民俗断想

民俗学を中心に、学校教育や社会問題について論評します。

安保法制の目的

2015-09-18 06:33:13 | 政治

 何が何でもあと数日の残された会期中に国会を通してしまおうとする政府と野党の攻防が続いています。それにしても、憲法違反と断定され、答弁は2転3転し、想定する事態もくるくる変わるこの一群の法律を、なぜどうしても今成立させなければならないのか。安倍の歴史に名を残したいというパーソナルな問題に帰着させてよいものか。冷静に考えれば、何か裏があるのではないかと考えたくなります。

 ゆうべ信州大学で新安保法制に反対する第3回のシンポジウムがありました。そこでの討論でのフロアーからの発言に、法制審議会で長く働いていたという人の、やむにやまれぬ発言がありました。専門家の目から見ても、この法制はめちゃくちゃで何度読んでもわからないといいます。それは、真の目的を隠しているからだというのです。真の目的とは、アメリカがこれからするイスラム国との戦争の後方支援に自衛隊を派遣するためだというのです。確かに、近い将来アメリカが有志連合として地上軍を派遣することはありうることです。そこに自衛隊を出せといわれていたとは、十分に考えられることです。そうなると、たくさんの自衛隊員が死に、何より怖いのは原発へのテロ攻撃だといいます。何とこの日は原子力の専門家から、原発への攻撃に対する被害の想定などは専門家はシュミレートしていないと話があったばかりでした。そうだったのかと、目から鱗の思いでした。アメリカが地上軍を派遣したらいつでも自衛隊を派遣できるように、ここで法的に備えておくことが真の意味だが、そんなことは口が裂けてもいえないのです。

 今日にも法案は通ってしまうでしょう。しかし、ここからが国民の勝負だと思います。国民をなめたつけは、議員の連中にきっちり返してやらなくては、あの厚顔無恥なやつらの性根は直りません。