民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

酒の味ー御湖鶴

2017-04-25 07:20:53 | 民俗学

下諏訪で飲んだ酒の話です。下諏訪には1軒蔵元があります。菱友酒造といいます。商品名は、御湖鶴。宿をとった「ぎん月」の近くでもあり、街をブラブラしながら蔵元で買えばしぼりたての旨い酒があるだろうと、訪ねてみました。ところが、店にはカーテンがひいてあり鍵がかかっていて、休みみたいです。裏の蔵にも誰もいないみたい。せっかくきたのに残念に思い、町の中の酒屋で御湖鶴の純米酒を購入しました。宿では夕食には、御湖鶴は買ったので別の諏訪の酒を注文して飲みました。高天といいましたか。なかなかうまい酒でした。もう少しと思い、中居さんと話していると、御湖鶴のはなしになり、蔵元に行ったが今日は休みだったといいますと、最近、従業員がやめたりして休んでいることが多いといいます。ただ、いい酒でサッカーの中田が作った店に提供しているとか、JALの機内食に出されるとかいうものですから、1本燗酒で飲んでみました。燗がつきすぎていることもありましたが、やたらと後味が甘く酒の香りはありません。正直まずい。こんなものが何で機内食に採用されたり、中田が店でだすのかとがっかりしました。とはいえ、店の人に味はいかがですかといわれ、マズイデスともいえないので、おいしくいただきましたと答え、以後話題にしませんでした。それでも、普通酒だから美味くないのであって、純米酒はうまいかも、とのぞみをもって自宅に帰ってから購入したやつを飲んでみましたが、やはりまずい。できそこないの酒に醸造アルコールとブドウ糖を混ぜて作ったような味です。これでは売れなくて、従業員もやめてしまうと独り言ちました。ところが、それは私が感じただけの感想ではなかったことが今日の信濃毎日新聞を読んでわかりました。御湖鶴は負債を抱えて製造中止だといいます。海外進出やら東京進出など、はなばなしい販売戦略をおこなったがうまくいかなかったとのことです。そりゃそうです。どんな販売戦略たてようと、酒そのものがあんなにまずいんじゃ、2度目の客はいません。酒の味のわからん者が社長と杜氏だったのでしょうか。うまい酒を造ることがまずあって、しかる後にいかに売るかです。新聞には日本酒需要の落ち込みのあおりを受けてとか書いてありましたが、それは間違いです。まずいのです。