民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

駒ヶ根へ2

2016-12-11 08:59:05 | その他

光前寺を見てから、養命酒の工場見学に行きました。養命酒とは全国で販売されている薬種です。工場を見学しながら説明されたことによれば、全国で販売され海外(台湾・シンガポール・香港など)でも販売されている養命酒は、全てがこの駒ヶ根工場で作っているといいます。工場といっても、瓶詰工程でしたが梱包まで含めて自動で行われ、労働者は20人もいません。薬品として販売していますから品質管理には厳しく、随所で瓶に光をあてて検査し最後は15分交代で目視でチェックしているといいます。見ていると、不具合があるとラインをすべて止めて検査していました。今までたとえて言えば、梅酒のような物を高い値段で売っている位の理解でしたが、米から作った味醂に10種類以上もの生薬をつけて作っていることがわかり、薬種として見直しました。加えて駒ケ根の標高800メートルほどの森の中の工場で、少数の人の手によって作られていることが、うれしくなりました。自然と地域を大事にしているという社風も感じました。事務所の1階では地域のひとを対象に、注連縄・門松作りの講習会をやっていました。

養命酒は、400年ほど前、病に倒れた旅人を丁寧に介抱したところ、そのお礼にと教えられた家伝薬の薬種をもとに全国販売するようになったのだといいます。会社は各地の営業所を加えても200名ほどの従業員だといいますから、顔の見える範囲です。同じように会社と地域を大事にしている会社、伊那食品、かんてんぱぱも近くにあります。伊那食品の会長塚越さんの講演を聞いたことがありますが、お手本としての経営は松下幸之助のダムの経営だといいます。それは、時流に任せた急な会社の成長はせず、少しずつ水がたまるダムのように、少しずつ成長していく会社が理想だというのです。かんてん、あるいは養命酒という商品に特化した販売を地域に根差して着実におこなうという点で、2つの会社には共通点がある、事実健康を志向するというコンセプトは共通しているのですが、と思いました。また、こうした会社がある伊那谷の心の豊かさのようなものも感じたのです。

昼食は、駒ケ根のB級グルメのソースカツ丼を食べようと思いましたが、朝食を食べ過ぎボリュームのあるソースカツドンはとても無理でしたので、養命酒のオープンカフェで健康食のワンプレートランチを食べたのです。