旧愚だくさんブログ

愚だくさんブログ過去記事蔵です。

犬は飼い主を選べない

2012年05月24日 | 人間じゃない家族

昨日の夕方、下子カメと一緒に愛犬ジュピターをワクチン接種に連れて行った。

受付を済ませて順番を待っていると、トイプードルを連れた家族がやって来た。
父親、母親、そして子供が3人。

受付にて
「薬を服ませても良くならないし、餌を食べなくなっちゃったんです。それと、後ろ足が上がらず自分で立つことも出来なくなりました」
と訴える母親。
はぁ・・・かなり重症らしい。

父親に抱かれたその犬を見ると、あり得ないくらいに毛艶が悪く、脱毛もひどい。
目は涙目、やせ細って、何よりもまったく精気が感じられない。

こんなにボロボロのトイプードルを見たのは初めて。
しかし、病気と言うよりは
「ひょっとして、ストレス?」
と直感した。
小学低学年と思われるお兄ちゃん、妹、そして園服姿の次女にこねくり回された挙句のストレスじゃないかな?・・って。

そして、その子供達なのだが、院内を動き回り落ち着きがない。
その上、やたらとジュピターを意識して、その態度たるや可愛くないったらありゃしない。
わざわざジュピターの傍に来ては
「かわい!」
まで言い、離れてから
「くない!」
と言う。
上の子2人で何度かそれをやられ、流石にウンザリした。
「可愛くないのはおめーらだよ!このクソガキが!」
と心の中で毒づいていたら、末っ子の脚の間に水溜りが。
慌てる母親、雑巾を持って駆けつけるスタッフ。
ずっと取り替えなかったオムツからオシッコがあふれたそうで。
就園児なのにオムツが取れていないのか。
いやいや、参った!

そうこうするうちにジュピターの検査&ワクチン接種は終わり、そのトイプードルの診察順番が回って来た。
獣医師に抱きかかえられて診察室に消えて行くトイプードル、
「○○、頑張って~」
と手を振って見送る上の子2人・・・相変わらずジュピターを横目でチラ見、意識しまくりながら。

自分もその犬を見送り、会計待ちをしながら、
「それにしても、あんなにボロボロになるには、ストレスじゃなくて先天的に弱い子なのだろうか。生まれつき弱い子と分かっていながら、こうして熱心に病院に連れて来るなんざ、この家族も捨てたもんじゃないのかも知れないなぁ」
なんて見方を改めようとしていたところ、その犬の診察が終わったらしく獣医師が犬を抱いて戻って来た。

ムムム!
獣医師、何やら厳しい表情。
明らかに眉間にシワを寄せている。
そして、開口一番

「極度のストレスです!」

とピシャリと言った。

ありゃりゃ~

「前回も言いましたよね、お子さん達を近づけないで下さいって!世話は大人の人だけがやって下さい!免疫機能が恐ろしく低下しています!」

自分の直感、当たったな。

肩を震わせ笑いを堪える下子カメ。
病院から出た途端、爆笑していた。

「やっぱそうだと思った!しかし、犬をボロ雑巾のようにするガキってどーよ!しかも、一番ちっちゃい子は園児にもなってオムツしてるじゃん。あの家で可哀想なのはちっちゃい子と犬だよ。親は考え直した方が良いよ」

言うねぇ・・・

それにしても、
「ストレスであんなになっちゃうんだ」
ってことに驚いた。
ジュピターも前の飼い主には虐待に近い扱いを受けていたらしいが、それでも病気にもならずまともな姿をしていた。
純血種のトイプードルが、まんまボロ雑巾となるなんて、一体あの子供達は犬に何をしているのだろう。
犬にとってどんだけ地獄の日々なんだ?!
子供の情緒教育のために犬を飼っているのだとしたら、思い切り逆効果。
その愛情表現でオッケーと思われては非常に困る。
下子カメの言うように、親も子もこれを機に考え直した方が良いだろうな。

子は親を選べないと言うけれど、犬は飼い主を選べないんだなぁ・・・
と、妙に実感した出来事だった。