は、”すずめの休息” F6号
先日の新聞で、先月末の阪急阪神ホールデイングスの株式総会で、「全席優先座席」について高齢の株主から「普通の優先座席があったほうが席を譲ってもらいやすい」と見直しを求めたと報道されていました。
どの席でも困っている人がいたら譲るのは当然・・・・そんな善意への期待が「全席優先座席」を生んだのですが・・・・
これには、阪急も理想と現実のギャップに困惑しながらも再検討を始めたそうです。
これは、当初は、各私鉄も追随しなかったにもかかわらず、好意的に受け止められたのは、誰もが思いやりの心を信じたかったからではないでしょうか?
お年寄りや身体の不自由な方に席を譲っている光景をよく見かけますが、「ありがとう」の一言にぬくもりを感じない人はいないはずです。
人の善意は、強制されるものではありません。
今までの日本の類なき思いやりの心が、崩されるているのでしょうか?
まだまだ、日本人の常識は、捨てがたいものだと思うのですが・・・・